第四話「クマ」
吉田と主人公喋ってねえ
頭が潰れた化け物の前に立つ、スレイルハンマーを持った色黒の男。体格は明らかに常人より大きく、腕は丸太のように太く、身長はゆうに百九十センチを超えているだろう。頭を覆い隠すように、少し汚れた白い布を巻いていた。
「まさかノーマルに逃げられるとは思わなかったべ」
男は呟きながら、グチャグチャと化け物の体を潰していく。化け物は頭を潰されてなお、しばらくピクピクしていたが、男が潰していくうちにピタリと動きが止まり、光の粒子の様になって消えていった。
光の粒子、というかサラサラと砂の様になってどこかに飛んでいったという方が正しいかもしれない。とにかく、化け物は血痕のみを残し跡形もなく消えてしまった。
「情報はなし、しけたパンだけだべか…。やっぱりハード辺りじゃないと出ないんだべかな…」
化け物が消えた場所に残っていたパンを拾い、呟く男。そのパンを口に咥えたまま、その男はこちらを向いた。
「というか、武器も持たずに入ってくるなんて…もしかしてここは初めてだべか?」
こちらを見据えながらそう言った男。横にいた吉田が男に答える。
「初めてですよ、こんなところに来るのは。ひょっとしてここ、ゲームの世界だったりします?」
男はその言葉がよほど面白かったのか、ガハハと大声を出して笑った。
「まぁ、あながち間違ってないとも言えないべな! オラの名前は熊谷。みんなからはクマって呼ばれてるから、気軽にそう呼んでくれだべ」
ハンマーに付いた血を拭きながら、クマという男が話す。
「ここの詳しいことは帰り道の医者みたいな格好した奴が教えてくれるべ。適当なドアを、帰りたい!って念じながら開ければ帰り道に行けるべ」
クマはそう言った後、近くの病室のドアを開けて入ろうとしたとき、あっ!と声を上げた。
「そうそう、その医者風の男に会ったら、クマの紹介って言っとけばだいたいなんとかなるべ。後、もうすぐ帰るって伝えといて欲しいべ」
そう言うと、ドアの中にすっぽりと消え、廊下に静寂が訪れる。一日でさまざまな体験をしたので二人とも、もう体力の限界だった。
クマという男の言うとおりに、帰りたいと念じながらドアを開けて入ると、一本の明るい道に出た。
その道には大勢の人がおり、背中に大きい斧を背負った者、剣を持った者など明らかな凶器を持った奴らが集まっていた。
そして、道の中に一人。明らかに周りから浮いている、白衣を身に着けた医者風の男が壁際に立っていた。
「あのクマって男が言ってたのって、どうみてもあいつだよな」
吉田に問いかけると、「そうだな」と小声で答えられる。
体力的にも限界が近かったが、この場所のことも気になるため、医者風の男に話を聞きに行くことにした。
だべのつけ方難しすぎるべ。
改善点などあればご指摘いただけると嬉しいです。




