表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/128

全身鎧と身体強化

 師匠の家に到着した時間はすでに夕方、家の点検なんかは明日やるからとご飯を済ませて、就寝してしまった師匠色々と無理をしたのだろうか?という僕もほぼ二日間走りっぱなしで疲れていたのでそのまま就寝したのだった。


 次の日朝食の準備をして、食べていると師匠からの提案があった。


「今日から以前修行していたスペースでトレーニングをするんだがいろいろと手を加えていこうと思う。まず最初の体力トレーニングだが……」


 といってマジックバックから全身鎧(プレートアーマー)が出てきた。無造作に床に置かれた全身鎧はかなりの重量があるようだ……


「これをヴァンに着てもらって走ってもらう!! 昨日の帰り道であとで教えるって言った、身体強化のトレーニング方法の1つだ!」


 朝食後師匠は点検をすると行ってしまったので、動きやすい格好で歩きながら、トレーニング用の広場へと向かった。そこには焚き火のあとがあり、僕らが居なかった間にここで夜営した者が居たみたいだ。気になったので魔力感知を発動し辺りを調べてみるが僕の今できる範囲ではなにも引っ掛かることはなかった……仕方ないので片付けて汚れた手をクリーンできれいにして、瞑想し魔力操作の訓練を行った。


「すまんな、遅くなった。一ヶ所魔獣避けの道工が魔石切れになってたから取り替えてたんだ。」


「こちらの広場は夜営したあとがあったくらいですね。」


 聞いてすぐに、師匠から黄色の波紋が辺りに広がって行った。


「ヴァン少し離れたところに三人組が居るみたいだ、少し見てくるから、先に全身鎧を着て待っててくれ。」


 すぐに体の中で魔力を薄く満たし、走り去っていった。


 全身鎧を着込むが着方がわからず悪戦苦闘しながら着てみるが…これだけは言える。頭部を守るヘルメット部分だけはしっかりと着こなすことが出来たと思う。


 しばらくして師匠が戻ってくると、やはりすべて脱いで一からつけ直した。気になったので先程の三人組の事を聞いてみると、冒険者だったから放置してきたとのことだった。

 トレーニングしてるときにそのうち戻ってくるのではないだろうか……


「戻ってきたりはしないでしょうか?」


「問題ないだろ?どのみち家に居る時以外はその全身鎧を着てトレーニングする予定だからな。魔法の方も影魔法は今はとりあえず後回しで四元素から訓練していく。闇に関しても今は影魔法と同じで後回しにする。もし万が一戻ってきた時のためにだな。じゃあいつもと同じ走り込みからだな。」


 ガシャンガシャンと音をならし走るが鎧の重量がすごくて全然走れていない…身体強化の魔法はいつになったら教えてくれるのだろうか?


「ヴァン身体強化の魔法を覚えれば、その鎧の重さをほぼ感じなくなる、そうなると肉体のトレーニングにはならないんだ。だから肉体の疲労をさせてから身体強化の魔法を使ってさらに追い込む。」


 といって肉体改造に午前中を費やしたのだった。


 午後になるとようやく身体強化の魔法に取りかかる。


「だいぶ前に体に魔力を満たして、身体中の魔力を体外に暴発させたのを覚えているか?」


 あの気を抜いて怠さと吐き気が襲ってきたあれか……魔力を大きくして、体が上手く動かなくなって今の鎧を着けているようなそんな感覚だった……


「あれを薄く伸ばすって言えばいいのか、いきなり全身じゃなく、部分だけを意識して動かしてみるんだ。魔力の膜を内側から広げるようにやるんだ。ちなみにだが、部分で使う魔力量も、全身で使う魔力量も同じだからな、より薄く広げたのが魔力均一って言う身体強化の技術だ。」


 どんなイメージだろうか……魔力量は同じってどれくらいなのだろうか?


「師匠、魔力量が同じって元はどれくらいなのでしょうか?いつものように僕の体を使ってやることはできないのでしょうか?」


「それは人によって違うんだ、魔力との親和性とかが関係しているって研究してるやつも居るんだが、ヴァンの量と俺の使ってる量が違うからいつもみたいに手本(実践)を見せてやれん。自分で見つけるってことが身体強化の課題だな。」


「わかりましたやってみます。」


「そのための鎧だ、身体強化が出来ればその程度の重さなら全く感じなくなる、例えば右腕をあげるのも今は辛いかもしれんが、それが魔力の適正量に足りなければ若干辛いくらいで、多すぎれば、魔力が邪魔して動かしづらくなるんだ。自分にあった量を使えればなにも問題なくなる。やってみろ。」


 とりあえずごく少量しか使わない生活魔法並みの魔力を下腹部で練り、右腕に移動してそれを薄く広げていくがなかなか上手く広がってくれない……魔力操作がかなり成長した現段階でもなかなか上手くいかないのだ。薄く広げることに成功し、右腕をあげるが多少は軽くなったが、重さを感じないわけではない……魔力量を増やしと試行錯誤をしていると相当時間がたってしまった。今日の修行はここまでと師匠に言われ結局身体強化の魔法を習得することは出来なかった。部分的には纏わせる事が出来るようにはなったのだが、まだまだだ。


「魔力操作がCあるから魔力量さえ把握できてしまえばあとは繰り返しやることで、いつでも出来るようになるだろうな。明日からもこの訓練続けるからなぁ~」


 それと僕がイメージしやすかった身体強化なんだけど、魔力を風船に例えて膨らませ、それが体に沿って膨らんでいくそんな感じで均等に広げるようにしてる。これが正しいのかはわからないけどね。


 そこから二日間魔力量を把握し、各部位での身体強化ができるようになり、同じ魔力量で両腕だけ、両足だけなど身体強化の部位を増やす、それをマスターするのに三日さらに二日たったときに魔力均一をマスター!! 身体強化の習得に成功したのだった。



いつもお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ