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第十五話「大親友」

 吉田の乗っている物と化け物が衝突した。

 次に響きだした、肉を無理やり引き裂くような音。


 吉田が乗り物から降り、こちらに走ってくる。


「な、なんだアレ?」

 指を乗り物の方に向けながら言った。

「奥にあった掘削機だ。無理やり持ってきた」


 親指を立てながらそう言った吉田。

「よく動かせたな…」

「もちろん、知識だけが俺の取り柄だからな。無駄な物ばっかだけど」


 笑う吉田に、つられて笑ってしまう。

 こんな状況で笑ってしまうのは、

 本当にどうかしてると自分でも思う。


 肉を引き裂く音が少し収まりだす。

 化け物が両手で機械を掴み、空中に持ち上げる。


「ああ、やばい。どうする吉田?」

「どうしなくてもいいよ。強いていうならこれを投げて逃げるくらいかな?」

 

 懐から何かを取り出す吉田。

 瓶の口にねじった布のようなものが刺されている。

「それもしかしなくても火炎瓶だよな?」

「そのとおり。さぁ点火するぞ!」


 同じように懐から取り出したライターを左手に持つ。

 右手に持った火炎瓶の布に着火する。


 綺麗な弧を描きながら掘削機のほうへ向かっていく火炎瓶。

「逃げろ!」

「ちょ、ちょっと待て吉田。何で掘削機の方に投げ―」


 爆発する火炎瓶。

 熱がかなり離れているこちらまで届く。

 

 火炎瓶の爆発が終わったとき、再び何かが爆発する。

 先ほどよりも圧倒的に大きい爆発。

 余りの爆風に、壁に叩きつけられてしまう。


「あっつ…。ちょっとやりすぎたかな?」

 吉田が化け物の方を見ながら言った。


 化け物は体全体に火がつき、悲鳴をあげている。

「お前、火炎瓶以外に何やったんだ?」

 吉田は頭をかきながら答えた。

「奥にあったガソリンタンクを三つぐらい掘削機に積んだ。いや、まさかここまでとは…」


 化け物が持っていた掘削機は地面に欠片となって散らばっている。


 全身についた火を暴れまわり消した化け物。

 偶然にも、全身についた緑の汁は全て消えていた。


「しとめ切れなかったか…。まぁ、うっとおしい汁も消えたしいいかな」

 吉田が剣を前に構えた。


 化け物が咆哮をあげる。

 緑の汁が消えた代わりだといわんばかりに、

 両手から大量の触手を出してきた。

 一つ一つの大きさはそこまででもなく、

 剣で簡単に斬りおとせるだろう。


「うわ…、リアル触手だよ。女性がいればもうちょっと絵になったんだけどな」

 吉田が笑いながら言った。


「俺、触手物持ってるから貸してやるよ」

 俺も剣を前に構える。


「そりゃ嬉しい。とっとと帰らないとな」

 吉田が答えた。


 

 

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