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20.吸血鬼さん、休息を取る。

 俺が起床するとミミが隣で寝息を立てていた。その可愛らしい耳を撫でてやるとピクピクと動いた。


 昨夜の情事のあとに、汗を流す為に二人で風呂に入ったのだが、その時まで熱心にご奉仕を続けてくれていたので疲れているようだ。


「……おはようございます。ご朝食のお時間です」


 扉をノックをする音と共に、ティティが朝食の準備を整えてくれたことを教えてくれた。俺が「入っていいよ」と告げると、ティティが部屋に入って来る。


「……旦那さまにご寵愛頂けて満足そうですね」

「だと良いんだけどね」

「同じ女ですから、見れば分かります」


 同性だからこそ分かることがあるらしく、ティティはうんうんと頷いた。


 当初ティティはミミに対して良くない印象を抱いていたが、俺がすぐに説得したことで今のように穏やかに変わった。


 眷属化によって俺の言葉を絶対に信じる状態であるので、『この女は悪に染まっていたものの、俺と触れ合うことで全てを忘れ、そして新たな人生を俺と共に生きることを選んだ』と伝えると、ミミを仲間として認識したのである。


 眷属化の効果は本当に凄いとしか言いようが無い。便利過ぎるがゆえの制限なのか、枠は五名分しかないが……まぁ個人的には不足は感じない。


 残りの女の勇者二人を眷属化しても一つ余るくらいなのだから。


「……ところで旦那さま」

「うん?」


「本日のご指示等はございますか?」

「そうだね……昨日と同じでこの子を連れてレベルアップとお金稼ぎを頼みたい所ではあるけれども」


「けれども?」

「ティティとミミも連れて少し出かけようかと思っているから、それは無しかな」


「えっと……ミミとは?」

「昨夜俺が決めた、この子が新しい人生歩む為の名前だよ。それで、俺は休息を取るつもりでいるけど、一人だとつまらないから二人も連れて行きたいというわけだ」


 これは自論だが、健全な復讐が行えるのは健全な精神の下でのみだと思っている。それゆえに心と体を休める時も必要なのだ。


 復讐を立て続けに行えば俺自身の歯止めが効かなくなり、無関係な第三者も巻き込むようになるかも知れない。


 それではいけない。あくまで復讐は当事者に対してのみだ。それが俺なりの矜持(プライド)なのだから。


「かしこまりました。ちなみに、どちらへのお出かけを想定していますか?」

「街の外の西側に綺麗な湖があるんだ。実はこの街に来る途中でふいに目に入っていた場所だったけど、用が無いと思ってスルーしていてね。……少し遊んだり休むには丁度良さそうな感じだと思い出したんだ」


「なるほど。しかし、そうなると水着が必要になりますね」

「行く途中で二人に似合う水着を買って行けばいい」


「よろしいのですか……?」

「よろしいも何も、そもそも現状の生活費はティティとミミに魔物を倒して稼いで貰っているんだ。確かに管理は俺がしているけれど、遠慮することは無い」


「ありがとうございます。……ミミ、起きなさい。旦那さまが水着を買って下さいますよ。湖までお出かけです」

「ふにゅう……ミミはいっぱい愛して貰えて満足です……」


 なんとも男心をくすぐる寝言であり、目標の子ども五人も必ず達成出来そうな高揚感が湧くが……ミミばかりを可愛がるのもよろしくは無い。


 今日の夜のご奉仕はティティであるから、不平不満を持たれないように同じくらい可愛がってあげるつもりだ。


 だが、まずはその前に湖での休息である。朝食を済ませ次第に準備をして出かけようか。





 衣類を扱う店によると、あれやこれやとティティとミミが楽し気に水着を選び始めた。


 ティティは均整の取れたスタイルで何を着ても映えるし、ミミは男が好むような体型の為にどれを着てもえっちだ。


「ミミはこれにします」

「では私はこちらで……」


「ティティ、それは少し攻めすぎのような……?」

「メロン見たいなおっぱいの貴方と違って、私は旦那さまを喜ばせる為に色々と趣向を凝らす必要があるのです」


「言われて見ると……メロンみたいかも知れません。ご主人さまも一番好きな場所なので、美味しいのかもです」

「ちっ……」


 水着を試着する二人を見ているだけで、俺にとって眼福だ。ご奉仕の時とはまた違う良さがある。

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