政治の話を「タブー」にしないためには?
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
昭和40年ぐらいから、
「政治・宗教・野球の話はするな」
と言うタブーがあるようです。
これら3つを話題にしてしまうと、相手との関係がこじれてしまうと言ったジンクスが浸透しているという事でしょう。
今回はそのうちの3大タブーの一つ「政治」の話題をどうやれば広げていけるかについて僕の意見を述べていこうと思います。
僕はちなみにどれにも興味があり、日々研究しているわけなんですが(笑)。
◇政治の話をすることの意義
質問者:
そもそもの話なんですけど、政治の話がタブーなら敢えてする必要はないのではないでしょうか?
人間関係が悪化するリスクがあるのでしたら、わざわざするメリットは無いんじゃないでしょうか……。
筆者:
少し古いですが、キム教授らは1996年に全米で調査を行い、政治についての一般的な会話が政治参加を促進させたという研究がります。
ワイアット教授らは2000年に米国人がどれだけ自由に、またどの程度政治を語るのかを検討したところ、政治の会話量が意見の質や参加に正の相関を持つことを明らかにしています。
つまり、日頃からの会話を行う事によって政治の参画に繋がり投票率の向上にもなるということです。
◇どうして日本では特に「タブー」になってしまっているのか?
質問者:
確かに日常的に議論そのものをしなければ投票行動に突如として移そうとは思いませんよね……。
筆者:
先進国全体の傾向ではあるのですが、どうにも若者世代の投票率は低いようです。
しかし、日本においてはとりわけ投票率が低く、大体全年齢において5%~10%ずつぐらい低い印象です。
ある調査では日常会話で政治を話題にしたり、議論したりする頻度について、「まったくない」が46%とあります。
欧米では過程では6歳から政治の話をすると言ったこともあるようで、
やはり“日本にしかない何か”が会話をすることすら阻害する要因として立ちはだかっていると言えるでしょう。
質問者:
いったいどういった要因があるのでしょうか……。
筆者:
ここで僕が注目しておきたいことは「積極的に選挙について活動をしている人」は誰なのか? という事についてです。
皆さんのお宅には○○党に投票してくださいみたいな電話や戸別訪問で一番精力的に活動をしている政党ってどこだと思いますか?
質問者:
いや、分からないですけど……。
筆者:
正確に言うと、具体的な数は分からないんですが、
僕は総務省の発表している党員数(令和5年10月1日現在)と議員数で比較しようと思います。
自民党が112万人(当時衆参合わせて377人)に対して公明党45万人(衆参で59人)、共産党26万人(衆参で21人)となっています。
この2党は一定規模がある中では議席数比率で見ても自民党と比べても多いんですね。
いったいどこから電話番号のリストが流出しているのか分かりませんが、
僕のところにはこの「3強」から国政選挙になると「小選挙区は○○さんをよろしくお願いします」、「比例代表は××党で!」と言った感じで、電話がよくかかってくるんです。
タイムリーですが本日、近くのS学会に所属している方から「投票のお願い」されましたね。その情熱にはいつもながら感心させられます(入れませんけど)。
※ちなみに3強以外は立憲民主党が11万人(衆参133人)、日本維新の会4万7千人(衆参61人)などとなっています。
質問者:
公明党さんと共産党さんは議席数の割にはやる気のある方が多いから、「連携しよう」という話が大政党からあるという事なんですね……。
筆者:
しかも、この2党は自分たちが嫌われていると「半ば分かっていそう」なのにもかかわらず果敢に諦めずに電話攻勢を仕掛けてくるんですよ。
更に積極的に関わってこようとする人たちが多い公明党、共産党は「賛否が分かれる」感じです。
つまり、政治の話をしようとすると、
「アッ! コイツは公明党か共産党の関係者!?」
という感じに警戒されてしまうリスクがあるわけなんです。
ちなみに、僕は周囲に政治の話をしてどちらにも勘違いされたことがあったという多彩な経験を持っています(僕はむしろ反共でS学会の人に対して嫌悪があります)。
何とか誤解は解けましたけどね(笑)。
◇「真の政治のタブー」と思えること
質問者:
(筆者さんも2党に負けず果敢だなぁ……)
なるほど、特に公明党さんは3大タブーの「もう一つ」も内包していると思われがちですしね……。
でも、これじゃぁ中々政治の話できないじゃないですか?
どうしたらいいんでしょう……。
筆者:
相手の思想が分からない前提だと、「対立して炎上しそうな話題」と言うのを避けた方が良いように思います。
特に「右翼」や「左翼」と言われる部類の方々が強く主張している内容については話題にしない方が良いでしょう。
特にご皇室、ナショナリズム、人権問題、憲法9条などの話題については避けた方が良いでしょうね。
意見の相違について当事者の一方または両方が「私は正しい!」「あなたは間違っている!」という戦いだと認識してしまいますと、相手を「論破」するまで永遠と戦いが続き、関係が破滅してしまうからです。
※相手が気分を良くして「思想」を語りだしたら絶対に否定してはいけないです。自分と違った場合はひたすら聞き役に徹することが大事でしょう。
質問者:
確かにそれらについて熱く語られる方はイデオロギー色が強い方な気がしますね……。
筆者:
イデオロギー間の問題になっている事項はどれもとても大事ではあるのですが、
まずは一致結束して政府の行っている経済対策における過ちについて指摘していかないと、日々の生活が立ち行かなくなるんですね。
「命あっての物種」や「衣食足りて礼節を知る」と言った言葉があるように、
このままだと普通の生活すら成り立たない人が増えていきますよ。
国側としては国民に思想対立をしてもらって政府批判をさせないための作戦では無いのかな? と僕は考えます。
イデオロギーについての議論は、経済政策をきちんとしてからでも遅くは無いと僕は考えています。
◇万能な「経済政策」
質問者:
そうなると、どんな話題が適しているのでしょうか?
筆者:
やはり、経済政策だと思います。
特に政府自民党は「財政法4条」と「PB黒字化目標」と言う税収で全ての支出を賄おうという言わば「ケチ」なわけです。
この「ケチ」であることは、増税や社会保障の増加と年金の減少、日本の30年の停滞、貧富の差の拡大、良い未来を描けない根本原因であると僕は考えています。
僕が経済政策を中心に語りまくっているのは分かりやすいですし、生活の困窮と格差社会はほとんどの特権階級以外においては全国民共通だからと言うのもあります。
イデオロギーの時の話とは逆で「あなたの味方」若しくは「同じ立場ですよ」と暗に主張していくことが大事になるのです。
※逆に経済政策以外の話をするときはなるべく多くの方に納得してもらうために、ちょっと注意して発言しなくてはいけないという事です。
質問者:
確かに、お金をどれぐらい持っているかどうかは思想・信条とはあまり関係ありませんよね……。
しかし、どんな感じで話始めればいいのでしょうか?
筆者:
例えば日常的に「物価が高くなったねぇ」や「給料最近上がってる?」
などの切り口です。
そこから消費税や社会保険料の問題に結び付けていくのです。
基本的に政策にはお金が関わるのでそこから政策に繋げると良いと思います。
質問者:
一般の方でそんなに好調な方はいなさそうですから、
そう言う切り口で広げていくんですね……。
◇投票率を上げるための地道な活動
筆者:
ちなみに今回投票率に関しては横ばいぐらいだと予想しています。
総務省によりますと現時点の期日前の投票率については、
『16日から20日までの5日間に、有権者の4.48%に当たる計467万1503人が期日前投票を終えたと発表した。前回2021年衆院選の同時期の投票者数は566万6485人で17.56%減』
であるとしています。
これは急遽選挙のために投票用紙の発送遅れ、期日前投票所を確保できないと言った要素があるようです。
ある意味与党からすると奇襲解散の「恩恵」があると言えますね。
質問者:
え……それで横ばいまでになるんですか?
筆者:
現在選挙日の当日は日本列島全体が「曇り」であることから、一番選挙の投票率としては高くなる見込みのある天気だと言えるのです。
(晴れだとレジャー日和りとなり投票率が下がります。雨だと外出したくなくなるため微妙な塩梅が大事になるようです)
ただ、令和3年10月に行われた第49回衆議院議員総選挙の投票率55.93%、令和4年7月に行われた第26回参議院議員通常選挙の投票率52.05%と比べてそこまで高くなるとも思えません。
組織票の効果を軽減させるためには最低でも60%必要だと思いますのでここを目標にした方が良いですね。
質問者:
そのためには今からでも遅くないので政治の話を家族や友人の方にしていく必要があるという事ですか?
筆者:
僕は基本的に犯罪行為だったり、倫理に違反したり、誹謗中傷したりしていなければ自由に発信していいと思うんですよ。
政治の話をすることは特に悪いことでもないのに、何か「空気」を読んで自ら自制してしまうという環境を崩していくことが大事だと思います。
兎に角少しでも日本の政治の問題に気づいた人から行動しなくては更にこの国はダメになってしまうでしょうね。
質問者:
しかし政治の話をすることは、無理強いはしないですよね……?
筆者:
勿論できる範囲内で構いませんし、話を聞いてくれなさそうな方に対してわざわざ話をする必要もありません。
ですが、政治の話をタブー視しているこの「日本の空気感」に対して斬りこんでいかなければ打開することが出来ないと考えたまでです。
という事でここまでご覧いただいてありがとうございました。
今回は日本独特の政治の話に対するタブー感は「積極的に政治活動している人たち」が過激すぎることが原因なのでは? ということ。
政治の話を身近にするためにはイデオロギーの話は危険で、経済政策についての話題が万能であるという事をお伝えしました。
今後もこのような政治・経済について個人的な解説をしていきますのでどうぞご覧ください。