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マニューバ

いくつかの話を整合性を取るために改稿しました

(オヤジ)が駆るF16のエンジンが気炎を吐き、機体は亜音速で竜の群れに突っ込む。

ディスプレイに表示されるレーダー画面には多数の輝点、距離は一キロもない

ドラゴンがレーダーで映せるのか?という疑問があるかもしれないが、鳥などの生物も戦闘機のレーダーはキチンと捉えている。

相手が鳥だと、体の小ささによって反応がステルス機なみに小さくなるため捉えにくいだけなのだ。

だが、今回やりあう相手は7メートル級でバリバリに突起物、角やら甲殻やらがある複雑な形状のもの。

レーダーというのはこういった細かい突起があるとより相手に反応しやすくなる。


閑話休題



奴等は複雑に急減速や急加速を織り混ぜた機動を取る。俺たち戦闘機隊は、そんな相手の動きをほぼ直感のみで予測して、未来位置に20㎜の砲火を放ち撃ち落とす。

巴戦に入るまでになるべく数を減らしておきたいが―――――――おっと


「背後か」


6時方向、つまり真後ろに反応。

前方の敵を殺してる隙に、二匹ほどが俺の機の背後を取ったようだ。


相手がこちらに攻撃する前に、エンジン出力を制御するスロットルを引き、少しだけエンジンパワーを落とす。



ガクンと音がなるほど激しく操縦管を引いて、機首を大きく上げる。


エアインテークの形状の都合でエンジンに空気が送り込まれる量が大きく減り、パワーが失速ギリギリ、この機体角度だとちょうど重力(・・・・・・)と釣り合う(・・・・・)程度にまで(・・・・・)落ち込む(・・・・)


そして、俺の機体は水平に飛行したまま大きく迎え角を取った(機首を上げた)状態になる。出力を押さえたことに加え、機体全体に空気抵抗がかかり、一瞬で失速直前(・・)の、コントロールが効くスレスレの領域まで減速した俺の機は、見事にワイバーンどもをオーバーシュートさせそのケツを取った。



所謂、プガチョフズ・コブラ


超ウルトラC難度のマニューバ(空戦機動)だ。


F22とかならある程度腕がよかったらできるが、このF16でやるにはかなりムチャがある。

刻々と変わる機体の状態を把握し、最適なエンジン出力の選択と機体操作をその都度完璧にやらなければならないが、この機体だとそれが死ぬほどシビアになるのだ。


即座にスロットルを操作し速度を回復すると共に水平飛行に復帰する。


眼前には無防備に背中を晒す二匹のターゲット。


「―――――――guns guns」


合図と共に発射したバルカンは、そいつらを一片に四散させた。

距離が近かったせいで血と肉片になったそれに突っこみキャノピーが一瞬血塗れになる。視界が真っ赤に染まり、思わず目を見開く。

それらは風圧で後方にふっとんで、すぐに目の前はクリアになったが



「あっは、ははははははははっ!」


どこからか笑い声が聞こえてきた。誰だ?笑ってるのは。戦闘中に不謹慎だ。


「はははははははっはははっはっ!?」



って、あぁ、そうか


笑ってるのは



俺だ。



「はははっ!…………あー、………………………………………………………楽しいな。」



お嬢は、俺たちのボスは外連味溢れる言い回しを好む。彼女風に言うなら、こんなとこか?


さぁ、翼竜たちよ、これまで欲しいままにしてきた空の王座



「人間さまに譲ってもらうぞ。」





そっから――――俺はそこまで時間をかけずにレーダーに映るトカゲども(竜たち)を殲滅した。


通信機からお嬢やマリアちゃんの「あり得ない」とか「頭おかしい」とかいう声が聞こえてたような気がするが、たぶん空耳だろう。










「あれ?俺またなんかしちゃいました?」(現地人)


「頭おかしい(白目)」(主人公)


「あり得ない!」(転生者)



中世レベルの時代だからって“天才“が存在しないなんてそんなわけないだろいい加減にしろ。(便利構文)

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