表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/167

対帝国戦、その前線にて

航空優勢を得た軍勢はすぐさま国境へと地上部隊を展開した。

各所に前線拠点を構築し、補給路を確保していく。

そんな中のひとつ、それらの拠点を統轄する前哨基地にて、一機のC17が近くの平野に降り立った。


「到着っと。」


リアーナは開いた後部ハッチから機外へと出る。

迎えの車が来ていたので乗り込み、基地へ。


「現状報告。」


短く指示を出すと、車を運転する兵士がそれに応える。


「ハッ、現在我が方は敵航空戦力を撃破。地上の部隊の殲滅へと目標を移しております。」


エクセレント。

まずはあちら側の警戒網を突破し、帝国中枢への道を開かなければならない。

その上で、騎士団の宿舎や竜騎士の拠点、そして皇宮などの重要度が高い目標を破壊するのだ。


「俺は皇宮の監視とレーダー照射をやる。AGCの部隊を一個分隊ほど渡してくれ。」


「copy、御武運を。」


俺たちが爆撃に使用する精密爆弾というものはレーザーによって誘導される。

GPSなどにより誘導することも可能だがそれでも、レーザー照射を併用した方が精度は格段に向上する。

市街地のど真ん中にある敵目標を破壊しようと言うのだ、少しでも逸れて民間人に被害が出たら洒落にならない、レーザー誘導は必須だろうよ。


まぁ、爆撃を行う機体から誘導することもできるがそれだと誘導の際に発射母機に隙ができちまうからな。

相手の中枢上空でノンビリやってるよりかは地上から支援してやった方がいいだろ。


「リアーナ司令………………本音では単純に戦場に出たいだけだったりしませんか?」



「ギクッ」


はは、ははは。

そんなことあるわけないじゃないですかやだなー。


「まぁでも地上からのレーザーによる支援があった方がパイロットもやり易いのは間違いないでしょうし、……………お願いします。」


苦笑いを交わしつつ、こうして俺たちの帝国への侵攻は開始された。




と、リアーナがちょうど帝国との前線に到着したそのとき

国境を越えた戦車、砲兵、歩兵の混成部隊は帝国の国境警備部隊を補足していた。


上空一万メートルを飛ぶRQ4「グローバルホーク」無人偵察機のセンサーをフル活用すれば帝国の動きはその全てが手に取るようにわかる。



「帝国軍陣地まであと4キロです。」


「ご苦労、戦車隊には榴弾による砲撃を準備させろ。パラディン(自走砲)の準備はどうなっている?」


そのなかでも平野に敷設された帝国軍の天幕をタブレット端末の画面越しに観察する人影が。

リアーナにより帝国に派遣された陸軍第1分遣隊―――――エイブラムス戦車一個大隊(44輌)、パラディン自走砲一個大隊(12輌)、AH64ヘリ4機、そして機械化歩兵一個中隊(200名)で構成された陸軍の機甲部隊(緒兵科連合)、その指揮官クラスたちである。


すでに帝国軍陣地から10キロメートルほどの距離に展開完了したM109パラディンに加え、戦車も敵軍をその砲の射程に収めんとしていた。



「準備ができ次第攻撃を開始する。まずは戦車隊による砲撃により展開している敵部隊を殲滅せよ。」


指揮官がそう通達し、通信手によって一兵卒に至るまで意思疏通が行われる。


他国の軍ならば

早馬や伝令によってなされるため指揮から実行までにはラグがでる

だが、リアーナの軍は、現代軍隊は違う。

データリンクと通信システムによるリアルタイムでの意思疎通

それは軍全体をひとつの生物たらしめる。

連携などという生ぬるいものではない

まさしく、“一個“

指示は即座に通達され、戦車の準備完了とともに実行される




砲が―――――――火を吹いた













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ