梅田のキャバクラにて ~指名嬢アイとのやり取り~
エレベーターで4階に着くと、いきなり「エース」の看板がある。キャバクラというより
スナックと行った方が適切かもしれないというたたずまいだ。「いらっしゃいませー、
あ、ノブさーん。また来たんー?」なかなかの割合のキャバ嬢が顔見知りのため挨拶も
軽いwww
カウンター8席、BOXで6×2の店内は一目で見渡せるものの、暗めの照明であるため、
雰囲気はいい。隠れ家的で雑多な梅田の街にしては落ち着く感じが好きだ。
「あー、やっぱ来てくれたー」若干の猫撫で声でアイが迎えてくれる。
アイは、元乃木坂の白石麻衣さんを岸和田風にした感じの女性。といえば想像できるだ
ろうか?面白いけど美人のお姉さんだ。あとノブに対してはSっ気を発揮するあと品は
ないなー、ただそれが安い熟女キャバクラにはあっている。そんな気がする。
毎日のようにメールを寄越し、寂しいを連呼される。ノブ自身もそれが誘い文句である
ことは重々承知であるが、指名45分5,000縁という破格の通いやすさに負けて足しげく
通うのである。
更に店長とも仲良くなり、通常の税・サービス料も割引してもらえる破格の待遇に
背中を押されていることも大きい。「他からの誘いは結構きてんねんでー」そう言って
断り文句を吐くのだが、そんなメールは無視されて次の日の朝、おはようという
メールで全てをなかったことにする悪女でもある。
「しゃーなしのワンセットやで」「わかってるって」ノブとアイの入店トークの鉄板だが、
最近ワンセットで帰らせてくれたためしがない。そろそろ厳しめに釘を刺そうと思うの
だが、悪びれない笑顔にやられてしまう。
「ノブさん、ほんとにいろんな店に顔出してるよなー、系列店の子からも連絡くるんで
しょ?」嫉妬なのか財布の中身チェックなのかわからないジャブを入れながら嬢用に
ノブが入れた黒霧島のボトルを片手に黒霧島の水割りを作っていく。
この辺の小慣れている感じが居心地の良さにプラスの作用が働く。
コロナ禍で休業要請があった中、北新地は顧客を持っているキャストのみの出勤、
その他周辺地域も同様の扱いか休業する店が相次いだ。梅田も例外ではなく、大勢の
キャバ嬢が露頭に迷うこととなった。現在も毎日のように面接が行われている店が
ほとんどであることも知っている。
ただそういう店は以前よりも可愛い子や北新地経験者が増えたものの、接客されて
楽しくないなーという野が素朴な感想である。世間で大バッシングを受けたO村
大先生の言葉通り、「不景気には美人がお水・風関係に来るよー」って話が具現化
していると思う。ただキャバクラに関しては、ノブが遊び慣れているだけなのか、
それだけでは足らない、満足できないとなっていた。心身共にぐいぐい食い込んで
来ないから当たり障りない会話に終始して満足度が低い。もしくは北新地経験者の
プライドが邪魔して終始受け身や北新地時代の自慢話となり楽しめないという具合だ。
「連絡は来るけど、通いたくなるほどのアプローチじゃなかったり、値段がいまいち
やったりかなー」そんなことを言いながら薄い黒霧島水割りを流し込む。
「今日も面白い話聞かせてよ!」そんな中、「エース」での時間は進んでいく。
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