表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/128

ギルド・拉致解体

 ルダボスカが見えた来たので、土人形(アースゴーレム)

 解除して、街道に戻る。そこからは徒歩で門番の居る入り口へと向かった。


 入り口に立っているのは見覚えのあるおじさんであった。そうガストンさんだ。あちらもこっちに気がついたようで会釈している。


「マーク殿にヴァン君だったかな?決まりですので、身分証明をお願いできますかな?」


 名前も覚えてもらっているし、問題がないことはわかっているのだろうけど、真面目な仕事ぶりが好感が持てる。ガストンさんに冒険者プレートを外し、確認してもらう。


「ご協力感謝いたします。お弟子さんも元気そうで何よりですなマーク殿。」


 師匠とガストンさんは、二言三言会話を交わし町へと入っていった。僕へも修行頑張るんだぞ。と声をかけてくれた。優しいおじちゃんだ。聞き逃さなかったのが今夜は師匠呑みに行くみたい。ガストンさん夜には非番になるからと誘っていた。




 そのあとは前回と同じように宿の確保のために小鹿亭へと向かう。

 小鹿亭の入り口を掃除しているエリーセが目にはいった。


「エリーセ!!」


 声を掛け手を振ると、あちらも手を振り替えしてくれた。「お母さん~マークさん達来たよぉ~」と宿の入り口から叫んでた。


「ヴァン久しぶり、元気にやってそうだね! 倒れたりしてないか心配してたんだよぉ~。」


 とニヤニヤと意地悪い笑みを浮かべてた。


「倒れてないから!倒れそうにはなったけど……ですよね師匠!!」


「ヴァン……確かに倒れてはいないが……それは自慢にはならなくないか?」


 エリーセはそんなやり取りを聞いて声を出して笑っていた。いつか覚えていろよぉ。


 宿内に入るとヴェルダさんが待っていた。


「マーク今回は予定通りに来たみたいだね。207の前回使った部屋でよかったかい?それとも別々に部屋をとるかい?」


「ヴェルダさん、毎回急に来てる訳じゃないだろうに……前回の部屋で問題なし、それと期間は三日間で朝晩と飯つきでお願いしたい。今日の夜は飯なしで頼むわ。」


「まいどありー、今回は金貨一枚に大銀貨八枚だよ。」


 師匠は支払いを済ませ、鍵をつけとっていた。ヴェルダさんは僕に視線を移すと。


「そろそろマークに愛想つかしたんじゃないかい?養子の話もまだまだ有効だよ。」


「師匠は僕が居ないと片付けできないので、もう少し面倒見ることにします。」


 と冗談で返すとあっはっはと豪快に笑っていた。肝っ玉母ちゃんは今日も元気だ。

 部屋で荷物を置いてと言いたいがほとんどマジックバックに入って居るので、次の目的地のギルドへと向かうことになった。

 途中出店で串焼きを買って昼食を簡単に済ませ、ギルドへと到着する。



 師匠はダグギルドマスターと話があるそうで、騒ぎになるから裏口から入ると言っていた、裏口って簡単に使っていいものなのだろうか?

 僕はいつも師匠が町に来るとおこなっている、魔獣の素材などの買取を今回任された。ギルドへの貢献になるから、クエスト依頼がある魔石などはヴァンの功績にしていいと言われたので、ギルドに入ったらクエスト掲示板とステータスの確認などもしてしまおうと思う。それでも時間は余るだろうから、僕のランク(Fランク)で受けられる物もついでにこなしてしまおうと思っている。


「ふっ」っと短く息を吐き出し、気合いをいれてギルドの中へとはいる。

 何人かが入り口から入った僕に視線を移したが、すぐにもとに戻った。お昼過ぎということもあり、ギルド内は朝一のような賑わいはない、適度に人がいる感じで、ギルド職員もそれぞれの仕事をこなしているといった様子だ。


 クエスト掲示板へと向かい、持っている素材とで照らし合わせていくが……


 ・指定魔獣の納品

  ランクDより可

  内容・ダイヤウルフの牙と皮、魔石の納品

  報酬・魔石一つ大銀貨5枚、牙と皮損傷具合大きさにより要相談

  場所・指定なし

  期限出・来るだけ早く

  依頼主・武具屋カタルパ亭主

  備考・無し


 ・魔石の納品 常設依頼

  ランク不問

  内容・魔獣討伐で入手した魔石の納品

  報酬・魔石ランクにより変動

  場所・指定なし

  期限・無し

  依頼主・ルダボスカギルド

  備考・町への供給のため買取強化中


 ・薬草採集 常設依頼

  ランク不問

  内容・薬草10株ごとの納品

  報酬・種類により変動

  場所・指定なし

  期限・無し

  依頼主・ルダボスカギルド

  備考・薬草知識無くても、ギルドスタッフが教えます。


 などの依頼があった、朝一で張り出されるのでこの時間帯は常設のものか、何かしら問題のあるもの?面倒なものなどは残っていたりするのかな?それよりも依頼の内容とか意外と大雑把だったりするな……


 一番上のダイヤウルフのはランクが足りずに受注できないがマジックバックの中に入っているので相談してみるか、あとは魔石の買取は常設だから依頼として納品しよう。

 薬草採取これは今日やるか?炎の翼の三人に分かりやすいものは教えてもらっているけど、下調べが必要だよなぁ…後回しにするか。とりあえず依頼として貢献出来そうなのはほぼなかったので、窓口で相談してみよう。


 総合受付へと向かう。並んでいなかったので受付の人へ話しかける。


「いらっしゃいませ、当ギルドへどのようなご用件でしょうか?」


「すみません、お伺いしたいことと、クエストの受注をお願いします。」


「それではまず冒険者プレートの提出をお願い致します。」


 言われて首から掛けているプレートを受付の人へと渡す。


「Fランクのヴァン様ですね。お伺いしたいこととはどのような件でしょうか?」


「Dランクから受けられるダイヤウルフの納品なんですが、魔石と牙と皮はあるのですが、依頼達成になったりしませんか?」


「大変申し訳ないのですが、ギルドの規則で受理できません。以前に名声ほしさに不正、ランク外の納品を討伐ではなく、外部で金銭により解決したものがおりまして、それによりランクが上がり実力に見合わない危険な依頼を受け、帰ってこなかったというものがありまして、見直しがされ現在の規則となっております。」


「わかりました、それでも買取はしてもらえますよね?あと受注はこれになるのですが。」


 魔石の納品の依頼書を受付の人へと見せる。


「はい、買取の方はおこなっていますので、是非ご協力くださいませ。こちらの受注はランク不問ですので問題ございません。買取カウンターで冒険者功績として換算しますのでご安心ください。他に何かありますか?」


「大丈夫です。ありがとうございました。」


「またのご利用をお待ちしております。」


 お礼をして、買取カウンターへと移動する受付にはタオルを頭に巻いた大男(巨人族)が座っている……行くべきか、いかなきゃ行けないけど……休憩とかで別の人に変わらないかななんて思ってたら、


「おぉい、坊主買取なんだろ?早くこっち来い!!」


 僕に言っているのかと回りを確認したあと自分ですか?と指差し確認すると。


「そうだよ!! お前以外に坊主は居ないだろ、早く来い!」


 目立ちたくないのにそんな大声で呼ばないで叫ばないで……観念してトボトボ歩いていくとテーブルに肘をおきながら手を差し出してくる。


「プレート、買取なんだろ?と納品の数は?」


「…えっ、あっはい。マジックバックにそれなりの数が。」


 あわててプレートを渡すと。プレートを見て大男が眉間にシワを寄せる。


「ここじゃあ、見ない顔で駆け出しなのに、マジックバックにそれなりってどういう事だ?」


「えぇと……」


「めんどくせえ、ほら付いてこい。」


 立ち上がると二メートルをゆうに超える体で机を跨ぐと、僕をヒョイっと持ち上げて肩に担がれ連れていかれる……抵抗した方がいいの?てか何で持ち上げられてるの?えぇ…と回りからは

「グランデのやつまたやってるよ。」「この時間は裏の解体は暇だからな。」「駆け出し恒例の拉致解体だな。」とか回りの人も止める気配がない…そのまま裏の解体場まで連れていかれた。


 ようやく下ろして(解放)もらえたのは解体場の真ん中付近、解体用のテーブルや刃物類血液を抜くであろう吊るす器具とその下には溝……僕もしかして解体される?拉致解体とか言ってたもんな…


「よし、そこまで言うなら、オデが見てやるから早く出せ。」


「あのーどこに出せばいいんですか?」


「そこのテーブルで良いぞ。ゴブリンなんか入ってたらお前ここで解体するからな。」


「…………。」


「いいからさっさと動け。早く出すんだ。」


 慌ててテーブルまで行き魔獣を出していく、未解体のフォレストウルフやダイヤベアこれは師匠が入れたもの、ディアンカこれは小鹿亭に解体したあとお土産にするからって師匠に言われたっけ。それからも続々とみたことない魔獣なんかも出てきて、指定されたテーブルに収まりきらなくなった、グランデさんを見ると何やら考えている。


「坊主は雷騰(らいほう)のマークの知り合いか?」


「師匠をご存じですか?」


「それならそうと早く言えよ! 余計な時間を使っちまったじゃねぇか! おいお前たち他の冒険者が帰ってくるまでに解体しちまうぞ。受付に臨時募集も頼んでおけよ。」


「「「「「へい」」」」」


 グランデさんのかけ声で回りで見ていた解体職員達があわただしく動き出す。そしてグランデさんのでっかい手で肩を捕まれ。


「坊主は駆け出しだからこのあと解体の手伝いな。臨時募集の受理は事後報告で大丈夫だ!! そうと決まればさっさと動け!!」


 と捕まれたまま解体作業へかり出されるのだった。


あとで聞いた話なのだがグランデさん駆け出し冒険者が暇な時間に来ると解体を教えるためにその冒険者が持ってきた魔獣を解体指導してくれるらしいのだけれど、相手の承諾なく連れ去ることから拉致して解体指導と顔馴染みの冒険者のなかではわりと有名なことらしい。


いつもお読みいただきありがとうございます。


半魔の渡り人ですが、この投稿で100000文字を達成しました。思いつきの見切り発車で書き出したのですが、今後も頑張りますのでよろしくお願いします。

さらにブックマークも10人の方にしていただきました。ありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ