誰が誰であるべきか?
私の男性は北極である。この言葉を聞いて、友人たちは決まって首をかしげる。一体この埴輪ミーヨに何が起こったのであろうか?と。当然、大きな噂になり、一体ミーヨの彼氏とは何者か?と議論になった。私はそんなくだらない議論に終止符を打つべく、彼氏をパーティーに連れていく。ん?友達の反応は皆一緒。パーティーの後、友人たちは二次会で、ミーヨの彼氏について話している。親友のマリが怒る。あの人(当然ミーヨの彼氏のこと)私をブスだと言ったわ。そうだ、マリはブスだ。だが、何もそれを面と向かって言うことはないではないか!!そんなことなど、すべて無意味だ。マリは、誰よりも美しい人と愛し合っている。つまり、あの人はやっかみもあったのだろう。絶対に欠けてはならないダイヤモンドの指輪は、ネズミにかじられて欠損するようなものだ。しかも、この手のネズミときたら、何でもかんでも食べてしまう。茶碗、壁、花、本、携帯電話、青椒肉絲。謎だ。何もかもわからない。結局のところ、銀幕のスターはマリだったのだ。そこに気づいた私はすぐさま主人公をマリへと変える。マリの夢はサーベルタイガーを狩ることだった。いつも、図鑑を見て、マリは、銃をいじる。ペニスをいじるよりもエロチックだ。たんねんに触った後、銃を拡大したサーベルタイガーの写真めがけて、30発ほどぶっ放す。ここは?日本ではない。それはお分かりですね?じゃあ、どこ?辺境の地。マリの家50キロには、誰も住んでいない。その代わり、ジプシーたちが、食べ物を売りにくる。たまに、マリの家から火が見えるとき、ジプシーが近くにいる証拠だ。マリは美人はどこにいるのだろうか?マリは地下深くに降りていく。巨大な空洞の向こうに灯りが見える。小人たちだ。マリが来ると、みんな笑顔を見せる。「ようこそ、ようこそ」マリの王子様は奥の質素な小屋にいる。100人の孤児とともに。皆親に捨てられて、ここにきた。悲しい目をして、沈んでいた子供達も、皆カプラチャと一緒にいるといきいきとした光を放ち、今にも地上にあふれ出しそうだ。ただ、彼らは決して成長しない。まるで、ネバーランドみたいだな。パクリ?ちゃう!!ネバーランドと違うのは、とびっきりの美人が、あらゆる問題を解決していることだ。空こそ飛べないが、かなりの胆力だ。肝が座っている。マリがドアをノックすると静寂が、しばらく続いた後、美人カプラチャが出てくる。「やあ」マリを見て嬉しそうだ。柔和な唇が笑っている証拠。中から2、3人の子供たちが姿をあらわす。マリも微笑んで、子供たちのあたまをなでる。「よく来たね」だれかが言った。誰か、が大事ではない。ひんやりした空気にのった温かい言葉が大事なのだ。中はおもちゃやお菓子でいっぱいなのだ。「大切だよ」誰かがまた言った。マリはカプラチャに聞いた。あなたなの?彼は、答える代わりに、口に人差し指をあてた。マリは、わかっている。誰かであることが、大事ではないし、誰でもないことも意味を持たないのだ。