鴨川の河原にて 小休憩
そろそろお時間ですー。店長の声がかり、帰り支度をする。今日はこれくらいで
いいだろう。どうせまた来て来てメッセージが来るのだから。ほどほどに楽しんだな
と思いながら店を出る。
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休日に京都の鴨川の河原で友人タツとダラダラ酒を飲むのがノブの休日のルーティンだ。
鴨川の河原の中でも京都御所付近、神宮丸太町あたりから出町柳までの河原は比較的
整備されていてノブのお気に入りだ。そのあたりのマンション価格の高さから、やはり
税金たくさん払っている地域だからマメに清掃や草刈りをしているのではと適当な
予想をタツとしている。
タツとは大学時代からの友人で、屁理屈も多いがモノの見方が面白いということで、
学校にもあまり来なかったが、個人的にはファンであった。また、うつ病で東京から
関西に戻ってきたとき、友人関係も希薄になる中でむしろ頻繁に散歩や呑みに行く
間柄になり、学生時代より絆が深くなった腐れ縁だ。
季節のいい春や秋は、頻繁に昼から河原で呑んで、夕方から飲み屋に行くのが決まり
である。ここ数年は日本酒にドはまりし、河原町の高島屋で弁当を買い、三条京阪
付近の酒屋で純米大吟醸のうまい酒の4号瓶を買い、河原でいっぱいやっている。
ちなみに最近呑んだ酒は、三重県鈴鹿の「作」の純米大吟醸の中でもさらに珍しい
シリーズだ。4号瓶で2,700円と高額だが、それに見合うだけの絶品の味である。
例えるならメロンのような風味と飲みやすさである。日本で一番吞みやすい日本酒
は山形の十四代シリーズであると認識しているが、それと対抗できるだけのものを
持っているなと感じながらグビグビ呑んでいた。
「なあ、ノブさん、またキャバクラ行ってんの?飽きひんなー。酔ってるから言うけど
ノブさん、男友達として面白いし良い奴やから、そんな金で動く女に入れ込んでほしく
ないわー。なんかいい出会い探しなよー。」いいことを言っているのだが、本人も
マッチングアプリでごちゃごちゃ色んなことをしていることを棚に上げていうもんだから
説得力に欠けるものの、心配してくれている。
「タツさん、俺も結婚相談所で100人以上お見合いして、大して可愛くもない、面白くない
娘とお茶したり呑みに行ったりしたよ。けどまあつまらない。話は受け身やし、主体性は
ないし。思うに俺含め男性も女性も恋愛市場の負け組よ。その両者がうまいこと手をとって
やっていくためにはお互いの歩み寄りが必要なんやけど、まあそんなことしないよ。
コロナ禍でアラサーの女性からのお見合いが増えたけど、その根本の部分は全変わらんね。
そこでヒルトンホテルでお茶すると毎回3,000円かかるし、飲み屋なんか行けば15,000円
から20,000円くらいかかるのよ。それよりも潔くキャバクラで遊んだほうが幸福度は上やわ。」
ノブが偉そうに婚活について演説していると、アイからちょこちょこラインが来る。
「店、暇なんやけどー」「俺は京都の河原で酒飲んでるから忙しいwww」「えー寂しい。
ちょっとだけでも顔出してよー」「嫌やわ京都から大阪戻るのめんどくさいし。またねー。」
「ほんまノブさん忙しいなー」タツは呆れている。
「風俗なら百歩譲ってはまるのはわかるけど、なんでキャバクラにはまってるん?俺は
マッチングアプリでこちょこちょしてるけどキャバクラにはまる感覚がわからんわ。」
そういえばどこからキャバクラに行き始めたっけ?鴨川のサギやトンビがのんびり飛んでいる
中、少し思い返してみる。
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