梅田のキャバクラにて② 梅田、ミナミ界隈の動きについて探る
ノブはアイの話も聞いていく。俺がネタを提供して笑わせているだけじゃキャバクラを
楽しんでいるとはいえん。そこにはノブなりのイズムがある。キャバクラの楽しみ方
にも色々ある。美人との湾内と狙い、お触りや下品な話の場、愚痴やしょうもない
話を聞いてもらう場などなど。ワンナイト以外は経験済のノブにとって更なる楽しみ
とは、嬢の話の中にゴシップの種があるかを探すこと、事件簿等、週刊文春よりも
攻めた新鮮なネタを隠れ家で楽しむことだと考えている。
「業務もコロナで大幅減やから私が働いているとことかはバッタリなのよー。
週1勤務でいいからその代わりに賃金は6割って感じ。それじゃ生活できないから
実家に帰る子や出向先で働く子も多いわ。あとはうちらみたいに会社で内緒で
キャバクラやクラブで働く感じかなー。私も夜はミナミで、昼は時間空いているから
ここでダラダラ働く感じかなーメインは夜やから、同伴結構してるよ。先月は同伴
13本したかなー。」やばい、本業より余裕で稼いでやがる。月100万稼いでるって
言ってたもんなー。アイ程したたかに稼ぐ嬢はそれほど多くないにしても、これが現状
なのだろうと思う。キャバクラやクラブで働いてもうまくいかない人は風俗でも働いて
いるのでは?と思う。別の嬢とその話をしたら、「やっぱり美人でもキャバ嬢なら」
しゃべれないとねー」という話だったし、当たらずとも遠からずという感じかと思う。
アイとノブの会話には、好きなタイプは?とかどこに行きたい?という会話が少ない。
むしろ、キャバ嬢の入れ替わり状況、時給や待遇、各地域の客の出入りや客層の変化
について細かく話をする。
キャバクラ・風俗の需給関係はコロナ禍で大きく変わったのはノブにもわかる。
男性側優位に動いている。ただ、先方にもプライドや諸事情があるので大幅値引き
で色々お願いを聞いてくれるわけではない。
そこで、店ごとの混雑状況や時給、お茶を引いている時の最低自給の情報が役に立つ。
それらをシミュレーションした上で店外交渉や同伴の際、カラオケでお触りさせて
くれるかなどの交渉をするのである。
それとは別に、他の嬢と話す際も、現状に不満を持っているケースが多い。店内の
人間関係や客の少なさによる待機問題。あとはクレーム客の対応に心を痛めている
嬢も多い。そのような時に他の店舗状況や雰囲気などを話しながら相談に乗ると
話を聞いてもらい易いことをノブは経験値から知っているので新鮮な情報は
欠かせないのである。
「最近の梅田東通りの客層や緊急事態前後の人の流れやキャバクラへの流れは
どうなん?あとミナミについても知りたいなー。」「そうやねー。最近は・・・」
飲み干した黒霧島の水割りのおかわりをマドラーで混ぜながらアイは話し始める
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