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修行と失敗談

 修行の日々か始まった。


 午前中は以前のように掃除や洗濯、解体、薪割りにプラスして料理も覚えるようにと、お昼ご飯は僕が作る決まりができた。これも生活魔法を使いながら上達するためだ。今まで一日仕事だったこれらも生活魔法があるおかげでだいぶ時間短縮している。まさに生活を便利にする魔法だと思った。

 午後からはマークさんが作った森の広場にて走り込み、木の棒による素振り、この素振りもそこら辺の木の棒から木剣へと変化している。


 木剣に変わる日の事、木の棒での素振りをしていた4日目マークさんから言われたのだが。


「ゆっくりとなら棒に体が振り回されずに振れるようになってきたな。そこでこの鉄の剣を使って刃筋をただしく扱えるように意識した練習にしよう。」


 マークさんに言われたように、ゆっくりであればできるのだが、棒を早く振ろうとすると体が棒に振り回されてしまうのだ、早さに意識がいって、ただしく振れていないからだとマークさんにたびたび指摘されていたのだ…。

 鉄の剣を受けとるが、木の棒なんかよりもあきらかに重い……中段に構える。


「いままでよりも剣に振り回されることになるだろうから、気をつけて振るんだぞ! 怪我したら治してやるから安心しろよ。」


 真上へと振り上げ、真下に振り下ろす、勢い余って地面を叩いてしまい、手が痺れてしまう。


「ゆっくりでいいから、棒と同じように振ってみろ。」


 指示にしたがいゆっくりと振る、そのときに手首に違和感を感じる。


「俺も剣を振り始めた頃にそこで躓いたんだが、ちゃんと振れてないと、手首を痛めてしまったんだ。手本を見せるから見ててくれ。」


 マークさんも普段から腰につけている剣を取り出し、中段に構える……真上へと振り上げ、真下に振り下ろす。「ヒュッ!」っと空気を斬るような音が聞こえる。

 その後も左右の袈裟斬り、薙払い、切り上げと連続して切ると、「ヒュッ!」っとどの切り方でも空気を斬るような音が聞こえる。動きの美しさに思わず見とれてしまった……魔法使いなのに剣術が得意だとは言っていたが、剣術だけでも相当な実力があるのだろうと納得してしたのだった。


「刃筋をただしく振るとこのような音がなる。それを意識して欲しいんだ。これを意識することで実践の中でも正しく刃筋を相手に当てることができるからな。この技術はぜひ修得してほしいんだがな。」


 頷き、もう一度ゆっくりと中段に構え、剣を振る。早く振っているわけではないので、音はならなかったがマークさんの見本を真似て、先程より手首への違和感はなかった。その後も唐竹割だけでなく、さまざまな切り方を鉄の剣で試し、無駄に力が入っていたり、刃筋がうまくたってないなかったときにはマークさんから指摘を受けそのつど修正してもらった。


「今後の午後の訓練はまず鉄の剣で動きの確認をして、鉄よりも軽い木剣で刃筋を意識した練習にしよう。」


 というわけで木剣に変わり、師匠(マークさん)の空気を斬るような素振りを目指して、日々奮闘中である!!


 魔法に関しては失敗談になる出来事があった。

 肉体訓練をして体力の回復をはかるときや夕食後に自室にて瞑想をする事が癖になっているのだが、魔力の変化が楽しくてついつい時間があると瞑想しながら魔力変化をあれこれ試している。

 以前の世界では決して無い新たなる物なのだ! 楽しくないわけがない。病室のベットで読んでた小説に出てきた物が今こうして現実にあるのだから!!


 変化の事なんだけど、鉄の剣を使いだした夜だったと思う。

 いつもの日課となっているクリーンからファイヤへ魔力を変換して、ファイヤからウォーターに変換してなどを繰り返し、体の中で魔力の塊を移動して戻したり、下腹部のところで素早く溜めることをしていた。

 寝る前にウォーターの水を飲んで寝ようとしたとき、コップの器に表面張力でギリギリ溢れないよう注いでいたのだが、このときに体をコップの器と例えて魔力を体の内側に溜めきったらどうなるのか気になったのだ。


 早速下腹部に魔力を溜める、その魔力を体内で大きくしていく、体から出ないように集中しながら、首から下が魔力でいっぱいになる、体の内側を満たしていくように魔力を増やす。

 そして首から顔、頭のてっぺんまで満ちたとき、体を動かしてみると、自分の体ではない、全身が鉛にでもなってしまったかのような重さ動きづらさにビックリして気を抜いたのがいけなかった…体外に勢いよく魔力が出てしまい、だるさ倦怠感、吐き気まで症状として出てしまった。

 その後すぐに駆けつけた師匠に介抱されて、迷惑をかけた。

 介抱されていた時に何をやったのか説明すると。


「それは魔力均一の技術を魔力の総量で無理矢理にやっただけの危険な行為だから、今後禁止だ。魔力均一のやり方も剣の素振りがしっかりと出来るようになってから教えようとしていた技術だ。ちゃんとやれば身体強化の属性無しの魔法になるんだよ。」


「はい、今後気を付けます、ご迷惑お掛けしました。」


「ヴァンがいろいろと試して、努力してるのは見てるから、気になったら、やる前に聞いてくれよ!明日は朝起きれたら起きてこい。遅くても昼には呼びに来るぞ。」


 と言って僕の頭をガシガシと撫でて部屋を出ていった。

 なんてこともあったんだ。


 師匠のもとでいろいろな事を学びながら修行している。



 広場での修行を開始してから一週間が過ぎたある日、土で出来た鳥が現れる。その鳥は師匠に筒のような物を届けると砂となり風で流され消えてしまった。


 師匠はその筒を開けて手紙を読んでいた。


「ヴァン明日町に向けて出発するぞ、ようやく準備が整ったらしい。」


 明日町にいくことが決定した、なんの準備なんだろうか……?


「師匠なんの準備が整ったんですか?」


「ヴァンの事情を信頼のおけるやつに伝えようと思ってな、あとは以前言ってた魔導具の足りなかったものなんかを集めてもらってたんだよ。さらに言えば調味料や野菜類がそろそろ無くなるから買い出しも含めて連絡が来なければ、俺一人でいく予定だったんだが、ヴァンにも一緒に来てもらおうと思う。」


 こんな師匠の家(辺境の地)で一人残されるのは勘弁してほしい……素振りなんかはしてはいるが実践経験ゼロなのだ、断られても同行していたと思うけどね。


 こうして僕は師匠以外の人が暮らす町へと行くことになった。




いつものお読みいただきありがとうございます。


日々アクセス数が伸びていることに喜びを感じています。稚拙な作品かと思われますが、今後ともよろしくお願いします。

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