神の軍勢は大海に漕ぎ出す
ミネルヴァ部隊の編成等弄りました。
龍の襲来の報告を受けてからすぐさま俺は海軍に指示を出した。
戦艦と駆逐艦二隻、そして本来は原子力空母であるものを通常動力型にしたジェラルド=R=フォード級空母の出撃と、ドラゴンへの対応だ。
この空母は、300メートルを越える巨体を持ち、電磁式のカタパルトで戦闘機を加速させ、発艦に充分な速度を産み出す。
一度起動すれば50年は補給要らずの本来のジェラルドRフォード原子力空母と違って、通常動力で動かすこいつはバカみたいに燃料を食うが、まぁ、仕方ない。
搭載機数は70機。
今乗せている艦載機はF18E並びにFだ。
この戦闘機は傑作の多用途戦闘機で、格闘ならF22ラプターすら落とすと言われる高い運動性、格闘能力とアクティブフェーズドアレイレーダーによる高い索敵能力と高度なミサイル運用システムを搭載している。
こっちの世界ではそのシステムはマリアが組み上げたといえば、その性能は折り紙つきであることがわかってもらえるだろう。
空母にはこれの他にうちの海兵隊に配備されているF35cも乗せることができ、こちらは前世でも最新鋭の技術を満載した最強クラスの戦闘機だ。
さて、そんな空母に侍り護衛を勤めるのは、アーレイバーク級イージス艦。
フェーズドアレイレーダーspy―1を搭載し、高い防空戦闘能力を誇る、前世では最強の水上攻撃艦だ。
その性能はすさまじく、レーダーで探知したものに自動で脅威度を割振り、火器管制システムが多数の目標に同時にロックオン。VLSからミサイルを放って50近い同時攻撃にも対処できる。
まさに、イージス
アーレイバーク級はそのなかでも開発国の船だけあって、モンキーモデルでないフルスペックのイージスシステムを搭載しており、くそ強い。
だが、そう、あくまでこいつが海の王者足りえるのは、前世での話。
ここには、ヤツがいる。
イージス艦の対処能力すら木っ端微塵に破る火力と物量。
そしてそれを超精密に制御する最高峰の火器管制システム。
ダメージコントロールシステムと分厚い装甲による絶対の防御。
それらを備えた、我が海軍のフラッグシップ
理外の怪物
―――――レヴィアタン級戦艦一番艦「レヴィアタン」
俺の目の前で、そいつが動く。
もやいを解き、錨を揚げて、燃料をかっくらい進む。
しぶきを上げて、勇壮に、雄大に。
何者をも粉砕する圧倒的な戦力は悠々と進む。
さて、そんな感動的な光景を見ている俺が立っているのは、そのレヴィアタンの艦橋。
艦内全てを統括して指揮する場所だ。
戦闘の指示を出すなら戦闘指揮所のが良いんだろうが、まぁ今回は俺は細かい戦闘指示やら実行にはノータッチで。
高みの見物といかせてもらおう。
ぶっちゃけこいつの、巨大戦艦の雄姿を外から見るのも捨てがたいが、やっぱ初陣はこいつの体内で見学することにした。
俺の隣にはオヤジ達への技術指導を終えて帰ってきたマリアが立っている。
「間に、あった。」
彼女はホッとした様子でそんな言葉を溢す。
うんうん、お前、こいつにすげー愛情注いでたもんな。
レヴィアタンの初陣とか、絶対見たいよな。
上空では、件のオヤジもF16を駆って今から始まる俺たちの艦隊とドラゴンとの戦いを待ちわびているし
制作者のこいつは尚更だろうよ
まぁ、愛着だけじゃなくても、神すら屠り得る怪物が軍勢を率いてたかだか30しかいないドラゴンの群れを食い散らかすのだ。
最高のショータイムになりそうだろ?
「君たちは本当に……………もはや規格外とかそういう言葉ですら生ぬるいななんだこの巨大な鋼鉄の船は」
おっと、忘れるとこだった。
実は観客はもう一人いる。
誰あろう、公爵閣下だ。
もともと彼はうちの領地に査察、調査に来ていたし、俺の方もそろそろこっちの戦力を見せようと思っていた。
とてもちょうど良かったので、この海戦に観戦武官、つまりは戦力観察やら戦訓を得るために戦場に派遣される人としてついてきてもらったというわけだ。
公爵、武官じゃないけど。
「鋼鉄、じゃ、ない。チタン合金、もっと、固くて、もっと、つよい。」
マリアが訂正を入れる。律儀な子ね。
公爵は興味を持った様子で、チタン合金のことを聞いている。
あ、公爵さまガン無視されてる。
マリアェ……………。
「もうちょいで敵が見えてくるぞー。前方に注目ー。」
俺が二人に教えてやると、二人は話をやめて艦橋前方の窓の方に行った。
俺もそこで見よ。見やすそうだし。
「さぁ、パーティーだ。」
ありきたりだが、そういう高揚感がある。
海龍どもよ、いままでお前らが欲しいままにしてきた海の玉座
――――――――レヴィアタンに譲ってもらうぞ
第28部分のレヴィアタンの描写に加筆しています。