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ランクアップと帰還

 無事に討伐を終え、村に残るゴブリン達の死体を集め火魔法で焼却し村での依頼を完了させた。

 村長さんからはお礼を言われ、空いてるスペースで一夜を明かすこととなった。


「念のために魔獣避けの魔導具の設置はしておきますか?」


「ヴァンそれはマーク殿から借りてきたのか?」


「はい、師匠に確認していつもの夜営用の道具類は持ってきました。」


 アンガスさんは眉間にシワを寄せているし、他の二人も呆れたような顔である…なにかミスをしただろうか?


「ちなみにだが二人で町に来るときの夜営中の見張りはどうしてるんだ?」


「二人で寝てますよ?魔力感知を定期的にやれるように修行しましたし。」


 三人は頭痛でも起こしたのか、頭を抱えている……大丈夫だろうか…


「ヴァンっちはお師匠さんの影響でちょっとばかし……じゃないっすね、回りの冒険者とはかけ離れた感じになってるっす。」


「そうね、まずその魔導具なんだけど駆け出しから持っている人はまずいないわ、貴族のお坊っちゃまならなくはないけど、私達も一応持ってるけど、魔石の補充が大変だからほとんど使わないわ。」


「二人で移動してるときの魔力感知を常にってのもはじめて聞いたぞ。」


「そうなんてすか?師匠が普通にやっているので、覚えなきゃと必死でした。」


 ここでも師匠の教えと普通の冒険者の違いが出てしまった。でも便利なものは使い続けてもいいよね!


「とりあえず夜営は二人一組でやるぞ、ヴァンとバレットが先で俺とデルフィーヌは後の順でいいか?」


「私ヴァンとがいいわ!リーダー変更希望よ!」


「デルフィーヌ、それはダメだこの中で魔力感知の能力が高い二人はデルフィーヌとヴァンだ、帰りに土人形が使える二人を先に後はゆっくり休んでもらう!! 変更は無しだ。」


 その後もデルフィーヌさんは駄々をこねていたがふて腐れて寝るようだ。


 その後バレットさんと夜営の見張りをした。定期的に魔力感知をおこない周辺を確認するが異変はなかった。


 見張りの間バレットさん達の過去の話も聞けた。もともと別々で活動していたそうだ。メンバーの引退や引き抜きなど色々とあったんだって。バレットさんの話が楽しく、あっという間に時間はたって交代となった。


 翌朝になるまで魔獣の襲撃は無く、この村を襲っていた黒幕は闇属性を使うゴブリンシャーマンだったようだ。


 村長に挨拶をした後ルダボスカへと土人形で向かった、デルフィーヌさんは僕の後ろで密着度が凄かった。振り落とされないようにということだったけど昨日の見張りの影響が大きい気がする。


 半日もかからずにルダボスカへと到着。門番のガストンさんに珍しい組み合わせだな何て言われたけど、身分証を見せ入ることができた。


「アンガスさんこのあとはギルドへの報告ですか?」


「ギルドで依頼の完了を伝えて、サポート・メンバーの働きがどうだったかも一緒に伝えるんだ。」


「それは評価と言うことでしょうか?」


「そうよ、ヴァンは戦闘は問題なし、こうやって遠征になっても他の冒険者とのズレはあるかもしれないけど、万能にこなせてるから心配ないわ。未だにFランクってのが問題なくらいね。」


「そうっすねぇ~、でもあっし達の報告でEにはなるんじゃなっすか?」


「行ってみないとわからないからな、これから経験を積んでいけば問題なしとなるだろう。」


 会話をしながらギルドへと向かい、受付にて報告をアンガスさんがしてくれた。その間僕達他の三人は併設されている酒場の方で食事を頼んでおくことに、皆で一緒に食べることとなった。


 ギルド酒場は前日に運び込まれた魔獣によって日替わりのメニューが変わるらしく、それを人数分頼んだ。


 料理が運ばれてきてデルフィーヌさんやバレットさんはエールを頼み、アンガスさんが戻ってくる前に飲み始めてしまった。仕事終わりのこの一杯がいいのよなんて言い出してるし。僕は果実水だ! 禁止されてるからね。


 アンガスさんも合流し祝勝会ではないが楽しく食事した。


「ヴァンこの飯が終わったら、受付でプレートの書き換えだそうだ、今回の報告でランクアップということになったぞ。」


「ありがとうございます。後でいきます!」


 この冒険者ランクをあげることが目標ではないので着実に上がればいいかな。


 異世界ギルドのテンプレで実力を考慮してとか、この実績、あの魔獣を討伐したものをこのランクにしてはおけない、とかって特別ルールが発生して飛び級でランクアップなんてことはこの世界でもあるのかな?


「アンガスさん、この冒険者ランクって飛び級? とかってあるんですか?」


「あるにはあるが、ダンジョンをクリアしたとか、災害、スタンピードとかで大活躍とか?それで二つ上のランクにあがったとかってのが数件あったと思うが、基本的には地道にコツコツ依頼をこなすしかないぞ。ヴァンも高ランク冒険者を目指すのか?」


「いえ、僕は師匠の元で強くなって、この世界を旅したいと考えてるんで、冒険者資格は国を渡るのに必要だったんですよ、冒険者としては生きていくための日銭を稼げればいいので、あれもこれもと高望みはしないですよ。」


「その若さで、それだけの技術を持っているのにもったいないっすよ!それに高ランクになるとメリットも多いっすよ?あぁでも指名の依頼なんか入ったりするからヴァンっちの目的の邪魔になるすかね?」


 バレットさんも一人で勝手に悩み出した。


「これくらいにしてお開きにするか、ヴァンは忘れずに受け付けにいってくれ、あとマーク殿が訓練所に居るようだぞ。」


「わかりました。今回色々とお世話になりました。ありがとうございました。」


 こうして今回のサポート・メンバーとしての炎の翼との依頼が完了した。


 受付に向かう。ほとんど並んでいないので待ち時間無く受付へ。


「次の方どうぞ、本日はどのようなご用件でしょうか?」


「炎の翼のサポート・メンバーとして今回依頼を受けたのですが、炎の翼リーダーに受付に行くように言われたのですが。」


「かしこまりました。確認のため冒険者プレートの提出をお願い致します。」


 首にぶら下げている冒険者プレートを渡す。しばらくすると


「…………お待たせしました、確認がとれました。今回の功績が反映されまして、ヴァン様はEランク冒険者へ昇格いたしました。おめでとうございます。昇格につきまして、プレートの書き換えをおこないますのでもうしばらくお待ちください。」


 冒険者プレートを持って裏へと行き五分ほどで戻ってきた。


「お待たせしました。こちらが今後提示していただく、冒険者プレートになります。お間違いがないか確認をお願いします。」


 プレートを受け取り、確認をする名前、年齢、ランクE、登録場所問題がないので、受付の方に伝えると。


「ありがとうございます。これよりヴァン様はランクEとなりましたので、依頼の方もDまで受注できるようになります。魔獣の討伐などの依頼も今後増えていくと思いますので、準備等しっかりとしてなにかわからなければ、ギルド職員までお聞きください。それではヴァン様のご活躍と無事をお祈りいたします。」


 こうして僕の冒険者ランクはFからEに昇格した。


 その後の訓練所の師匠と合流し、師匠の家に帰るための買い出しをして、宿へと戻った。


 翌朝師匠の家に帰るためヴェルダさんとエリーセにあいさつをして出発、また三ヶ月ぐらいで来ると思うと師匠は伝えていた。


 町を出発し、森を三日で抜け師匠の家(我が家)に帰還した。

いつもお読みいただきありがとうございます。

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