心の傷
夜景がすごく綺麗な丘の上、空を見上げると星が1つのカップルの告白を静かに見守っているように、かがやいている。後藤忠は、恋人の阿部沙織に告白しようと丘の上へやって来た。
忠は緊張しながらも、心の内に秘めた想いを伝える決意を固めていた。愛車のZC33Sスイフトスポーツに寄りかかりながら、沙織の到着を待っていた。スポーツカーのエンジンの鼓動が、忠の高鳴る心臓と共鳴しているように感じられた。
やがて、沙織が現れた。柔らかな微笑みを浮かべ、忠に向かって歩いてくる姿は、まるで夜空の星が地上に降り立ったかのようだった。忠は深呼吸をし、心の中で自分に言い聞かせた。「今がその時だ」と。
「沙織、僕は君に伝えたいことがあるんだ」
と、忠は震える声で言った。沙織は驚いた表情で忠を見つめ、次の言葉を待った。
「僕は君のことが好きなんだ。ずっと前から、君のことを…」
しかし、忠の告白が終わる前に、沙織は悲しそうな顔をして口を開いた。
「ごめんなさい、忠君。私も君のことは大好きだけど、実は他に好きな人がいるの。」
その言葉は、忠の心に鋭い刃を突き立てたかのような衝撃を与えた。彼は何も言えず、ただその場に立ち尽くしていた。沙織は涙を浮かべながら「本当にごめんね」と言い残し、その場を去った。
忠は一人、夜空を見上げ、星々の光がぼやけるのを感じた。心の中の痛みは、彼を深く傷つけ、絶望の淵へと追いやった。しかし、その時、彼の傍にある愛車のZC33Sスイフトスポーツの存在が、彼に少しの慰めを与えていた。
「君だけが、僕のそばにいてくれるんだな…」
忠はそう呟きながら、車のハンドルを握りしめた。エンジンの鼓動が、彼の心の傷を少しずつ癒してくれるように感じた。
これが、後藤忠と彼の愛車との特別な関係の始まりだった。




