第五話「医者風の男」
長い、会話多めで少し見にくい
壁にもたれかかり、白衣を身に着けたその男。身長は俺達とほとんど同じで、体格もごく普通の一般人という感じだった。「ん? 何かよう?」
白衣を着た男がこちらに気づく。動いたときにちらりと見えた腰には、黒い鞘の無骨な剣らしきものを付けていた。
「クマ、っていう人にここのことを聞けって言われたんです」
俺が男に向かって言った。すると「ああ、なるほど」と声を漏らし、納得したような顔をした。
「僕の名前は石丸。一応、こんな格好してるけど医者じゃないんだ。まだ学生の身分でね」
ニコリ、と笑いながらこちらに自己紹介をする男。こちらも、軽く自己紹介をする。
「俺の名前は相崎。こっちは吉田です。どっちも学生で、多分あなたより年下だと思います」
俺が吉田の分の紹介も済ませ、吉田も軽く会釈をする。
「吉田君に、相崎君ね。じゃあ、クマさんからの要望どおり軽くここのことを説明しようか」
石丸という男が、指を三本立てた手をこちらに見せる。
「って言っても、大まかに説明することって四つしかないんだ」
石丸が、小指を曲げる。
「一つ、ここはパークって皆に呼ばれてる。迷路の入り口から続いてるよく分からない場所で、ここについてのほとんどのことは未だに謎だ。作ったのは宇宙の生命体、ってのは分かってるんだけどね」
次に薬指を曲げる。
「二つ、あの化け物にはあったかな?」
石丸の問いかけに、二人とも頷く。
「なるほど、じゃあ話は早い。何にあったか知らないけど、ここの化け物は強さで呼び方が分けられているんだ。弱い順に、イージー、ノーマル、ハード、ルナティックって感じに」
あのクマ、という男がノーマルからは情報が手に入らない、と言っていたことを思い出す。
「呼び方に特に深い意味はない。最初のころに来たゲーム好きの男が勝手に決めただけさ」
中指も曲げる。
「三つ、さっき話した化け物は、倒したときに何かしらのものを落とすんだ。強ければ強いほどいい物を落とす。ゲームみたいだね」
ハハハと石丸が笑うが、こちらが笑わなかったことに首をかしげ「渾身のギャグなのになぁ…」と呟いた。
「落とすのはよく分からないガラクタが大半だね。ネジとか、光る石…こいつはライトに代わりにしてたか。後、特殊な武器とかここに関する情報も落とす」
石丸は特殊な武器とか情報の説明もいる?と聞いてきた。俺達は軽く頷く。
「オッケー。特殊な武器っていうのは、ようはこういうのさ」
白衣を少しだけ開き、腰についている黒い鞘の無骨な剣を見せる。
「普通のより切りやすかったり、軽かったり逆に重かったりする。残念だけど、ファンタジーみたいな炎を出したりするのはまだ見たことないね」
開いていた白衣を元に戻し、再び話し始める。
「情報っていっても、言葉通りの意味さ。中々入手できないけど、ここに関することが載っている書類みたいなものさ。宇宙生命体がここを作ったってのも、この情報からわかったことさ」
石丸は、人差し指を立て、曲げる。
「最後だね。こんな危険なところに人が集まってるのは、何でも願いが叶うからなんだ」
願いが叶う、という言葉に少しだけ眉をしかめる。
「ハハハ、確かにそうなるよね。願いが叶うなんてアニメやゲームの中だけの話だし。けど、そんな信憑性の無いものにすがるしかないの人たちが、ここに集まってるんだ」
石丸が周りを見回しながら言うのを、静かに眺める。一通り見回した後、石丸はこっちに向きなおし言った。
「さて、ここについての説明は以上だよ。はっきり言ってここは危険だし、命を落とすなんてことは日常茶飯事だ」
すう、と一呼吸を置き、石丸が言った。
「願いを叶えたいならここに来るといい。だけど、何をすれば願いを叶えれるのかも未だに不明だから、もしここに来るなら、情報はみんなと共有してほしい」
「まぁ疲れてるだろうし、一旦家に帰りな。この道を真っ直ぐ進んでいけば君達の迷路の入り口に出るはずだ」
通路の奥を指差しながら石丸がそういう。帰ろうとしたとき、吉田が足を止め、石丸に言う。
「そういればクマが、もうすぐ帰るって言ってました」
そう言うと、石丸は笑顔で「わかったよー」と言った。
願いの叶うパーク。それが本当かはまだ分からないし、次来た時にはここはなくなっているかもしれない。
とりあえず家に戻ろう、そう吉田とアイコンタクトを交わしながら通路の奥を目指して歩いた。
かなり見にくいのでいつか修正します。設定は適当じゃない、一時間考えた。
改善点などあればご指摘いただけると嬉しいです。




