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贈り物と報告

 カランカラン


 大急ぎで占いの館オババ様の所から小鹿亭へともうダッシュで帰ってきた。

 扉を開けてカウンターを見ても誰もいないので、そのまま食堂へ行くとかなりの賑わいを見せていた。

 エリーセも注文を受けたり、配膳にととても忙しそうだ。


 端の方に今朝よりも大分調子が戻ってきている様子の師匠も発見した。


「エリーセ、頼まれた食材とかなんだけどどうしたらいい?」


「ありがと、厨房にお母さんいるから私にいってくれる?」


「わかった、ジョージは師匠のところで待ってて。」


 ジョージは背中から降りると師匠の元へと向かった。

 僕も言われた通りに厨房へと入るとヴェルダさんが狭いスペースを行ったり来たり、いくつもの食材を調理していた。


「買った来た食材なんですけど、どうしたらいいですか?」


「その上に置いといてくれるかい、その中に牛乳があったはずだからそれを持ってきておくれ。」


 ここでも使いっぱしりだなとも思ったが、あとが怖いので言われた通りに持っていく。


「ありがとね、ちょうど切れたところだったから助かったよ。夕飯は食べるんでよかったよね? 何人前だい?」


「はい、ここで食べます。ジョージの分も合わせて三人前でお願いします。」


「はいよ、それだけじゃあどうせ足りないんだろ?他の客が終わったら残り物でよければ出してあげるから最後まで残ってな。」


 またすぐに調理し始めたので厨房を出て師匠とジョージの元へと向かっていった。

 ヴェルダさんの言う通り二人で三人前では足りないのだ。ジョージの食べる量が増えた、それに僕も食べる量が増えてきた、そして最近身長も伸びている気がする、鏡がないから確認はできないけど、成長期真っ只中であると信じよう。


 他の人たちの夕食が終わった頃、大盛りのお皿が追加で運ばれてきた。ヴェルダさんの約束通りおかわりだ。


「おまたせ、おかわり、お母さんから運んでって言われたから持ってきたけどこんなに食べられるの?」


「大丈夫ジョージもまだまだ食べるからね。僕もまだまだ食べれそうだもん。」


「成長期ってやつなのかね? あっヴァン、私への貢ぎ物は?」


 わざとらしく催促してくるエリーセ。


「ちょっと待ってね、」


「あらほんとに買ってきてくれたの?」


 マジックバックの中にしまっていたペンダントを取り出す。


「はい、これなんだけど、どうかな?」


「ペンダントじゃない!! もうちょっと可愛らしいのがよかったなぁ~。」


「そういわれても、お店の人一押しだったんだもん、その商品なんだけど、守護のペンダントっていって魔法が込められるんだよ!! 魔法は込めておいたから、エリーセがピンチになったら握りしめて魔力を込めてね、そのとき魔法が発動するからさ。」


「えっ!? ってことは魔導具なの? 高かったんじゃ……」


「値段のことは聞かないの!! 一応僕も男だからね、こんなときくらいいい顔させてよ。」


「じゃあ、ありがとう、貢がれておくわ。ちなみにどんな魔法が込められてるの?」


「それは秘密、攻撃系の魔法であることは確かだから、身を守るのに使えるやつだよ、ほんとは回復魔法込めたかったんだけどね、僕にその才能は無いからそれで許して。」


 こういう時にやはり光魔法の回復魔法を使えるといいのにと思う、滅多に怪我をしないので普段は使わない、それは師匠と僕とジョージ三人で一緒に行動してるから、戦闘が得意なメンバーであること、特殊な能力や知識があること。

 それが一般の人達になれば魔獣と対峙した時に危険それこそ命に関わるはずだ。回復魔法があれば一命をとりとめる事も出来るだろう。


 なんにしてもエリーセの笑顔が見れたからいいだろう。

 片付けのために離れたエリーセ、そのタイミングで師匠が話しかけてきた。


「あんまりいい顔ばかりしてると、あとが大変になるぞ。」


 昨日どれほど飲んだのがわからないが今もちびちびとお酒を飲んでいる。あとが大変とはどう言うことだろうか?

 それよりもオババ様の件を伝えてしまおう。


「師匠、今日オババ様の所に行ってきたのですが、そこで気になる物を見せてもらいました……。」


 一度言葉を止め回りを見回し小声で伝える。


「この町を囲うように多くの魔獣の影と町中にゾンビ化した魔獣が暴れ、冒険者達と戦っている映像でした。」


 どこかボーッとしていた師匠の顔も真剣な顔へと変化した。


「ヴァンそれはダグに伝えたか?」


「いえ、夕方で混んでいると予想したのと僕の冒険者ランクではギルドマスターには面会させてもらえないと思いまして……師匠に相談してからにしようと思ってました。」


「それが正解か、今現在起こっているわけじゃないからな、低ランクの冒険者の妄言と言われても仕方ないか……わかった明日オババの所に行って、確認してみよう。俺が知ったことでヴァンの見た未来がなくなってるかもしれないからな。」


「はい、お願いします。」


 オババ様の所で見たあれはスタンピードだと思う、この町があの魔獣の軍勢に巻き込まれるのは嫌だな、この町で過ごした日は長くない10日程だけどたくさんの人と交流を持った。そんな人達を助けたい。どんな未来が来ても動けるように修行しなきゃな!!


 大盛りの追加を食べきり、ゆったりと夜を過ごすのだった。

 朝師匠を送ったら宿の裏庭を借りて修行しよう。

 ジョージとベットに入ればすぐに寝息が聞こえてくるのだった。

いつもお読みいただきありがとうございます。


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