表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dea Ex Machina ~~悪役令嬢戦略譚~~  作者: 中腸腺
イタリカ王国での人道支援任務
107/167

第一フェーズ

夜の帳も降りきった頃、暗くなった村の中をAGCの隊員とともに隊列を組んで進む。

今回は歩兵用装備をがっつり着込んで気合い十分、7.62㎜の直撃にだって耐えるだろう。


今俺が居るのはルーが生まれ育った村の中。


茅ぶき屋根、粘土造りの家が立ち並ぶなかを音をたてずに歩いている。

表通りと思われる比較的大きい道を避け裏道の様なところを選んで、素早く足を動かしていく。


「ターゲット、アルファ、42メートル、先。HMDに表示、する…………。」



マリアが通信機から声をかけてくる。

今回の任務は対象の拉致だ、目標はルーの両親を殺したヤツとルーを発見して言いふらした子供の二人

こいつらがどこの家に住む誰であるかは事前にAGCとオルトロスによるヒューミント(アナログな諜報)により把握している。

あとはマリアがグローバルホーク(無人偵察機)によってそいつらを監視、逐一位置情報を共有してくれるという寸法だ。


参加している隊員は六名で、全員がハンドガンを横倒しに傾けた状態で胸辺りに引き寄せて、体を半身にして構えながら移動している。これはCARsystemと呼ばれる構えで、近距離での不意の遭遇戦において相手に銃を奪われにくくなる構えだ。

そのかわり命中精度は著しく落ちるけどな………。

俺も先頭で同じようにM45を構えつつ目標の居る建物へと接近していた。


ブリーチング(扉の破壊と突入)ではなく解錠して静かに開ける。ドアが開いたらすぐに侵入して確保しろ。」


喉の奥でとどめるような小声で指示を発してドアに手をかける



………おいおい、鍵がかかってないじゃねぇか


まぁ平和な村だし盗まれるようなもんも無いし、鍵はこの世界では高価だからそうそうみんながみんなつけてる訳じゃない、か。

考えうる驚異としてはガルムみたいな猛獣だが

獣の襲撃でもあったらこんな貧相な家につける鍵なんぞすぐぶち破られるだろうし意味無いだろうな。



そっとドアを開けると後続の隊員たちがスルスルと部屋に入り込む。


寝室は一番奥。

ここの目標は夫婦二人暮らしだ、確保するのは夫だけなので



――――――まぁ、妻の方はお気の毒様。


周囲を警戒しているとトントンと肩を叩かれたので自分も中へ、

寝室まで到着すると藁を敷いたベッドの上で男と女が寝息を立てていた。


腰のポーチから右手で静かに結束バンドを取りだし、左手で一気に男の方の口を塞ぐ。


「ムッ!ング!!」


「シー………黙ってな、殺すぞ。」


暴れようとしたところに体重をかけながら膝でふんずけて動きを止める。

目だけ動かして横を見るとAGCのオペレーターのうちの一人がこちらと同じように女を拘束していた。



手早く両手の親指どうしをバンドで結びつけ、拘束する。

足の方はオペレーターさんにやってもらいましょう。


あとは口に猿轡を噛ませて、と。

よし完了。


「よーし、あっちを見ろ。」


ここまでやったら頭を引っ付かんで、妻の方を向かせる。


レッツ



公開処刑。



ザクリっ

という音をたてて一拍、奥方の喉から血が吹き出る。


彼女を拘束していたオペレーターがナイフで喉をかっさばいたのだ。



「~~~~~~~っ!!!」


バタバタとうっとおしく暴れるおっさんを1発殴って黙らせ、肩に担ぎ上げる。

女の死体はそのままに家から出て、ヴァランクスまで戻り作戦遂行のさいにお荷物となる肩に担いだ男を降ろす。


あとはこれを繰り返すだけだ。

一緒の家に住む家族は目の前で殺して、本人は拉致。

最後までバレないようにマリアから航空監視のサポートを受けて、俺たちは次の目標確保のために動き出した。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ