プロローグ
不定期更新という便利な言葉。
生ぬるい風が吹きぬけ、チリンチリンと風鈴が心地よい音を鳴らす。障子を開ききった窓からは弱い風が常に吹き続け、そこからは緑の畑が山の中に広がっているのを一望できた。
「麦茶しかないけど、飲む?」
陶器製のコップを二つ持ち、縁側でタオルを頭にかぶせながら外の景色を見ている少年に声をかける。
「ああ、飲む。ありがとう」
タオルを頭から取り、コップを受け取る少年。
「いや、本当にごめんな。吉田。まさか道路が土砂で塞がれるとは…」
コップを渡した俺は、吉田と呼ばれた少年の横に腰掛ける。
「別にいいさ。それで相崎、道路の復旧にはどれくらいかかりそうなんだ?」
俺は少し言うのに申し訳なさを感じながら、答えた。
「電話で聞いたんだが、かなり酷くて一ヶ月はかかるらしい…。夏休みが全て潰れるのはほぼ確定だ」
「一ヶ月か。それだけの間ここでお前と二人っきり。一緒にゲイにでも目覚めるか?」
ケラケラと笑いながら冗談を飛ばす吉田。
この吉田とは大親友と言ってもいい間柄であり、夏休みの初めの一週間だけ俺の爺ちゃんの家に一緒に泊まりに来ていた。だが、爺ちゃんと婆ちゃんが町の方に出かけている間に突然の大雨が降り、地震が起きた。そのせいで土砂崩れが起き、町に通じる一本の道路が完璧に防がれてしまった。
「飯は近所の人に爺ちゃんが分けてくれるそう頼んでくれたみたいだ。後、俺にそっちの気はない」
吉田を肘で軽く突きながらそう返した。
「しかし、一ヶ月もここでとなると、いかに時間を潰すといっても限度があるな。何か面白いことはないのか?」
吉田が縁側の前にある小さな庭で軽くタップを踏みながら言った。
「残念だが、可愛い女の子はいないぞ。ギャルゲーの様な展開は諦めるんだな」
麦茶をすすりながら答えた。すると吉田は、顔の前でバツ印を作った。
「そんなギャルゲー的なことができるほど顔が良くないのは自覚してる。そうじゃなくて、心霊とか、探検とか、ちょっと童心に返って虫取りとか色々あるだろ!」
声を若干荒げつつ、そう言った吉田。
「心霊もないし、虫取りも中々…。ただ、探検的な要素は一つある」
「おっ、やっぱりあるんじゃないか。教えてくれよ相崎」
タオルで顔の汗を拭きながら近づいてくる吉田。
「この家の横にある坂道をもう少し登ったところに、フェンスで封鎖されてる廃工場がある。子どものころはフェンスを越えて入れなかったが、今なら爺ちゃんも婆ちゃんも居ないし、絶好の機会だ」
「それじゃあ、善は急げだ。って言っても、やろうとしてることは犯罪に近いけど。とにかく出発しよう」
どうせ面白いものはあまり無い気がするけど…。そう思いながら、出かける支度をするために吉田のコップを回収し、台所へ戻った。
文章が訛ったりくどかったりしますが、頑張りますのでよろしくお願いします!
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