世界暴力
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確かに大変な世界になってるかも知れないけど僕ならできる気がした・・・
「いーや、無理だね!」
あの人は言う
「お前がしたことは心を折ることと同じ事をしたんだ、
魂とか言ってそいつの心のことを忘れてんじゃないのかい?」
フウの気持ちが伝わっただけだ!
「ほらな、人の性にしやがった。だからお前は駄目なんだよ
自分の中の心に聞いて見やがれ!」
無理だよそんなの!
「だったらお前はソウルやアウトを倒す資格なんかねーよ
人に対しての、あいつらに対しての侮辱だ!」
あの人は言う・・・・・・
「お前は世界をなめている」
僕は、僕は・・・・
16
本部長の部屋です。何をしてるかって?それはもちろん
新しい仲間のフウを紹介(自慢)する為に訪れました
ちゃらいフウを紹介するのはけっこう緊張するのです。今も嫌な汗が止まりません!
「本部長、彼が僕たちの新しい仲間のフウです!」
「宜しく~!いやーこっちにも可愛い子がたくさんいるね~」
「えーと、彼は何言ってんのかな?」
「これはですね・・・」答えに困る僕
「こいつはバカだからほっといてくれ・・・それよりも次の依頼って何だ?」
いきなり仕事の話?もうちょっとゆっくりしようよ~
「ゆっくり?何言ってんだお前は!敵は待ってくれないぜ?」
「カッコいい事言ってるトコ悪いけど、出番が最近オレタチに取られてるから早く戦いたい
だけだろ?」
「まったく。分かりやすい人です・・・」
「うるせー!早く依頼の話をしてくれ!」
「分かったはよ・・・次の依頼は、伝説の武器を求めて旅をしている人がいるの・・・その人はとても強いらしくて・・・」
僕はその言葉に疑問を感じた。強いって分かってるってことは・・・
「他の戦士たちが戦ったのですか?」
「ええ、三つの部隊の戦士を軽く倒したらしいわ。それも相手は無傷でね・・・」
三つの部隊って一つ最低十人だから・・・約三十人を無傷で?(そんなばかな・・・)
「わかったよ~!そいつをオレらに倒して欲しいって訳ね?」フウが気楽な調子で言うが、その相手の凄さを知る僕やレオ、ウルは・・・真剣な面持ちだった。
「お前じゃ勝てねえよ!いいから黙って話きいとけ」
「それがねレオちゃん、あなたでもウルちゃんでも勝てないと思うわ・・・」
「そうだと思います。その旅人の方はアウトやソウルは倒していないのですか?」
「ええ、アウトすらも簡単に倒していたらしいの。できればでいいんだけど仲間にね・・・」
「確かに、そんな強い人が仲間になれば心強いね!」
「でも私たちじゃ勝てないんのでは・・・?」
「そう!それよ!だからね、あなたたちには修行をかねてある依頼をやって欲しいの」
『ある依頼?』
4人の声が重なった
「ええ、今この世界は数ヶ月前と違ってほとんどがソウルやアウトに世界が奪われている・・・
その理由は前に話したわよね?」
「はい?オレいなかったから分かりませ~ん」
「私も聞いていませんが・・・」
「お前らな~俺が教えてやるよ、いいか?なぜ世界がソウルどもにやられているかというとだな・・・・」
「どうしました?早く続きをお願いします・・・」
「続きっていうかまだ始まってもいね~じゃん」
「どうしたのレオ?」
「なんだっけ?本部長?」
「レオちゃんに期待したのがバカだったわ・・・
いい?世界には太古の伝説の武器が10個あるわ。そのうち4個あいつらは手に入れた。多分だけどね」
「たったの4個か?4個くらいならオレ等でいけるっしょ」
「フウちゃん、4個の武器で短期間でここまで世界を返れる?」
「どうだろうな~」絶対お前何も考えてないだろ!って突っ込みが僕には聞こえた。(というか僕が突っ込んだ)
「私たちが武器ですのでよく分かります・・・絶対に不可能です」
「それができるのよ?」
レオは依頼の内容が気になるようだった。
「なるほどなー!しかしその話よりも今回の依頼の話の方が俺は知りたいぜ!」
「そうよね、ごめんなさいね。今回の依頼は大量のソウルの消滅よ!
ある街がソウルに乗っ取られてしまったの・・・正確にはその町を取り戻すのが今回の任務よ」
「大量のソウルはやばいって、みんなどうするの?」聞いただけでビビっている僕がいた・・・我ながら情けない。
そしてレオ達三人の意見は既に決まっていた。
「オレは行きたいね~!そうすりゃヒーローになれてモテモテだぜ!」
「私は少しでも強くなりたいのです・・・」
「俺はもちろん行くぜ!俺ももっと強くなりてぇ!それにソウルが町を我が物顔で歩いてるってのは気にくわねえ」
「もう、みんな~でもしょうがないか!早く準備して向かおう!」僕は皆の決意を聞き自分にも勇気がわいたのを感じていた。そうして僕は向かう準備を終えていざ出陣!と思ったら・・・
「ユイさん!」
「きいたわよ~、今回の任務大変らしいじゃない?がんばってね?」
うわああああああああああああ
ユイさんに心配して貰えるなんて!うれしい~~~~~
なんて考えてる間に・・・
「初めましてキレイなおね~さん!あまりの美しさに天使が舞い降りたかのように見えちゃったぜ!」
「この盾のかたは?」
「あー・・・ナンパ野朗だほっとけ!」
「えーと、新しい仲間のフウです。ユイさん」
「まあ!また仲間が増えたのね!だからといって無理しちゃだめよ?いい?」
「分かりました!」
「相変わらずこいつは・・・ったく!」
「心使い感謝します!」
「天使に心配されちゃったんじゃ~やる気100倍だぜ!」
「じゃあ、行ってらっしゃい!」
「行ってきます!」
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そこは見た感じで異様と分かる町だった。
高いビルに纏わりつく黒い影。
壊れ、ボロボロになっている家や街灯。
なにより当たり前のように徘徊している大量のソウル達!
そんな光景を目前にし僕達は・・・
「い、今からでも引き返さない?」
「オレもそれに賛成で~す!」
「私は行くべきだと思いますよ。強くなるために・・・です」
「俺もそう思うぜ!」
はい、聞いていただき分かるように言い争ってました。
ビビり組は僕とフウ
行きたい組はウルとレオ
本当は僕もフウも分かっていた。行かなければいけないことは・・・
しかし、この町の異様さに押されていた。
そんな僕達二人を見てレオが
「お前ら!敵が、困ってる人がいるのに逃げんのかよ!いいか!?一回逃げたらお前たちはこれからも逃げ続けることになんだぞ!?」
「その通りです・・・僕達は一人じゃないでしょう?」
「そうだぜ!それにお前は強くなって世界を守るんだろ?」
僕は!強くなって世界を守らなきゃいけないんだ!だからこんなとこで立ち止まっちゃいけないんだ!
「そうだよね・・・ごめんねレオ、ウル。強くならなきゃいけないんだよね!フウも来てくれる?」
「当たり前でしょ?オレは最初からそのつもりだったけど?」
「フウ!」
僕達の心が一つになっている気がした!
「それじゃあ行こう!」僕は突入しようとした時、レオが!
「ちょっと待てよ!もちろん俺が最初でいいんだよな?」
「そうですね・・・一番手は譲りましょう」
「その通り!オレは最後でいいぜ!一番強いオレが控えてんだから思いっきり暴れろよ!」
「言ってろ!まあ、お言葉に甘えてっと」
「いくよ。レオ!」
『があああああああああああああああああああ』
いつも以上に気合を入れる僕達
『それじゃあ、全力で行くぜ!』
僕達は町の中に突入していった・・・
その中では足の踏みどころもないほど大量のソウルが・・・
「ささっと蹴散らそうぜ!」
「分かってるよ!」
そう言って僕達は技を繰り出していく。
『獅子双炎』
『獅子炎陣』
『獅子炎咆』
炎の爪が敵を切り裂いていく
炎が噴き出し敵を燃やしつくす!
そして最後に火の玉が飛んでいく!!
『燃え尽きろ!』
炎が起こす煙と土ぼこりが舞っていた・・・
その煙がはれると
『!』
何一つ変わらない光景だった。
「なんでだ!ちゃんと倒しただろ!」
「落ち着いてレオ。数が多いから減った気がしていないだけだよ!」
あれだけの技を出しかなりの量を倒したのに全然減っていない。
どうすれば倒せる?
「おい!早く行くぞ!」
「わかってるよ!」
今度は普通に斬りかかって行く!
しかしこの町のソウルは普通のソウルより強く感じた!
「こいつら・・・いつもより強くないか?」
「僕もそう思うよ!何で?」
「知るかよ!でも倒せないわけじゃないぜ!」
「そうだね、今は敵を減らすことが先だね!」
『があああああああああ』
敵をどんどん切り裂いていく!その時、ビルの壁に張り付いている大量のソウルを見つけた!
「レオ・・・あれどうする?」
「ちっ!俺じゃあちょっと手間取りそうだぜ!」
それならば!
「オレがいくぜ~!変わってレオちゃん♪」
「お前は最後じゃねーのかよ!?」
「そんなこと言ったけ?」確かに言っていたと僕も思う・・・
「そんなことより、フウあのビルに張り付いてるの倒せる?」
「楽勝だぜ!んじゃーやりますか!」
「いくよ!」
そう言って魂をフウに集中させていく!
『ふあああああああああああああ』
フウとリンクしたのが分かる!
『軽ーく♪吹き飛ばしてやンよ!』
「それじゃあ、新技いきますか!」
行きますかって言われても初耳だった・・・
「新技って何?どうするの?」
「オレに任せてって!盾の翼を思いっきり広げて盾に乗るんだよ!」
「そういうことね!」
魂がリンクしているからお互いの考えが伝わりやすいのだ!(臨機応変に戦える!)
『ウイング・ロード!』
僕が乗ると盾は凄い速さで空を飛んでいく!
「これならビルに張り付いていようが関係ないぜ!」
その言葉通り、張り付いていたソウルを下に落としていく!
「だいたい落としたみたいだよフウ?この後どうするの?」
「このまま大技行くぜ!」
「了解!」
『スパイラル・ウイング』
盾の速度が増していく!
敵の周囲をものすごい勢いで回り始める。
そうすると!竜巻が出来上がっていく!
『チェックメイトって奴だな!』
敵は減ったがまだ大量に残っていた!
「全然減ってないよ・・・きりがない。このままじゃあ」
「何弱気になってんだよ!おい!チャラ男。もう1度俺に変われ!」
「分かったよ!でも数が多くて武器が変えづらいんだよ!」
「それなら、私と」
パアン!といきなり大きな音が聞こえた!その方向を見てみると・・・
女性がいた。
とてもきれいで美しく、それでいてどこか攻撃的な雰囲気がよく似合っていた。
「あたしの遊び場で何やってんだ?それともお前らが遊んでくれんのか?」
これが僕と最強の強さをもつという彼女の出会いだった。(もっともまだ彼女がそんな風に呼ばれているのを僕は知らなかったが)こうして僕はどうしようもない強さを知った。
決して超えることのできない壁を。
何もできない無力さを。
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彼女がいきなり殴りかかってきた!その攻撃をなんとか避けて彼女に聞いた
「いきなり何するんですか!」
彼女は楽しそうに答える
「珍しくこんなとこで人に会ったんだ。遊んで行ってくれよ!」
彼女はそう言い拳を構えた。距離は決して届くはずのない距離だが・・・
「てい!」そんな掛け声とともに拳を放つ!
「何で?」
衝撃派?が僕の方に飛んできた!?かわしきれずに攻撃に当たってしまった!
「くっ!」
「私が行きましょう・・・」
「ウル・・・でも彼女の強さ見たでしょ?」
「ええ、だから逃げるのに専念するのです」
「分かったよ!」
『はああああああああああああ』
そうして僕は2丁の銃を連射する!しかし彼女は?
「ちゃんと狙って撃ってんのか?そんなんじゃ当たらないぜ?」
彼女は楽しそうに言う。
「ウル!?どうすればいいと思う?」
「あんな銃弾の中、当たらないなんて・・・ならば一撃必中で行きましょう」
「了解!」
『氷狼豪弾!』
それはオオカミの顔をした氷の弾だった!相手を噛み砕く勢いで進んでいく!これなら流石の彼女もよけれないでしょ!?
「お、なかなかいい攻撃だぜ?それじゃあ、あたしもっと」
そう言って指でピストル?を作った!?
「まさかね・・・指から弾が出るなんてことはないよね・・・」
そう言いながらも出てくるであろうことは今までの事から理解できた!
「おら!連射!」
氷のオオカミの顔に連射を始める。どんどん削られていく!
「なんだお前ら、全然大したことないな?」
「おい!俺にやらせろ!俺とお前なら行けるって!」
「無理だよ・・・次元が違うよ」
「今度こそあの技を成功させるぞ!」
「あの技はエネルギーの消耗が激しいって!」
「いいからやるぞ!」
氷の敵と会った時に失敗した奥義
『獅子炎衣』
『がああああああああああああああ』
炎が僕を包んでいく!
そして炎がはじけ飛んだ!
そこには炎を全身に纏った僕がいた。
「成功したの?」
「よっしゃあ!それじゃあ、全力で行くぜ!」
僕は凄い速さで彼女へと向かって行く!
『獅子炎衣~刃!』
纏っていた炎を剣に集中させていく!その剣で彼女を切り裂く!
「なんだよ。そんなもんか?」
がっかりとした風に呟く。
パアン!とまた手をたたいた・・・そうすると僕の纏っていた炎が全部消えてしまった。
「なんだよ。前の旅人君の方が全然強かったぜ!?」
旅人君ってあの本部長が言っていた?
「あった事あるんですか?」僕は思わず聞いてしまった
「おうよ、ってさりげなく質問するな!まあ今のお前たちじゃ勝てないだろうがな」
本部長と同じ事を言う彼女。
「どうすれば勝てますか?」
「そうだな、その武器達を元の姿に戻してやればいいんじゃね?」
それを聞いたレオ達は!
「ふざけんな!元に戻っちまったらこいつと一緒に戦えねえだろうが!」
「その通りです・・・」
「まったくね~」
もの凄く反対していた・・・
「話は最後まで聞けよ。雑魚3人衆!」
「誰が雑魚3人衆だ!」
「まったくです。彼と一緒にしないでください」
「そうそう!」
「いいから、話を聞け!つうんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
そう言って彼女は両手を銃の形にして連射した!(だからなんで弾でるの!?)
そんな事を思いながらも僕とウルはさりげなくフウに隠れた。
「痛いって!謝るから!」本当に痛そうなフウでした(ごめんね)
レオは・・・倒れていた!
「俺はここまでのようだ・・・悪いな!」
無視して話を続ける僕と彼女
「戻るって言っても武器体と人間体を自由に変化できるってするんだよ!」
「そんな事ってできるんですか?」
「ああ、そのためにはかなりの難易度のゲームをクリアしなきゃいけないがな」
「ゲーム?」
「ああ、太古の武器になった奴らが作った遊びみたいなもんだよ。普通の奴らじゃクリアできないがな」
「どんな内容なのですか・・・?」
「それは行ってのお楽しみだろ?」
彼女は楽しそうに言う・・・
「ゲームの名は・・・」
その言葉と共に僕達の試練が始まった!