種族特性と魔力視
ヴァン・アルカード(15)
種族 ダンピール(人×ヴァンパイア)希少
LV21
スキル 言語理解 生活魔法 解体 斧術 E 剣術 E 魔力操作 F→C 火魔法 F 水魔法 F 風魔法 E 土魔法 F 闇魔法 D 体術 D 衝撃耐性
特殊スキル 健康体 種族特性(第一段階)
体力 D→C
魔力 B→B
筋力 D→C
耐久 F→D
器用 E→D
俊敏 D→D
知力 C→C
精神力 D→C
運 B
装備 隠蔽の指輪
制限の指輪×2
ホルスター型マジックバック
飛竜セット
鉄の剣
称号 渡り人 雷騰の弟子
軒並み能力値が上がっているのと覚えられる魔法技能をスキルとして習得していた。
魔力操作はなぜか三段階も上がっている、そして見に覚えのない体術と衝撃耐性…これはいつ習得したのだろうか……?
ダグさんが疑問を投げ掛けてきた。
「この短期間で何があったんですか?スキルや能力値を見るにすでにDランク冒険者と変わらないように思えますが……」
ちなみにFランク、Eランク、Dランク、Cランク、Bランクかなり腕の立つ者達、Aランク実質最高ランクとなる、Sランクに関してはこの世界で数人が達成したというランクとなっている。
閑話休題
これに関しては師匠がダグさんへ簡単に説明をした。ステータス鑑定をした日の午後種族特性解放をおこない、ヴァンVS師匠、アリゼアタッグでの戦闘に発展したことを。
「そんな報告が確かありましたね。町外れの先読みの占い師の館付近で地形の変化と館の一部が破損したと。あれはあなた達でしたか……」
ダグさんは眉間に手をあて、マッサージをするように話していた。
「ダグ、あの地形は魔法で直したから元通りになってるだろ?館の修理もアリゼアがやってるし、事後報告になったのは申し訳ないが……。」
「アリゼアさんもですよ、毎日ここに今は顔を出しているんですから、この町でやらかしたことは私に報告をしてください。」
「ガーハッハッハ、すでに直っとるんじゃけぇ、問題ないじゃろう?」
(誉めているわけではないのだろうけど……なぜ熊さんは笑っているのだろう……ダグさんは生粋の苦労人なんだな……御愁傷様です。)
「すでに終わったことのようですし、今回はこちらで処理はしておきます。ヴァン君のスキルや能力の件に関しては、解放とその戦闘が影響していると考えられますね。」
「ダグさん、影響してるってのはどう言うことですか?」
「これは今までの傾向を踏まえての仮説になりますが……」
ダクさんの仮説はこんな感じだった。
・スキルのランクが上がっていること、身に覚えのないスキルを習得していることに関しては元最高ランク冒険者であった師匠とアリゼアさんとの戦闘がきっかけである可能性。
・魔力操作に関しては謎の影を使った攻撃はなんらかの魔法スキルであるのではないか、それを操った事により成長。
・闇魔法も同じで戦闘の際に使用していた事、最適正の魔法であったことで成長しやすかった。
・体術と衝撃耐性これも同じで最高峰のアリゼア相手に肉弾戦を繰り広げた事による実践経験での成長、取得。
・能力値に関しても耐久が一番伸びているのもアリゼアに殴られた事によりLVアップの際に大幅に補正が入ったのではないかとのことだ。
以上の事から普通の冒険者ではまずない体験により成長した。あとは種族特性の解放がトリガーとなっているだろうとのことだった。
この仮説に対して師匠もアリゼアさんも異論はないようで、おおむね同意していた。
「ヴァン種族特性の項目の詳細に変化がないか見てくれるか?」
頷き、種族特性の欄を詳しく調べると。
種族特性(第一段階)継承不可
現在第一段階まで解放された状態。
種族ダンピール、ヴァンパイアの特性が現れる。
第三段階まであり、血の呪縛を肉体精神共に成長し乗り越えることで次なる段階が解放される。
ヴァンパイアの種族特性は多岐にわたる。
この個体は吸血衝動および破壊衝動が呪縛により発生する。現在は制御され、安定している。
技能として魔力視、影魔法、筋力上昇(小)が第一段階にて発現している。
「あの暴走の原因は吸血衝動が引き起こしていたんだな、あと二段階も強くなれるとは羨ましい限りだ、筋力上昇はわかる、魔力視に関しても魔族に希に居るから効果は分かるんだが、影魔法は聞いたことがない、ヴァン影魔法の詳細も見てくれるか?」
影魔法
ヴァンパイアの得意魔法の一つ、変幻自在といわれている理由はこの魔法。
影を魔力により操る魔法。
自身に近いほど操りやすく、魔力の消費も軽減される、夜や薄暗い所ほど強力になる傾向がある。
「こんな魔法は聞いたことがありませんね。マークさんはどうですか?」
「いや、俺もはじめて聞く魔法だ。これは俺の家がある森で修行がてら試す予定にするとして、今使えるのは魔力視くらいだが、使ってみるか?」
試してみるかと聞かれたので頷き、やってみることに……魔力視と意識しているが特に変わった様子はない。首をかしげていると。
「ヴァン、たぶん隠蔽の指輪の効果で見えてないんじゃないか?隠蔽の指輪の効果で魔族特有の魔力を隠蔽してるって説明をしたと思うんだが、正確には見ている側に特殊な魔力で魔族の特徴を認識阻害させているんだ。ヴァンの場合も瞳の回りに特殊な魔力が張っている状態なんだろう。指輪を外してやってみるといい。」
「やってみます。」
言われたとおりに指輪を外し、魔力視を使うと意識するすると……魔力の可視化が行われる。師匠には黄色の魔力と思われる色が見える、タグさんは薄く赤色が見える、アリゼアさんは無色といっていいのかな?
キョロキョロと辺りを見回すと、道具なんかにも色がついていた。
「そのまま魔力視を使った状態で左目を覆ってみろ。」
師匠に言われてやると、今まで見えていた色が無くなり、隠蔽の指輪をしている状態と同じように見える。
「今度は反対の目をおおってみるんだ。」
魔力に色がつく、そこで気がつく半魔だから魔族の特徴が現れている左目だけに魔力視の能力が発現しているんだと。
さらに身体的特徴が現れたらしく、アリゼアさんに指摘された。
「坊主の瞳だが、瞳孔が縦に割れとるぞ。」
ッ!?急ぎ鏡で確認すると左の赤い眼の瞳孔が縦に夜行性の動物のようになっているのだ。これもヴァンパイアの種族的特徴と言えるだろう。とりあえず隠蔽の指輪をはめて席に戻る。
「その魔力視ですが、あまりおおっぴらに使うことは避けた方がよろしいかと思われます。ヴァン君の秘密に繋がりかねませんからね。」
「それに関しても今日は宿屋に泊まって明日の朝家に帰る予定だから、基本的に人とは合わないから問題ないだろう!次に来るのも3ヶ月ぐらい先の予定で色々と買いだめしたからな。」
必要な確認などが終わったのでギルドをあとにすることになったのだが、ダグさんにお願いをする。
「この部屋に入る前に注目を集めてしまったので……裏口から出ることってできますか?」
「あっはは、構いませんよ。それと次に来たときは簡単な依頼で構いませんのでクエスト依頼を達成してくださいね。ギルドプレートの返却をしてもらうことになってしまいますから。再登録には色々と面倒がありますからね。」
「わかりました。ありがとうございます。」
お礼をいい、師匠と一緒に部屋を出て、裏口よりひっそりとギルドを後にし、宿屋へと向かったのだった。
この時表側の少し離れたところでマリシャスは銀頭のFが出てくるのをずっと待って居たのは誰も知らない話。
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