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各種生活魔法

 翌朝、クリーンの影響もなくスッキリとした気分で起きることができた。

 こうやって魔力操作の効果が出ると嬉しくなってしまうなと思いながらリビングへと移動する。

 朝食を準備してくれていたマークさんがこちらに気がついたようだ。


「ヴァンおはよう。ちゃんと起きてこれたみたいだな。」


「おはようございます。昨日の夜もクリーンの魔法を使ってから寝たんですが、問題なく起きれましたよ!」


 少し得意気に話してしまったが事実なので問題ないだろう。

 テーブルにパンとでっかい目玉焼きが出てきた。


「それはよかったな、これからは熟練度をあげるためにも生活魔法が使えるところではヴァンにお願いするからな。」


「わかりました、でもまだクリーンしかやったこと無いですけど、どうするんですか?」


「それに関しても一度俺がクリーン同様にヴァンを経由して、覚えてもらう。それは飯を食べたあとでいいだろう。」


 頷き、「いただきます。」して朝食を食べる。

 そして早速出番がやって来た。食器類にクリーンをかけて綺麗にする。魔法を使ってすぐはなにかが抜けた感覚があるが、だるさが出るほどではないので問題ないだろう。


「よしよし、だんだん感覚をつかんできたようだな。」


 腕を組みうんうんと頷いていた。


「今日の予定なんだが、とりあえず外に出て生活魔法をやろう。そのあとは肉体の訓練もやっていくからな!」


「生活魔法なのに外でやるんですか?」


「あぁ、家の中で生活魔法の種火(ファイヤ)は危険だろ?失敗して家が燃えても困るからな。それに飲み水(ウォーター)も家を水浸しになっても困るからな。微風(ウィンド)は場合によっては突風でものが散乱するし、唯一証明(ライト)は部屋でも可能だけどな。とりあえず外に行ってやるぞ!」


 マークさんは立ち上がり、外へと移動していく。僕もあとを追いかけ外へと出る。

 ある程度広いスペースの場所まで移動した。


「とりあえず昨日と同じでヴァンの体を使って生活魔法を俺の魔力で発動する、それで覚えてもらう。それぞれに違いがあるからそれを感じてもらえればいいんだがな。」


 マークさんは僕の背に手を当てる。


「まずはわかりやすい、ファイヤからだ。」


 背に熱が伝わり下腹部へ移動する、すると下腹部に移動した(魔力)がより温度が高くなったように思う。


「ヴァン右手をあげろ。」


 言われるままに右手をあげ突き出した。下腹部の熱が右腕へと移動した。


「ファイヤ」


 と唱えると、手のひらより小さな火が発生する。下腹部からの熱が途絶えるとその小さな火は消えてしまった。


「これがファイヤの生活魔法だ。次いくぞ。」


 マークさんはおもむろにコップを取り出し渡してくる。


「次は見ての通り飲み水(ウォーター)の生活魔法だ。」


 またファイヤと同じように背に手を当てる、熱が伝わり、下腹部に移動した、そこで違いが現れる。今まで熱として認識していた魔力がひんやりとした魔力に変わったのだ。

 思わずあげていた右手を下腹部を擦るように確認するが特に問題はない。


「ヴァン、その行動をしたってことは魔力の違いに気がついたか?」


「はい、クリーンとファイヤと違いひんやりとしたものに変わりました。」


「それを感じれたのなら問題はない、魔力に敏感に反応している証拠だ。そしたら右の手のひらをしたに向けて、その下にコップを用意してくれ。」


 言われた通りに両手を動かす。


「ウォーター」


 とマークさんが唱えると手のひらより水が出てコップに溢れることなく貯まる。溢れる前に下腹部から来るひんやりとした魔力が途絶えていた。


「これがウォーターの生活魔法だ。あとはウィンドとライトだな。」


 その後ウィンドとライトの生活魔法を僕の体を経由して使ってもらった。

 ウィンドは下腹部で渦を巻いたような感覚だった。ライトに関してはなんと表現したらいいのだろうか…クリーンに似た熱なのだが優しいあたたかさと言えばいいのだろうか?それぞれに違いがあることが分かれば、あとはそれに必要な魔力量を使って魔法名を唱え発動するということだ。

 またマークさんはこんなことも言っていた。


「魔力の感じかたは、人それぞれだ。俺の場合クリーンとファイヤ、ライトはヴァンと同じように感じるが、ウォーターに関してはひんやりとヴァンは言ったが、俺は液体の用なものに変わって下腹部から移動する。ウィンドもトゲトゲとしたイメージなんだ。その人がイメージしやすいものに体が勝手に反応しているようなんだ。」


 魔力は人によってイメージが違うけれども、同じ結果になるとはなんとも不思議な物だなと改めて異世界に来たことをこの時思った。


「ヴァンあとは繰り返し使うことで適正がわかるようになるから、午前中は生活魔法の訓練をしててくれ、午後からは肉体訓練に移るからそのつもりでな。俺は少し準備をするから、昼飯時になったら戻ると思う。しっかりやれよ!」


 と歩いていくマークさんだったが振り返えって叫んだ。


「いい忘れた!! 魔法を使って、だるさが出たら、その場で瞑想するんだ。なんのことでもいい。安静にすることで魔力が回復するからな!」


 再び歩き出して行ってしまった。


 さて生活魔法の訓練だが僕の中で一番イメージしやすかったウォーターから始めることにした。

 下腹部にひんやりとした魔力を練り上げていく、クリーンの熱からだんだん冷ますようなイメージでやってみた。イメージがかたまり、行けると判断、「ウォーター」と唱え右手の平からコップにバケツをひっくり返したような水の量であわてて魔力を遮断し止める。盛大にこぼしてしまって辺りが水浸しになる……家の中でやらなくてよかった……マークさんの言う通りの結果になっていたな……


 その後数回ウォーターを試しコップにちょうどいいくらいで止めることができたが、すこしだるさが出てきたため瞑想することに。無心を心がけたんだけど魔力変化のことばかりが頭に浮かんでしまう…熱からひんやり、ひんやりから渦へなど魔法のことが気になってうまいこと瞑想できなかった。

 結果的には安静にしていたことでだるさが抜けて魔力が回復したようだ。


 各生活魔法を試し、瞑想というなの魔力変化を体内で行いお昼にマークさんが戻ってくるまで生活魔法の特訓をしたのだった。

お読みいただきありがとうございます。



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