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わたくしが主人公ですわ!! 〜悪役令嬢に転生したけど本人の勘違いが止まらない!?〜  作者: ユルム


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3/10

主人公、婚約者と顔合わせをしますわ!

 王城の応接間は、昼の光を受けて白く輝いていた。

 大きな窓、磨き上げられた床、壁には王家の紋章

 そして中央には、二つの家が向かい合う形で座っている。


 ヴァルローズ公爵家と、王家。


 つまり__


(ついに来ましたわね。最初のイベント。)


 レティシア・ヴァルローズは背筋を伸ばして椅子に座っていた。まだ幼い体だが、姿勢だけは完璧である。


 隣には父と母、向かいには国王と王妃。


 そして、その横に座っている少年。


(あれが王太子。)


 金の髪に、透き通るような碧眼。

 まだ子供のはずなのに、不思議な落ち着きがある。

 まるで小さな王のようだ。


(ゲームの立ち絵そのままですわね。)


 レティシアは内心感動していた。

 画面越しではなく、実物。


 しかもこのイベントは__


(婚約フラグ。)


 ここで好印象を取るのが王道ルートの第一歩。

 主人公としては外せない。


 そんなことを考えていると、国王が穏やかに口を開いた。


「では二人で少し話してみるといい」


 そう言って、大人達は別の部屋に移った。


 静かな空間。

 向かい合う子供二人。




 __イベント開始。


 レティシアは優雅に立ち上がり、ドレスの裾を軽く持ち上げた。


「初めまして。レティシア・ヴァルローズと申します。」


 完璧なカーテシー。

 貴族令嬢として教科書のような礼だ。


 顔を上げると、王太子がじっとこちらを見ていた。



(あら?)


 レティシアは内心で首を傾げる。


 王太子は驚いたような顔をしていた

 予想外だったのだろうか。


 だがすぐに少年は姿勢を正した。


「アルベルト・リリウムだ。」


 短く名乗る。

 少しぶっきらぼう。


(たしか、王太子は王道キラキラ王子様タイプで誰にでも優しいキャラのはず。緊張しているのかしら?)


 それならば、その緊張をほぐすのも主人公の務めだろう

 ゲームの記憶が曖昧でも、こういう時にどうすれば良いかは分かる



 レティシアは柔らかく微笑んだ。


「お会いできて光栄ですわ、王太子殿下。」


 その瞬間。


 王太子の耳が、ほんの少し赤くなった。


(……あら?)


 レティシアは少し不思議に思う。

 特別なことは言っていない。

 ただ礼儀正しく挨拶しただけだ。


 しかし王太子は視線を逸らした。


 少し考えてから、ぽつりと言う。


「……その。」


「はい?」


「令嬢は……思っていたのと違うな。」


 レティシアは瞬きをした。


(思っていたのと違う?)


 ゲームの主人公的に、ここはどう返すべきか。


 主人公であれば気になったことは素直に聞くだろう

 レティシアは首を少し傾げた。


「それは、良い意味でしょうか?」


 にこり。


 王太子は一瞬言葉に詰まる。

 そして小さく頷いた。


「……ああ。」


 その目は、先ほどよりずっと真剣だった。


「もっと……怖い人かと思っていたよ。」


「まあ。」


 レティシアは目を丸くする。


(誰ですの、そんな噂を流したの。)


 まあ、だが怒るほどでもない。


 むしろこれは__


(ギャップイベント。)


 乙女ゲームでは定番だ。


 悪い印象→実際は違う→好感度上昇。


 レティシアは楽しそうに微笑んだ。


「それは残念ですわね。」


「?」


「怖い方がよろしかった?」


 王太子は即座に首を横に振った。


「違う!」


 声が少し大きくなり、少年は慌てて口を閉じる。

 そして、少し恥ずかしそうに言った。


「……今の方がいい。」


 その言葉は、とても小さかった。


 けれど…

 レティシアは聞き逃さなかった。


(ほら。やっぱり、わたくしは主人公ですわ)


 レティシアは満足げに微笑む。

 ゲームの記憶は曖昧でも、物語の流れは理解している。


 出会い。

 印象。

 好感度。


 今、確実に。


(好感度、上がりましたわね。)


 レティシアは優雅に言った。


「では殿下。」


「?」


「これからよろしくお願いいたします。」


 王太子は一瞬だけレティシアを見つめ。


 そして、ゆっくりと頷いた。


「……ああ。」


 その視線は。


 目を離せないものを見るようだった。



今後の話の流れがどうなるか分からないので2話の攻略対象の設定変更しました。

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