宿とソーセージの町
町をぶらぶら歩いて店を冷やかす。
ここの町は食い物だとヴルストが有名らしく、俺とマイク君も一緒になって頬張っている。
肉屋さんの好意で焼いてもらいました。
パリッと皮がハジケて肉汁がどぱっと溢れだすこの感じ、たまらんね。
「うまいよ!ありがとな、ご主人!」
俺がハイテンションでお礼を言うと肉屋のおっさんは片手を軽くあげて答えてくれた。
寡黙な職人ってか?ニクいねこの。
その他には白いソーセージのヴァイスヴルストとか生ハムとかが店の店頭に並び、それらをウィンドウショッピングしたあとレストランに入ってみればレバーケーゼと呼ばれるミンチと玉葱とベーコンのミートローフが出てきた。
味からして豚じゃねぇなこれ、豚より淡白で鳥に近い。
そもそもこっちの世界で豚や牛って見たこと無い気がする。
「ヴァイスヴルストはお土産にしましょうか。パンと一緒に甘いソースを付けて食べるんですよ。」
ほー、そりゃ良さげだな。
元々エールを褒美に出す予定だった開発部の連中の分と、オヤジたち幹部クラスには買って帰ってやるか。
全員ぶんはさすがにもってかえれないのでまた今度ね。
「あっちでもヴルストって買えっかな?」
「はい、もちろん。」
おー、ならヴルストをつまみにエール、なんてことも…………。あかん、よだれが。
やー、たのしいねー。何があれって舌が楽しい。
ここは良いところだねぇ。
俺の故郷はバーガーとステーキ位だったからなうまい飯は。
時おり食うジャパンのスシはうまかったが。
そうやって町で食い倒れを楽しんで、日がくれた頃に通信が入った。
マリアだ。宿で合流しようと思い、俺たちが泊まるとこを教える。
すぐに見つかったらしく、数分後には宿の前についたとの連絡が入った。
料理チート?しませんよ?主人公の前世での食生活はバーガーとステーキ、時たま超高カロリーのブリトーで成り立ってたので確実に不可能です。
現地の人が胸焼け起こします。