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生まれ変わってみたものの

ガートルードの一人語りが終わらない……。

 スワロ―伯爵に二人目の娘、ガートルードが誕生した。


 これが現在の私であるが、もちろんながらその時の記憶などは一切ない。


 上には一つ上の姉、エヴァンジェリン。


 前世の私と同じで姉はいるが、前世の私と違い年は近い。


 そして、私の誕生をきっかけに母が体調を崩し、そのまま帰らぬ人となった。


 庶民と貴族、貧富の差の違いはあろうとも、妊娠出産が命がけであることには変わらない。


 女性の亡くなる原因の上位に、それはどうしてもきてしまう。


 この母の死をもって、今世でも姉と二人だけの姉妹という関係性が出来上がったのだ。


 ただ父であるスワロ―伯爵もまだ若いので、いずれ後添いというか、後妻を迎える可能性も高くはあるのでこのままずっと二人だけの姉妹であるかはまだわかりはしないが。


 今世のガートルードは、黒髪ストレートで紫紺の瞳を持つかなりの器量良しである。


 姉エヴァンジェリンは母の、私ガートルードは父の容貌をそのまま受け継いだような容姿をしていた。


 そして今世のガートルードの性格はというと……。


 傲慢。


 わがまま。


 高慢。


 の、言葉の化身であるかのような性格をしていた。


 気にいらないことがあるとすぐ声をあげて喚き、暴れ出す。


 下の立場の者を見下し、蔑み、侮辱する。


 未だ五歳とは思えぬバリュエーションで人を貶める。


 例えば、前世のガートルードがうっかりミスをした人を見たとしたら。


「そんな簡単なこともできないなんて、一から勉強しなおした方がいいんじゃない?」


 と嫌味をさらりと落とすところを、今世の私であれば、


「この無能が! 役立たずなぞさっさと荷物をまとめて出ていくがいいわ!」


 と身近にある物を相手に投げつけながら激高する。



 ………………………………。



 自分のことながら思うけど。


 普通生まれ変わりってまっさらな状態になって生まれてくるのだと思うけど。


 生まれ変わってみた結果がこれって…………。


 前世は姉との確執からああなったと言えても、今世でここまで突き抜ける原因がわからない。


 母が亡くなった原因が私だとは、誰も言いはしなかった。


 むしろ、一つ上の姉は自分も寂しく思うことはあるだろうに、常に優しく笑顔で接してくれていた。


 私、ガートルードにはまったくその気持ちが伝わってはいなかったが。


 本当に、勝手に一人でああなった、としか言いようがない。






 ………………………………………………………………。






 私の魂、もう性根まで腐ってるんじゃない?



次回もお願い致します。

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