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8 命の上に雨が降る
恐ろしい光景、
であると同時に安心する光景。
今日は雨。世界が痛みに濡れて、絶望的な色を帯びながら声も出せなくなる日。
私は今日も動けなくて、
点滴をしながら窓の外を見ている。
看護師に窓を開けてと言ったら駄目だと言われた。
ズュートを呼んでと言ったら、今日は休みだと言われた。
私よりも休日を選択する彼は気が狂っている。
だからせめて、トン・イータを部屋に入れないよう言っておいた。
今日の意識はひどく朦朧としていて、
あまり喋る気になれない。
ただ、外を眺めているのが気持ちいい。
雨は痛みの形。
世界の外側を痛みで襲う絶え間ない音。
何もかも濡れて、
誰もかもが困った顔をしている。
とっても気持ちよくて落ち着く、静かな騒音。
眠るのがもったいない。
だけど、もう眠たいーー