三度目の町へ
ルダボスカのギルドマスターのダグさんに相談にいくために三人で家を出た。相談だけでなく、食材のそこが見えてきたので買い出しも今回のルダボスカ行きの理由だ!!
師匠もジョージの事を気に入ったみたいで僕と一緒に教えてくれるようだ。
僕は力をつけたら旅に出ていろんなものを見て困っている人が居たら助けられるそんな人を目指してるからね、その旅にジョージも一緒についてきてくれたらいいな何て思ったりしてる。
ルダボスカへはこれで三度目、前回と同じように一直線に森を抜ける道を選んで走っている。
もちろんジョージは僕の背中にしがみついての全力疾走だ!!
前回からのひとつ変化があったそれは師匠の魔力感知よりも先にジョージが敵を見つけてくれるのだ。
「(ばん、まえに、てき!!)」
「師匠のこの先に魔獣が居るようです!!」
「わかった!!……敵の数は4!!」
そして前方から現れたのはお馴染みのフォレストウルフの群れだ。あちらの方が数か多いためふたてに別れ囲って獲物をくる作戦のようだが、右に散開した二匹は師匠によって絶命、左二匹も僕のエアカッターで致命傷を与えたフォレストウルフに接近し斧による一撃で頭部を破壊、絶命させた。
いつものように魔石を取っていると。
「(ばん、その、キラキラ、たべたい。)」
「えっ!? ジョージこれを食べたいの?」
「(うん!!)」
食べ物なんかはよくおねだりするけど、魔石をたべたいとなると……師匠に聞いてみるか、とりあえず魔石以外の解体はギルドでお願いすればいいからマジックバックへと収納する。
「師匠!! すみません、ジョージが魔石を食べたいって言ってるんですけどどうしたらいいと思いますか?」
「魔獣の生体に関して俺にはわからんのだが、今回は食べさせて、もし食べて異常が出れば今後やめる方針でいいんじゃないか? あとは町に着いたら獣魔師に聞いてみるのもひとつだと思うぞ!!」
「そうですね、今回は1つだけと制限して、町で獣魔師の意見を聞いて見ることにします。」
「ジョージ今の話でわかったかな?」
「(わかった、ばん、ちょうだい!!)」
しがみつきながら、右手を伸ばしてくる。
本当にわかっているのだろうか?少し不安になるがフォレストウルフの魔石を渡すと、ジョージはその魔石をボリボリと噛み砕いて、食べてしまった。
「ジョージ、なんともない?」
「(うん、あじしないー、でも、ちから、もりもり~)」
力もりもりとはどういう状況なのだろうか? 体への異常はないようなので町へ再び走り出した。
「ジョージ、何かあったらすぐに言うんだよ!」
右手が顔の前まで伸ばされ親指を立てるジェスチャーをして来た。サムズアップなんてどこで覚えたんだろうか……
2日かけて森を抜け草原に出たところでいつものように土属性魔法の土人形を呼び出し、草原を走り抜ける。このときもジョージは楽しそうだった。
「(ばん、はやい、はやいー)」
とものすごくテンションが上がっていた。はじめての遠出にジョージはあれは何?これは何?と色々なものに興味を示し、たくさん質問攻めをされた。これは町に行ってもこの調子で喋り続けるなぁ~何て思ってました。
町の防壁が見えたところでいつものように土人形を解除し、歩いて街道を歩いて進むとジョージがだんだんとおとなしくなっていった。
「ジョージ何かあった? 急におとなしくなったけど?」
「(ばん、あのかべ、いかなきゃ、だめ?)」
「あの壁の向こうに用事があるから、ジョージにもついてきてもらいたいんだ。」
すると僕の言葉に納得したのか師匠が防壁を指差して話し出した。
「あの防壁には俺達が使ってた魔獣避けの魔導具よりも強力なやつが設置してあるからな。だいたい俺達が使っている魔獣避けの魔導具もかなり効果の高いものなのに何でジョージは大丈夫なんだろうな?」
「ジョージも最初、師匠の家の魔獣避けだけでも嫌がって大変でしたよ! でも家で生活してたら平気になってましたね。」
そんななごやかムードも門へと到着すると一変する。珍しく門へと続く人の列ができていたのだ。テーマパークのような行列ではないので最後尾に並ぶ。一応騒ぎになるといけないということでジョージには僕のローブの中に入ってもらった。
しばらくすると列が進みようやく検問しているガストンさんが見えてきた。
「マーク殿にヴァン君じゃないか、マーク殿はついこの間来たばかりではなかったですかな?身分証の提示をお願い致します。」
「ちょっとダグに相談事があってな、それと。」
師匠はちょいちょいとガストンさんを手招きしてひそひそと内緒話をする。
ガストンさんは目が飛び出るかのように驚いていたが、それも一瞬冷静さを取り戻し、師匠に貸し1つですよと言っていたのでジョージのことだろう。
「ガストンさんこの行列はどうしたのですか?」
「この行列は先日コルダダンジョンの攻略をした天翔る剣のメンバーがルダボスカにやって来たんですよ!!それを一目見ようと来たものや、それにあやかってと商売魂たくましい連中ですよ。はっはっは」
有名人が来てるみたいだ。あまり後ろの人を待たせるのもあれなので冒険者プレートと一応引っ付いているジョージを見てもらって町の中に入る事ができた。
大騒ぎにならずに通過できたのもガストンさんのおかげだろう。しかし密入国しているような罪悪感に襲われてしまうが今は仕方ないだろう。あとで何か喜んでもらえそうなものを渡すようにしよう。あれでもこれも捉え方によっては賄賂になるのか? と変な方向に話が進んでしまったがすべて放り投げる事にした。
ギルドまで足早に向かうのだった。
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