女神様の名前
ペチペチと顔を叩かれる感覚で目が覚めた。
見上げればいつもの天井。
ん!?いつもの天井って確か僕はいつもの広場でジョージを抱っこして……その後の記憶がない……
「(ばん、おきた? じぃたち、いなくなった。)」
「おはよう、ジョージじぃ達って神様と女神様のことだよね? あの二人はこっちには居ないんだよ、何て説明したらいいんだろうね。」
ジョージの発言に答えたかったのだが何て言えばいいかわからず苦笑いで誤魔化してしまった。
「(じぃから、もらった、きらきら~♪)」
ジョージの腕にはめられた神様からのプレゼント。僕の時には説明があったけど時間だってどんな効果があるのか教えてもらうことができなかった。
「神様からもらったそのブレスレットどんな効果があるかわかる?」
ジョージはふるふると首を横に振る。
困ったら占いのオババ様に聞きに行けばいいって女神様も言ってたし、なにより神様からもらった物だから僕たちに悪影響があるとは思えないもんな。
魔力感知を発動すれば下の階に五人の気配があるのでジョージと一緒に下へと降りていく。
下に降りてまず初めにすることは決まっている。
「皆さん、ご迷惑お掛けしました、そしてありがとうございました。」
謝罪と感謝だ。
「何いってるんだヴァン、最終的には自分自身で克服していたじゃないか。最後は俺の電霆で止めをさしたけどな。」
「マーク何が止めをさしたけどなよ、弟子たちにお膳立てしてもらって、いいとこ取りしただけでしょ!!」
師匠にミラーナさんがつっこみ笑いがおこった。
影の魔法でここに居るみんなに恐怖を抱かせるような、さらには傷つけるようなことをしたのにも関わらず、何事もなかったように接してくれるそんな師匠達には本当に感謝しかない。
「そこの嬢ちゃんにも感謝しろよ、心配してずっと看病してくれとったけぇな。まぁわれ達を運んだなぁわしだ。」
アリゼアさんがレイのことを指差し豪快に笑っていた。
「レイもありがとう、アリゼアさんもありがとうございます。」
「……べつに。」
表情がほとんど変わらないし、そっけない感じだけどとりあえず伝えたから良しとしよう。
それと報告もしなくては。
「えっと『魔纏』の件と種族特性で報告があります。」
その言葉で全員の目線が僕に集まった。
「『影纏』は今回の皆さんとの戦闘で習得することができました、今後ポデルに体をとられることはないと思います、種族特性も『影纏』習得することが条件だったようで第二段階の解放がされました。」
「昨日の昼過ぎからずっと寝ていただろ?鑑定もギルドに行かないとできないのに何でわかったんだ?」
「この世界の女神様が教えてくれたで納得してくれますかね?」
こんな夢中説夢な話をしても信じてもらえないかもしれないそう思ったのだが……
「ん? 女神様ってアリアンフロド様が教えてくださったの?」
ミラーナさんが女神様の名前を教えてくれた。そしてすんなりと受け入れている気がする。
「ヴァンは以前も神様から指輪をもらっていただろ?」
「はい、大分前ですが指輪をもらった話は師匠にはしましたよね?」
「それは神託ってことだろ?この世界にも神託を受ける者が居る、占いのオババがその例だろうな、渡り人にもそういった神託が良くあるってのは有名な話なんだよ。」
この世界に来た渡り人の人達にも神様や女神様が手助けしてたってことなのかな?
「わしゃ会うたことないけぇわからんが、坊主は何か依頼されたんじゃないのか?」
「依頼と言うよりも助言でした、竜血樹の樹液が必要なのはジョージで進化するのに必要なんだそうです。」
「影との戦闘の時に大きくなっていたじゃない?あれが進化だったんじゃないの?」
「あれは女神様が手助けしてくださったみたいなんです。」
するとみんなの視線がジョージと僕を見た後に師匠が代表して教えてくれた。
「ということはジョージが進化したのは神の奇跡が起こったってことだったんだな。それだけあの状況が危険だったと言うことか、滅多に見れない神の奇跡を体験できるとは驚きだけどな。」
「坊主の回りは話題に事欠かんな。がっはっは」
その後女神様はどんな容姿だったとか他になにか言ってなかったのか?と殲滅の獣のメンバーは色々と聞かれた。
隠すことはないので率直な感想を話したりして失敗したかなと反省するこの場面を女神様が見てるかもしれないんだったと……
その日は僕の特殊スキルで体の調子も良かったのだが休むように言われたので、久々にまき割りや掃除などして過ごした。たびたびレイが音もなく背後に現れるから常に魔力感知で警戒しながら過ごしたのだった。
そして次の日から最終調整と言うことで『魔纏』やレイを含めた戦闘をした。ゲニアさんからは鍛冶技術、武器の手入れの方法を、ミラーナさんからは森の歩き方薬草の知識などを教えてもらったのだった。
ジョージの進化のために竜血樹採取へと僕、ジョージ、レイの三人で挑むのだった。
いつもお読みいただきありがとうございます。




