晴天の下の処刑台
まるで世界の上半分が別世界のような晴天
視界がかすみ身体も思い通りに動かせない
しかし体の感触が伝えてくれる
暖かい春風が舞い、冷え切った私の体を包む
こんな素晴らしい景色の前ならば……
「いや、何も良くない。」
情景に浸っていたが現実逃避もいいところ
おそらく精神系統の魔法で思考制御されていたのだろう…
しかし…、処刑台の上で縛られたうえ、首に銀の剣を当てられているこの状況、どうやって抜け出そうか
吸血鬼である私ならばこんな小さな紐ぐらい引きちぎれるのだが……、不壊魔法が刻まれており、なお弱った今の私では千切れないようだ
身体に力を入れているが…流石国家公認の魔術師がかけた魔法だ、力任せでは千切れない…
なんとかしようと足掻いていたが遂に処刑の時間が来たようだ
鋼に銀、金にダイヤなど見てるだけで眩しいしガチャガチャうるさい鎧をまとった騎士が私に近づいて話しかけてきた
奴は騎士ゾルアス、権力も力も全部親譲りのクズだ
私が持つ特別な力を欲しがっているらしい
「また会ったな…吸血鬼の末裔ルナ・ロード!!!、そして闇を司る一族の末裔。お前に最後のチャンスをやろう。」
「最後のチャンス…?、そんなのこっちから願い下げだね」
ルナは騎士を思いっきり睨んだ
「おぉおぉ、そんなに睨むなよ。 俺はお前に取引をしに来た、しかも好条件! 住む場所も食事も欲しいものも金で買えるものなら何でもあげよう!」
「何度も言うが"この力"は渡さないと前も前々も言ったよな…?、取引を拒んだ私を処刑台に乗せるようなグズにこの吸血鬼である私がOKと安々言うとでも思ったか!?、権力で成り上がっただけの坊ちゃんだから金でしか物事進めれないんだろうなぁ、な?」
騎士は一瞬腰の剣に手をかけたが心を落ち着かせもう一度言う
「いいか、これが本当に最後のチャンスだ。お前のその闇の一族の力を我々に寄越せ」
「ヤダと言ったら…?」
「殺して奪う」
「そうか…、じゃあ殺られる前に殺らねばなッ!」
ルナが羽を広げ銀の剣を持つ執行者を弾き飛ばし、騎士の首をつかんだ
「国家魔術師の拘束魔法だぞ!?」
「長ったらしい無駄話をするからだな!」
騎士の顔面に思いっきり拳を食らわせ顎に蹴りをくらわせ遠くに飛ばした
「こっ……殺せぇっっ!!! 殺してあの力を奪い取れぇぇ!!!!」
騎士ゾルアスは兵士に向かって叫びそれと同時に兵士達が槍を持ってこちらに突進してきた
「血戦術、血双剣!!」
血を消費してそれ相応の武器を作り出す吸血鬼特有の能力、こいつらにはこれぐらいがお似合いだろう
アレが来るまではしばらくこいつで時間を稼ぐしかない
血双剣で兵士を斬り伏せていく
一般兵士ならどうってことないのだが…
そろそろ騎士ゾルアスが立ち上がる頃だ
あいつとは今まで何回も戦ってるから分かる…、今の状況においてはあいつと戦うのは好ましくはない
もう少し…、あと少し時間さえ稼げれば…!
「ルナ…ロードォォオ!!!!力尽くでもその力を奪い取ってみせるからなぁッッ!!!」
ゾルアスが剣に力を込めると剣が金色に輝き強い光をまとった
眩しさで一瞬目を瞑って、目を空けた瞬間
「「わッ!!!」」
ゾルアスが目の前で剣を振るっていた
なんとか耳を片方かすっただけで済んだが後ろの景色を見るといかに自分がどんな状況かを理解した
彼の瞬間移動もヤバいのだがそれ以上に剣一振りで私の後ろの地面が割れ天変地異でも起きたかのようだった
「ッッッ!!!」
反動で動けなくなっているゾルアスを羽で突き刺し下へ叩き落とした
油断しすぎていた
前までの彼ならばこんな力も素早さもない
後あの金の剣は隣の国の勇者の剣だったはずだ…
まさか…な…?
気を取り直そう
いや今は考え事をする時ではない
そろそろ"アレ"がくる!
「こっち!、こっちだ!!」
轟音と共に遠くから飛んできた何かがルナの腕に巻き付いた
説明や文章がまだ書き慣れていないので読みにくい部分もあるかもですが、もし気に入っていただけたのならこの作品を共によろしくお願いします。




