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窓際サラリーマンノブの息抜き  作者: 窓際サラリーマンノブ
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東京の片隅での出会い⓸ 店外デート。バーでのやりとり

バーに入ると手前はカウンター8席、奥に4席×2のこじんまりはしているが

充分な広さの店が落ち着いた照明からうかがい知れる。

初めて来たとき、落ち着いた雰囲気もさることながら、ご飯も美味しかったので

何度か通い、いつかだれか連れてきたいと思っていた場所。


東京でデートなんてする余裕なかったなーとしみじみ思いながら、ユキとの

店外デートを内心喜びながら席に着く。彼女がお酒を造る様子を見たいとの

希望からあえてカウンターに座ったが、いいな、横すわり。親近感が湧く。

昔の人も心理学とか考えずこんな構造を考えたのかと感慨深くなる。


さて、メニューをみよかな。やっぱりご飯が充実している。飲み物はラムのロック

と決めていた。ウイスキーは消毒液を呑んでる感じがしてあまり好きになれなかったが、

この甘いのをロックで呑みながら悩み事をしていると頭の中が悩み事がいい感じで

ぐちゃぐちゃになるからいい。

とりあえず肉が食いたい。とりあえず好きなチキン南蛮を頼む。ここのタルタルはゆで卵の

跡が残っていないのが好きだ。タルタルを手作り感出して固形を残す派の店もあるが、

きっちり混ぜ込む方が旨いと思っている。コホン、少々横道にそれた。


自分はラムのロックを呑みながらユキのカクテルのできる様子をを物珍しそうに

見つめているユキを見て内心ドヤる。

ノブ自身まだまだ背伸びしたい年頃なので仕方がないが、ヨレヨレのスーツでは

説得力に欠けるのでは…という考えを微塵も持っていなかった。

ただこうもシチュエーションがそろえば楽しくないわけがない。雰囲気と酒に酔いながら

タドタドしくも口説き気味に話して盛り上げているうちにささやかなショータイムも

終わりを告げる・・・


帰りの電車の中。「すごいいい店やったし、連れて行ってくれてありがとう。」デート

経験の少ないノブにとって最高の誉め言葉だった。デートで割り勘しかしたことが

ない自身にとって、2人分支払う。しかもまあまあいいバーでの支払いは懐が痛む行為

だったが、不思議と嫌な気分ではなかった。いい体験をしたなーと心の中でガッツポーズ

を取りながら小岩へ戻る。

ほろ酔いでバスに乗るのもなんだし、ユキの家もわからない。幸いざっくりとした方向は

同じらしいから、「タクシーで一緒にかえろっか、途中ユキちゃんの家まで送ってから

帰るわー」と提案してみる。

「何から何までありがとう。」ユキのコロコロ笑う表情に癒される。


タクシーに乗り込み後部座席に2人で乗り込むと2人だけのような空間になる。

いいじゃないかタクシー。なかなかエロイぞ。3分ほど車を走らせると繁華街を

通過する。その時ユキから「店の人に見られたらまずいからかがんで」といわれる。

なんだ?店外デート禁止?聞くと同伴や指名を推奨されているからとのこと。

なるほど。今日は棚ボタだなーと思うと同時に脈ありか!?とも感じた。

店を通る際にひょこっと顔を出してみると料金看板が…どれどれ、なに、基本料金が

8,000円!?俺、この店4,000円で兄さん達に案内されているぞ?同伴料ってあるんだ。

何?同伴料20,000円?相場はわからないが高いことだけはノブでもわかる。

逆にユキがそれだけのものを取らずに俺との時間を優先したということは…と手をつなぎ

ながら考えているがドキドキが止まらない。

そんな考えをよそにタクシーは夜道をかけていく。

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