4 閉ざした結界
私はあの自分に似た顔を見て、怒りが猛り上がり、ほとんど理性を焼き尽くしそうになった。
「彼がね、」
リディアは私の目の中に突然冷え込んだ寒気と袖の中に握りしめた拳を全く見ていないようで、続けて親密でありながら不平を言うような口調でレオンに言った。しかしその視線は私に向けられており、かつ挑発的である。
「本当に惚けていて、いつも物を無くしたり忘れたりするから誰かいないとダメなのよ。」
レオンは彼女の無礼や僭越を少しも責めるどころか、極めて心地よく彼女の頭をポンポンと叩き、私が今まで聞いたことのない、寵愛に満ちた口調で言った。
「俺が惚けているのは、誰のせいだい?」
「お前という自由に憧れる小鳥が、毎日籠から飛び出したがるくせに、道もよくわからず、俺が面倒を見ていなかったら、とっくに八百回も迷子になっていただろう」
二人は見つめ合って笑った。
目と目が糸で引かれているようで、私がほとんど窒息しそうな親密さが絡み合っていた。
あのソファ、あの大広間は、まるで私が入り込めず、また甚だしく余計な世界を形成しているようだった。
私は絢爛豪華な東宮の大広間の中央に立ち、全身に辺境の寒気と血生臭さを纏った侵入者のようだった。
なるほど、私が辺境で魔力反動の激痛に耐え、守護の大陣を維持するために無理をし、彼の国を平定するために全ての心血を注いだこの半年間、彼は全ての時間、全ての優しさ、全ての没頭を、こんな女(族群の責任を捨てた...)、自分勝手な秘境の裏切り者に注いでいたのだ!
刺すような酸楚と灼熱の怒りが私の胸腔で狂ったように衝突し、ほとんど破裂しそうだった。しかし私はただ背筋をピンと伸ばし、全ての感情を目の中の最深部に押し殺した。
唇が震えないように強く噛みしめながら、冷たい笑みだけが私の顔に深く刻まれていった。
***
東宮でのあの光景は、毒を塗った氷の棘のように、私の心の奥深くに刺さり、息をするたびに鈍い痛みを伴った。
大使館に戻るなり、私は奥の静室にこもり、完全に結界をかけた。
ここは強力な結界が張られ、外界の喧噪を一切遮断している。
室内は幻術によって召喚秘境で、私が最も慣れ親しんだ景色が再現されていた。
模擬の陽光は暖かく柔らかく、柔らかな緑の草地が広がり、その上には乳白色の、柔らかな光を放つ小さな花が星々のように咲き誇っている。空気には、私が幼い頃から慣れ親しんだ、清らかで甘い草木の香りが漂っていた。
だが、その懐かしい香りさえも、今の私には虚ろに感じられた。
私はここが、傷を舐めるための安心の巣になるとかつては思っていた。
しかし今、秘境のような静けさも、私の沸き立つ感情を鎮めることはできなかった。
レオンとリディアの親密で隔てのない姿が、まるで映画のように目の前で繰り返しよみがえった。
彼が彼女を見る時の眼差し、彼が彼女に話す口調、その十年間、私が一度も手にしたことのない、完全な没頭と寵愛……
それがまるで焼けた刃のように、何度も私の神経を切り刻んでいく。
「殿下……」
結界の外から侍女の注意深くした声が聞こえた。
「東宮からまたお呼びがかかっております。王太子殿下が夕食をご一緒にとおっしゃっていまして」
「断れ」
結界越しの私の声は冷たく硬く、まったく揺らぎもない。
一日また一日。今日は夕食、明日は花見、明後日は曲聴きと。理由は様々に変化して誘いは途切れない。
そしてついに、ある日、届いたのは招待ではなく、伝言だった。
「殿下がおっしゃるには、白雪峰頂上の雪蓮が開花したと。そして……昔の約束を覚えていますか、と。殿下は頂上でお待ちです。もしおいでにならなければ、千年雪蓮が散るまでずっと待たれる、と」
千年雪蓮……約束……
私の心はぐっと締め付けられ、微かな酸っぱい痛みが広がった。
そうだ、何年も前にこの白雪峰で、まだ幼かったレオンが、絶壁に風に揺られる雪蓮を指さし、私の手を握って誓った。
「アリシア、この人生で我レオンはお前とだけこの雪蓮の景色を共にしたい。お前ただ一人だけだと」
少年の灼熱の言葉が今も耳元に残っているが、今聞くと、冷たい冗談のように荒唐に思える。
彼は昔の思い出で私を縛ろうとしているのか? それとも、私は相変わらず、彼の出まかせの甘い言葉や、少しばかりの弱みを見せれば簡単に心を許すバカな娘だと思われているのか?
私はいつも通り返事をしなかった。ただ静かに草地に座り、膝を抱え、魔法で造り出された「陽光」が私の体に降り注ぐままに任せ、少しの温かさも感じられなかった。
ドン!
という轟音がして、静室の結界が強大で慣れ親しんだ力によって強制的に破られた!
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