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27.吸血鬼さん、勇者ドラティアを誘拐する。

本日4回目の更新です。

※、今回27話は前半がマオのスキルについてで、中盤から話が進んでえちえちになりますので、スキルに興味が無い方は前半は飛ばして頂いても構いません。

 取り合えず、”逆流”を使って全員のレベルを一旦110前後まで上げてから、少しずつ微調整して足しつつ120ジャストになるようにした。


 ティティとミミのスキルについては、各レベル帯での効果を記憶から得ているので既に把握している。だから驚きは無い。


 色々と考える所があったのは、事前情報が無いマオのスキル”魔王”だ。様々な使い方があり、分かりやすそうなものを挙げてみると次のような感じだ。



 ――相手の力量等に左右されず、確実に偽った自分を見せられる”魔王の威厳”。


 ――自身のレベル1/3以下の存在に強制的に命令を下せる”魔王による大命”。


 ――体力や怪我を自動で回復させる”沈まぬ魔王”。


 ――事前に自身に掛けることで、指定した効果を拒絶出来る”先見ある魔王”。



 等々であり、もちろん未来予知に関するものもあった。


 半年先までの未来を視ることが出来る、”魔王に許された権利”という使い方だ。


 もっとも、これは再使用までに二カ月ほどの待機時間が必要であり、俺が見立てていた通りに厳しい制限がある。


 頻繁に使える類のものでは無く、また戦いながら使うことも無理そうな代物だ。


 それと、疑似転生についてなのだが、まだレベルが足りないのかそれを思わせるような使い方が出て来なかった。ついでに誘拐に使えそうな使い方も。


 まぁだが、それらを差し引いても強力なスキルであるとは言える。耐性や補助に関する値も高いようで、ハッキリ言って反則臭い。


 勇者のスキルに勝るとも劣らない凶悪さだ。


 とはいえ、いくら凄くとも、その内容的に俺としては使い道に困るスキルでもあるが。


 何かの組織を作ったりするのならば、”魔王による大命”等で統率を取ることで大活躍するだろうが、今のところ俺はそういうものを作る予定が無い。


 この他にも部下と認定した相手を支援するような使い方もあり、ミミの【支援の勇者】と組み合わせれば極悪な軍団が出来そうだが、そんなものを作ってどうするんだという話である。


 戦争でもするのであれば別だが、俺は別に世界に終焉をもたらす気は無いし、破滅願望があったりもしない。


 精々使えるのは未来予知くらいだろうが……二カ月に一度しか使えないからな。時と場合を吟味する必要がある。


 取り合えず、俺の眷属になる少し前に使っていたようで、今すぐの使用は不可状態であった。





 さて、そうこうしているうちにムーンディアに到着した。


 俺はまず、ドラティアと楽しむ為の場所を確保する為に、街はずれの誰も使っていない地下室付きの家を二週間ほど借りる事にした。


 前金を払い終え家に入り、一旦荷物の整理する。それから、矢継ぎ早に三人にドラティア誘拐作戦を伝えて行く。


 ミミの【支援の勇者】の効果でスキルを倍に強化したティティを王宮に侵入させ、こっそりと攫って来て貰う、と。


 もちろん別人を攫ってくるわけには行かないので、きちんとドラティアの容姿の特徴や口調などは教えた。


 あとはなるようになるし、ティティを向かわせるのであれば、恐らく自ら「自分がドラティアだ」と反応を示してくれるだろうから発見は容易だ。


 今までの勇者たちの反応を見る限り、俺のことは覚えていないだろうが、ティティの顔は記憶している可能性が高いからな。


 だから俺は、「ドラティアにはティティと良く似た知人がいる。だから、ティティの顔を見たら間違いなく反応するハズだ」というのもきちんと伝えた。


 これで準備は万全であり、善は急げという言葉もあるので、俺は今夜早速決行して貰うことにした。すると、ティティが「念のために王宮に忍び込む前に私にご寵愛をください」と言って来る。


 今日は本当はミミの番であったのだが、どうにもティティは真剣な表情だ。


 何か理由があるのだろうと思った俺は、ミミのご奉仕を受ける前にこっそりとティティを可愛がってやることにした。


 具体的には地下室の様子をティティと見に行くと言って、そこで望み通りにしてあげたのである。音が漏れることも無いので思う存分に激しく。


 行為を終えると、ティティは顔を真っ赤にして息切れを起こし始める。


「はぁ……はぁ……ありがとう……ございます……旦那さま……」


 本当にこれで大丈夫なのだろうか、と一瞬だけ不安にはなったものの、その表情はとても穏やかで落ち着いている。


 俺の寵愛によって大きな満足感と安心感を得たようで、小さなミスも見逃さない落ち着きを獲得したようだ。


 なるほど、念の為とはこういう事か。





 ミミのスキルで支援を受けたティティを見送った後は、今度はもともとの予定通りにミミのご奉仕を受けることになった。


 少しばかり疲労があると伝え、しっかりご奉仕を受けられるように俺自身にも支援を掛けて貰いつつ、たっぷりと愛して愛して愛してやることにした。


 やはりミミのスキルの効果は良い。ご奉仕が終わるとミミはぐったりと倒れ込んだが、俺はまだまだ元気だ。


 だが、無理に俺が疲れるまで相手はさせない。残っている余力はティティが連れて来るドラティアの為にとっておく。


「今日のご奉仕も最高だったよ、ミミ」

「……沢山ミミを求めて下さってミミは満足です」


「当たり前だよ。ミミには五人は俺の子を産んで貰うつもりだからね」

「えと……それは本当ですか?」


「本当に決まっている」

「嬉しい……愛の結晶がそんなに欲しいだなんて、ミミ嬉し過ぎて涙が出ちゃいます。……今日ので1人目が出来ちゃったかもです」


 ミミは泣きながら俺に抱き着いて来る。こうやって素直に甘えられると俺も悪い気はしない。早く1人目が欲しいものだ。





 ミミがゆっくりと瞼を閉じて休み始めるのを見てから、俺はマオの様子も確認しに行った。すると、特にする事も無いからか「すぴーすぴー」と寝息を立てていた。


 時間を潰す話し相手がいなさそうなので、俺は玄関口でウロウロし始める。そろそろティティが戻って来る頃である。


 かち、こち、と時計の秒針が進んで行き、まもなくするとティティがやって来た。脇には気絶している女を抱えていた。


 その特徴的な桃色の髪を見ただけでも分かるが、俺の注文通りにドラティア本人を連れて来てくれたようだ。


 どうやら上手く行ったようである。

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[一言] 先見ある魔王……魔王が主人公のスキルを理解していたら負けて居たかも?
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