表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/128

商店に買い出し

 宿に戻ってきた僕とジョージ、師匠の様子を見に来たのだが……師匠とガストンさんだけでなく、人数が増え卓を囲みながらお酒を飲んでいる。


「ヴァン戻ったか!! 聞きたいこと聞けたか? とまだお開きにしたくねーから食材の買い出しと、魔獣の素材解体ギルドに頼んできてくれるかぁ?」


 顔を真っ赤にしながら言ってきた師匠。


「はい、とりあえず落ち着いたときに報告します!! 買い出しと販売了解しました!!」


 踵を返し買い出しにいこうとする僕を止める声が響く。


「ヴァンちょっと待ちな!! 馬鹿師匠の尻拭いだよ! こいつらほっといたら夜の分がなくなっちまうよ、酒屋でエールの樽を一つ買ってきておくれよ!!」


 ヴェルダさんに追加の買い出しを頼まれてしまった。


「どこのお店とかってありますか?」


「いつもはリカール商店ってところだね、そこはお酒も食料も揃ってるからあんた達の買い出しもまとめてできると思うよ! お代は立て替えといておくれ。」


「わかりました、それではいってきます。」


「場所はわかるのかい?」


 大丈夫ですよと答え宿を出て買い出しに、予定としては魔獣の素材の販売はグランデさんに捕まったら終わるまで解放されないから、ギルドはあとにして、先にリカール商店に行ってしまおう。



 リカール商店はヘリテリウム王国のほとんどの街に出展している大商会だ。僕が知っているのも師匠が買い出しに行くならここで全部揃うからということで、今後頼むこともあるだろうと教えてもらっていたのだ。


 早速店内へと入る、扉を開くとチリンチリンと入店を知らせるベルがなった。

 店内は広々としていて、食材、お酒、日用品と各コーナーごとに陳列されている。

 奥から店員さんがやって来た。


「いらっしゃいませ、ご要望などありましたらお気軽にお声かけください。」


 一礼して奥に戻りそうだったのであわてて声をかける。


「すみません、この子なんですが獣魔同伴でも店内見ることは可能でしょうか?」


「はい、店員や商品に危害が加えられなければ問題ありません。被害があれば代金の方は請求させてもらいますけどね。」


「わ、わかりました。少し店内見させてください。」


「ごゆっくりどうぞ。」


 大体買うものは決まっているが自分で見るのも楽しいだろうと気分転換に店内を散策することにしたのだ。

 代金請求すると言われていたにも関わらずジョージは果物のコーナーでこっそりと手を伸ばし食べようとしているところを未然に防ぐなどのちょっとした攻防があったのだが一通り見ることができた。

 中でも気になったのは。獣魔証だ今ジョージがしているのは仮の物なのでこのお店でジョージが気に入ったものを勝手あげることにした。


「ジョージ、この中の獣魔証から欲しいのを選んで!」


 するすると背中から降りてきて、どこで覚えたのかわからないけど、腕を組んで商品を見始めた。


「(ばん、これ!!)」


 と指差したのはパラコートのような編み込みの腕輪だった色も黒をベースに紫が所々使われたものでかっこいい。

 僕もほしくなったのでお揃いの物を購入した。店員さんに聞いたら、獣魔とお揃いにする人も居るとの事だったので問題ないだろう。

 いつもお世話になってるエリーセとヴェルダさんにもとエリーセには髪留め、ヴェルダさんにはハンカチをプレゼントに選んだ。


 会計の場所に行き、用件を伝える。


「すみません、エールの樽を一つとまとまった食材の発注をお願いしたいのですが、いいですか?」


「お客様、行商などをされる予定でしょうか?」


「いえ、エールの樽は小鹿亭の女将さんに頼まれたのと、食材類は三ヶ月分くらいをまとめていつもここで買ってるらしいのですが……」


「少々お待ちください、上のものに確認してきますので。」


 と裏に店員さんは行ってしまった。しばらくすると恰幅のいいおじさんが出てきた。


「大量発注のお客様でよろしかったですかな?」


「はい、冒険者のヴァンと申します。師匠と小鹿亭の女将さんに頼まれて買いに来たのですが。」


「小鹿亭にはいつもご贔屓にしていただいております。その申し訳ありません、師匠とはどちらの方でしょうか?」


 師匠で伝わるのは僕に親しい人でないと伝わらない事に言われて気がつきとても恥ずかしくなる。耳まで赤い気がする……


「すみません、師匠はマーク・ケイン雷騰です。」


「これはこれはマーク殿のお弟子さんでしたか、これは失礼しました。大量発注も納得ですな。酒樽一つと食材、食材の方はいつもの量でよろしかったですかな?」


「量を多めにして欲しいんです。人数が増えたので、果物とミルクはいつもより多めでお願いしたいです。樽は出来ればこのあと持ち帰りたいのですが……」


「かしこまりました。樽の件はこのあとお渡しできます。食材の方は明日までに準備いたしますので、代金を先にいただくという形でもよろしいでしょうか?」


「大丈夫です。無理をいってすみません、計算してきますので少々お待ちください、そちらのお持ちのものもご一緒でよろしかったですかな?」


「一緒で大丈夫です。」


 おじさんは裏へと入っていき、樽を持った人と戻ってきた。


「お待たせいたしました、いつもご贔屓していただいておりますので、少々ですが勉強させていただきました。金額が大金貨三枚と今回の四枚となります。」


 マジックバックから取りだし、支払いを済ませる。食材をいれるマジックバックをおじさんに渡し、樽を受けとる素の状態ではなかなかに重いので店を出たら身体強化で移動することを決める。


「いつもありがとうございます。今後ともリカール商店をどうぞご利用くださいませ。」


 と見送りしてくれたおじさんと店員さん達と別れ、身体強化でさっさと宿まで移動する!!

 宿に到着してヴェルダさんに樽を渡したときに言われて気がついたのだが、マジックバックにいれてくればよかったじゃないかい? の一言恥ずかしくなっ……これも修行です! 重いものを運ぶトレーニングです!! とごまかしたのだった。


 プレゼントは今ではなく夜の時間に渡すことにした、今の時間は夕飯の仕込みがあるので忙しいと思ったからだ。


 残りのギルドの方もさっさと用事を済ませてしまおうと思う!!

 グランデさんに捕まりませんように。捕まっても早く帰れますように。そう祈りつつギルドへと向かった。

いつもお読みいただきありがとうございます。


1月15日夜達成したものを報告いたします!!PVが一万達成しブックマークが25件、総合評価ポイントが100になりました。


半魔の渡り人を見てくださった方、ブックマークしてくださった方、評価してくださった方、皆様この場を借りて御礼申し上げます。


ありがとうございます(* ̄∇ ̄)ノ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ