表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/167

入学

「しかし、マジェスティ?なぜここまでする必要が有ったので?」


アンが挙手して聞いてくる。

ここまでとは?


「いえ、今まで負けたことすら無いにも関わらず、戦争も起こっていないのになぜ軍拡を推し進められたので?」


ん、あぁ、やりすぎだってこと?

いや、そりゃそーでしょ。だって。


「いいか?アン。戦争ってのは一度始めちまえば準備してる時間や余裕なんざソッコーで吹っ飛ぶ。どんなに強い軍隊でも、だ。だから平和なうちに、負けてないうちに出来うる限りの事をしておくんだ。」


俺の言葉にマリアが頷く、理解しているのだ。戦争の勝敗とはそれまでに行ったことの集積であると。つまり戦争とは始める前にすべてが決まっているのだ、始まってからでは手遅れなのだ、と。


「“今まで負けなかった、だから次もこれで勝てる“んじゃない。“今まで負けなかった、でも次はこのままでは負けるかもしれない“んだよ。ベストは負けてから尽くすもんじゃない、負けないために、犠牲を出さないために、始まる前から常に尽くさなきゃダメなんだ。」


俺の言葉にアンとマリアは納得してくれたようだった。

よかよか


「ま、これだけやれば俺もそろそろネタ切れが近いし、しばらくは軍拡はゆっくりだな。」


そろそろ知識の限界が見えてきたのでね。

ベストは尽くして力を貯めた。あとは存分に振るうとしよう。


――――――平和のために。


あぁ…………楽しみだ。



「そういえば、あと三日でご入学でございますね。」


ん?あぁ、学園の話か。

そうだな、あと三日ほどで入学式だ。

貴族として必要なことを学び、コネクションを作るために入学するらしい。

正直俺には必要ないような気もするが、まぁ楽しそうだし。


「おねぇ、ちゃん、あと、一年、だよ。」


「あぁ。」


マリアのこの一年だよという発言、これは、あと一年でヒロインが入学し、タスマニアンラプソディーが本格的に開始する、ということだ。ヒロインは俺の一年後輩なんですねぇ。

彼女曰く乙女ゲーの悪役に転生するパターンはまず攻略対象を陥落させるのが王道らしいが、俺はむしろ唯一出会った攻略対象(第一王子)を思いきりビビらせてトラウマ植え付けてやってたからな。


もともとのタスマニアンラプソディーでは隣接する“帝国“と戦争が始まり。それに学園の生徒が貴族として従軍するってのがメインイベントだった。

で、このゲーム、少女漫画をモチーフにしているらしく、悪役令嬢もののテンプレートよろしくカタルシスたっぷりの断罪イベントがある。


敵前逃亡とか帝国との内通でリアーナは裁かれ処刑されるのだ。


ぶっちゃけ今の俺も反乱とか王子への攻撃とか玉璽偽造とか、処刑役満不可避なんだが、武力があるからね。

敵対したやつは滅ぼすからね。問題ないね。


気ままに学園生活を楽しみますよ。俺にはそれだけの力が―――――慕ってくれる味方たち(軍事力)が千万オーダーでいるんだから。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ