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炎の翼

今回は主人公を回りが見てどう思うのかを書いてみました。上手く伝わればよいのですが……


それでは32話をどうぞ(* ̄∇ ̄)ノ

 一方で訓練を観ていた炎の翼とはどういった冒険者なのか…


 炎の翼はルダボスカを拠点として活動している冒険者パーティーだ。マークの言う通り、最近めざましい活躍を見せる注目のパーティーである。


 そんな彼らようやく休める場所にたどり着いた、森を抜け、以前夜営をしたスペースにたどり着いたときは即座に臨戦態勢になっていた。というのも体格に合っていない明らかにオーバーサイズの全身鎧を着ている人間と対照的にかなり軽装でローブ姿の二人がそこには居たからだ。

 なぜ臨戦態勢になったかと言うと、ペリグロの森と呼ばれ竜ヶ峰へと続く魔獣が徘徊する危険地帯だ。この中層辺りは強くてもCランクモンスターだが、奥の深層、竜ヶ峰にはAランク、Bランクの魔獣も居る。広大な森ではち合わせになることが珍しく、犯罪などを犯した者が隠れすんでいるなんて話もあるから、そういった者達はこの中層まではたどり着けないのだが。

 それも杞憂に終わる、なんとローブ姿の男はルダボスカの英雄雷騰ことマークケインだったのだ。ルダボスカの町へふらっと現れては姿を消すそんな幻のような存在。彼の冒険者パーティーは解散していて、ほとんど冒険者活動をしていないとよく酒場で聞く話だ。マークからの許可ももらった彼らはなぜこの森に来ていたのか、今回この森へやって来たのは指定モンスターの部位納品のクエストを受けたからだ。ダイヤウルフの牙と爪、タートルタイガーの甲羅の納品。この二匹の魔獣はペリグロの森の深層に近い場所で発見されるためやって来た。


 森の奥をさ迷いながら多くの魔獣と戦い無事に納品物を入手まではよかったが、そこで深層よりメガテリームが出てきたのだ、体長6メートル、四肢に長い鉤爪分厚い毛皮におおわれた獣型の魔獣だ。炎の翼が万全の状態であれば倒せただろう。しかし連戦により、魔力も体力も心もとない状況でリーダーが選択したのは撤退だった。命あっての冒険者。引き際を正確に図れるのも彼らの強みだろう。

 爆炎を発生させ、目眩ましをし、なんとか逃げ切ることに成功し今に至るのだ。


「しかしメガテリームが出たときはどうなるかと思ったな。」


「そうね、かなり深層に近いところまで近づいてしまった私たちにも問題があるけれど、いつ何が起きるかわからないから冷静に判断しなきゃね。」


「でもここまで戻ってこれたんすから、あと四日もあれば森を抜けられるっす。今日はここで夜営をさせてもらうんすか?」


「そうだな、マークケイン殿に聞いて、許可がもらえればここで夜営をしよう。向こうも何かやるためにここにいるのだろうし、あとで聞くとしようそれまでは魔力体力の回復に各自勤めてくれ。」


 話していると炎弾が空に向かって放たれた。振り向くと全身鎧の者と話し、次に出てきたのは土人形ゴブリンだ。デルフィーヌがひっと小さな悲鳴をあげる。


「なんなのよあの土人形……ゴブリンにそっくりじゃない……それに土人形ってあんなに巧妙に作れるのかしら?土魔法は使えないからわからないけど、どうなのバレット?」


「ヤバイっす!! あんなに気持ち悪さ似せられるなんて神っすね。だいたい土人形は盾としてずんぐりむっくりにして攻撃を被弾させることを前提に作るっすよ?あんなにディテールにこだわらないっす。」


 全身鎧が炎弾を射つが外してしまう、すかさずゴブリンの後方に水壁(アクアウォール)が発生し火事を防ぐ。


「なぁデルフィーヌ、水属性が使えるお前も炎弾が横を通り抜けてから水壁間に合うか?」


「出来るわと言いたいところだけど無理よ、外しますって宣言されてれば準備できるかもしれないけど……」


 引退してもこれだけの実力があることに炎の翼の三人組は驚きを隠せなかった。


 すると全身鎧が火と風のバレットを交互に使い、徐々にだがゴブリンに当たるようになってきていた。


「あの全身鎧っすけど、あんな全身ガチガチなのに前衛職じゃないんすかね?魔法もほぼ同じ威力で違いがほとんど無いっすよ!?」


 この世界では基本的に属性魔法の適正は二つどちらか得意な属性があるのだ、ちなみにアンガスは火と風の二属性(ダブル)バレットも火と土のダブル、デルフィーヌは火と水、光の三属性(サード)と呼ばれる。四属性(カルテット)五属性(クインテット)全属性六属性(アルティメット)と呼ぶ、この世界で六属性を使えたのは過去の渡り人だけであることからそう呼ばれている。

 炎の翼の由来はお気づきとは思うが、三人全員が火属性魔法を使い闘うことから付けたそうだ。


 閑話休題


「確かにそうだな、あの二人の関係も気になるが雷騰が指導してるように見えるしからな。」


 するとゴブリンが動き出した。ゴブリン(Eランク)との戦闘経験のある炎の翼の三人はその走る姿を見て、実際のゴブリンと能力が変わらない、同じ速度で走っていることに気がつく。


「ねぇ……あのゴブリンほんとは生きてるんじゃないの?よく見かけるゴブリンと色しか変わらないと思うのは私だけ?」


 アンガスもバレットも声を揃えて肯定する。


「あれでグギャギャギャとかギャギャとかって言われたらゴブリンの変異種が出たってギルドに報告するっす。」


 他の二人もシンクロした頷きをしていた。

 さらにヘルムを被ったゴブリンが現れる。


「ねぇ普通あそこまで再現する?街道とかで馬車が襲われて討伐に向かうと、馬車の積み荷のヘルムを被ったやつがたまにいるけど……」


 さらに棍棒にヘルムを被ったゴブリン……小さな群れとなったときに出てくる上位種になる前がこんな感じだ……その後も色々なバリエーションでゴブリンを倒す全身鎧魔法も初級の物のみだがしっかりと基礎ができている印象だ。


「デルフィーヌ、バレットこれだけの時間初級魔法でも使用し続けたら魔力枯渇を起こすんじゃないか?」


「そうね……実は名のある魔法使いなんじゃ……でも全身鎧の意味がわからないわ……」


「でもこの訓練っていいっすよね。駆け出し君達にギルドもやればいいんすよ。そしたら冒険者の死亡率も減るんじゃないっすか?安全が確保された実践訓練なんて普通の冒険者じゃ出来ないっすから。うらやま~」


 そんなヴァンの訓練は恵まれた環境でおこなっているのだ。


「俺達もだいぶ休めたと思うがどうだ?」


「ええだいぶ魔力も回復したわ。」「いつでもいけるっすよ!!」


 炎の翼リーダーのアンガスはこんな提案をした。


「この場所を使わせてもらう話のついでに、俺達もあの土人形を使った訓練頼んでみないか?」


「ゴブリンは嫌よ?まぁ上を目指すなら頼んでもいいんじゃないかしら?」


「面白そうっすね。普通なら危険の伴うAランクのとかお願いしちゃいます?」


 炎の翼の三人はとても真面目なのだ。だからこそ実力をつけて頭角を現したのもこういった向上心から来るものだった。



いかがでしたでしょうか?


恵まれた環境のヴァン君の話これからもよろしくお願いします。


最後までお読みいただきありがとうございます。

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