29.吸血鬼さん、淫らな王女にしてあげる。
仮眠を取るつもりが、爆睡になってしまいました。2~3時間くらいの睡眠で済ませ、出来ればお昼には投稿するつもりだったのですが……。(´;ω;`)
「――あひゃあ⁉」
俺が軽く頬に触れると、変な声を上げながらドラティアは覚醒した。ミミの【支援の勇者】の効果がしっかり出ているのが分かる。
「ぁ、はぁ……はぁ……こ、ここは一体どこですの?」
ドラティアは辺りをきょろきょろと見回し、地下室であること認識するとごくりと唾を呑み込んだ。そして、ティティを見据える。
「ミーア……一体どういうことですの⁉ そこの二人も一体誰ですの⁉」
予想通りに俺のことは覚えていないようだ。
それと、ダークエルフに”疑似転生”してしまった容姿のせいで、ミミの正体についても気づいてはいないらしい。
顔を良く見れば「あっ」となるかも知れないが、暗い地下室を照らす明かりは蝋燭の火だけだ。恐らく気づかないままだろうな。
まぁそれはともあれだ。
「さて、ドラティア。どうやら、君は俺のことを覚えていないようだね」
「は、はぁ? 分かりませんわ。あなたみたいな――」
「――思い出させるのは、まぁ良いか。そこまで楽しむ時間も無いからね」
俺はドラティアの首筋を撫でる。すると、ドラティアは一瞬白目を剥いた。
「あひゃっ……くっ……な、なんですの今のは……痺れるような凄い感覚がっ……へ、変な薬でも飲ませましたわね⁉ ミーア‼ お願いミーア助けて下さいまし‼」
縋るようにして、ドラティアはティティに懇願する。だが、ティティは冷たい視線で一瞥するだけだ。
「ミーア……一体なぜ……」
「そこの女はミーアではないよ。ティティと言うんだ」
「一体ミーアに何を――」
「――そんなことよりも、楽しいことをしようか」
俺はドラティアに触れる。すると、それだけでドラティアはびくびくと痙攣し出した。
「あひっ、あひっ……」
変な所はどこも触っていない。本当だ。顎を指でなぞってやっただけに過ぎないのだが、それでもこれだ。
「とんだ変態王女だ」
「お、王女の私にこ、こんなことをして、許されると、でも……」
「そんな見栄なんて張らず、王女なのにみっともない顔にすぐになってしまう自分を受け入れたらどうかな?」
「ま、負けませんわ。……私は絶対に屈しませんわ。朝まで耐えれば、城の者が私を探し始めます。それが貴様の終わりですわ。……負けているのは貴様ですっ」
どうやら耐えるつもりのようだ。
理解して言ってるわけではないのだろうが、まぁ、ドラティアの言うことにも一理はある。仮に朝まで耐えることが出来たのならば、それは実質上の俺の負けなのは確かだ。
記憶を吸って眷属にしても、ドラティアに対しての復讐は思う通りでは無かったということになるのだから。
しかし、残念なことにドラティアの持つ希望は既に消え失せている。ミミの【支援の勇者】で限界まで支援されているのだから、耐えられるハズが無いのだ。
「時間との勝負というわけだ。……では、朝まで耐え切ることが出来るか、試して見ることにしよう」
これは勝利が確定した遊びであるので、気づけば俺は下卑た笑顔になっていた。
「このゲス野郎がっですわっ!」
ドラティアはぽろぽろと涙を流しながら、歯を食いしばって耐える準備をしている。そうこなくては面白くない。
だが……それにしてもゲス野郎とは心外である。それは俺ではなく勇者たちにこそ相応しい言葉だ。
「まったく口の悪い王女だね。少し乱暴にやって立場を分からせてあげようか」
「う、ぅぅぅ……せ……せめて、最初だけは優しく……お願いしますですわ」
「うん?」
「と、殿方にこういうことをされるのは、初めてなんですの。だから、せめて一番最初だけは優しく……」
予想はしていたが、やはりドラティアも男を知らなかったようだ。俺は一体何回連続で処女を引き当てるのだろうか?
なんとも言えない気分にはなるが、しかし初物はいつだって歓迎だ。
最初の男という記念が俺であり、それは一生事実として付いて回る。記憶を失おうがその真実が変わることはない。
それだけで優越を感じることが出来るというものである。
さて、それで本人の希望は”優しく”であるようだが――そんなお願い俺が聞くわけがない。むしろここは逆に激しくやるべきだな。
※
屈しない、負けないと随分と威勢が良かったドラティアだが、一時間も経たないうちにあっさりと快感には逆らえなくなっていた。
初っ端から俺はかなり乱暴にしたが、それさえも快感に置き換わり、容赦なくドラティアの正気を奪っていったのだ。
休憩の為にドラティアから離れていた俺は、言葉で改めて問いかけた。
「さて、自らが牝だということを理解したかな?」
「はひっ……も、もう私は牝ですっ。ただの牝ですからっ、だから、もっと……」
「なんて淫らな王女なんだ」
「ぁあぁ……私は淫らでおかしい王女なんですのぉ……いいえ王女ではなく豚ですぅ……ぶひぶひぃ!」
もう俺は何もしていないのだが、人はここまで見事な牝の顔が出来るのかと驚いてしまうくらいに、ドラティアの顔は凄いことになっていた。
一部始終を横で見せていたティティとミミがドン引きしている。
確かにこういう風になって貰う予定ではあったが、実際に目の当たりにすると正直俺も少し引き気味だ。
一応まだ時間は残っているが、早めに眷属化させて終わりにしようか。このまま再開などしたら、俺の体の方が持たなくなる。
というわけで――俺はドラティアの記憶を吸うことにした。
ちうちう、ちうちう。
暖かい感想を頂いております。体調を心配して下さり、本当にありがとうございます。三連休なのでここが頑張り所だと思って少し無茶をしておりました。(´;ω;`)




