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25 儀式の準備

光が私のなかまで差し込んできたので、

きっとここには考える力があるのだと思った。

宇宙が冷気を送ってくるから、私は今日も考えることができる。

痛みのこと、ズュートのこと、それから……

トン・イータのことも。


オヴェストがやってきて、「いつでも準備はできているよ」と言った。

「勝手にしないで」と言うと、

「てっきり望んでいるのかと思って」と彼女は答えた。

それが間違ってはいなかったので、全部をトン・イータのせいにして、

「彼は本当にかわいそうな人間よ」と返した。


「どんなことがあっても、彼は君の愛をもらえない」

「それは分からないわ」

「それじゃあ彼は、自分自身のために破滅するんだね」


それも違うような気がして、私は首を横に振る。


「彼を破滅させるのは、私よ」

「それだけできっと、彼は救われるわ」


はじめてオヴェストと意見が合った気がする。

私が笑うので、彼女も笑った。

握手するために手を差し伸べると、彼女はすぐに握ってくれた。

とても、冷たい、生きているとは思えない手で。


「せっかくだから、復活祭の日にやりましょう」と言うオヴェストの目が、

やっぱりフードに隠れて見えなかったので、

「信じてもいないことをどうして言うの?」と言ってやった。

彼女は「ははは」と笑って受け流す。

馬鹿らしくなって「明日やって」と言うと、

「駄目だよ。決行は復活祭の日」と断られた。

気持ちが悪くなってきたので、「もう帰って」と言うと、

彼女はまた「ははは」と笑って、

「君のこと、本当は大嫌いだから、会うのはあと1回だけだね」と、

見下すように言ってきた。

この冷たさは冬のせいじゃない。

命が……蹂躙される音がして、私は叫ぶ。


「帰って! 早く消えて!」


痛みが喉を伝ってこみ上げ、吐血しながら私は泣く。

これまで見てきたものは何だったのだろう。

痛みを持つ全てのものが、オヴェストの足元で生気を失っていく。

痛みよりも寒気がして震え上がりながら、私はこの魂を慰める。

大丈夫、大丈夫……

大丈夫、大丈夫……きっと明日は……痛みが降り積もってくれるから。

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