第十六話「炎のリング」
先ほどの爆発の火が、地面の汁に燃え移る。
火が化け物と俺達をちょうどいい具合に照らす。
俺達の少し後ろの方に大きな火が燃え盛り、
化け物のかなり後ろにも巨大な炎がある。
まるで逃げれなくするかのように燃えている。
炎でできたリングのようである。
「化け物を、あいつの後ろの炎まで押し込めれば、多分倒せる。というか、それ以外に生きる方法はもうない」
「逆にいえば、俺らが押されれば、後ろの炎で焼かれる…か」
化け物が咆哮をあげ、触手を飛ばしてくる。
「要は、あいつを力ずくで燃やせばいいってことだ!」
吉田が飛んできた触手を、剣を振り下ろして二つに裂く。
もう一本飛んできた触手を、バク宙のように飛び上がりながら避ける。
「まぁ、そういうことだ!」
すかさず吉田が避けた触手を斬り落とす。
地面に落ち、地上に上がった魚の様に暴れる触手。
拾いあげて、後ろの炎に放り込む。
吉田が着地した瞬間、化け物に向かって走り出す。
同じように化け物に向かって走る。
「狙いは?」
「もちろん、目だ!」
吉田と大声で会話しながら走る。
おびただしい量の触手が飛んでくる。
走る速度を強め、吉田が少し速度を落とす。
スライディングで触手を避け、化け物の近くに滑り込む。
吉田が触手を斬りながら走ってくるのを確認する。
手のひらを上に向け、重ね合わせる。
「こい! 吉田!」
重ね合わせた手のひらに、吉田が足を乗せる。
足が乗った瞬間に、吉田を思いっきり上へ放り投げる。
その勢いで、吉田は化け物の真上へと飛び上がった。
「ナイスだ相崎!」
化け物が真上の吉田の方を向く。
吉田の方に手を伸ばしながら触手を飛ばす。
すかさず、剣を抜き身のまま吉田の方に向かって投げる。
回転しながら、触手に当たり軌道が若干ずれる剣。
「すまん吉田!」
「いや、大丈夫だ! 受け取ってみせる!」
空中で身を捻り、触手の合間に飛んでくる手を避ける吉田。
そのまま体を回転させながら、俺の投げた剣を右手で受け取った。
「ぬおおおおおっ!」
回転しながら、両手に剣を持った吉田。
そのまま化け物の上半身に突撃する。
斬る、というよりかは肉を抉るような攻撃。
剣が少しでも触れた目は、全て潰れていた。
回転の勢いを緩めながら落ちてくる吉田。
しっかりと両手で受け止める。
「…おい。何でお姫様だっこなんだ」
「しょうがないだろ。これが一番安全そうだったんだ」
吉田から剣を受け取り、化け物の方を見る。
潰れた目を器用に触手で押さえている。
先ほどの攻撃でかなり痛がったのか、化け物の体が後ろに下がっている。
あと一撃、いいのを与えれば押し込めるだろう。
「あと少し…!」
吉田がそう言ったのもつかの間。
化け物が腕から生えている触手を、壁に突き刺す。
やがて突き刺さるのが収まった頃には、おびただしい量の触手が壁に刺さっていた。
「壁に体を固定されたか。クソ…」
吉田がそう言った。
「次はどこを狙うか、いやもう決まってるか」
俺がそう言うと、吉田はすぐに返した。
「そうだな、次はあの触手だ。そしてもう一撃だ」
新しい小説のキャラ練りしてたら遅くなりました。
決してサボってたわけではありません。
改善点などあればご指摘いただけると嬉しいです。




