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かくて人はしせり

小便がしたいと姉に言う。少し首を傾げて姉は金玉を蹴り上げる。なんてことだ!!床はびしゃびしゃだ。ヒルが1匹やって来たと思ったら、黄金水を飲んでいる。逆襲を思いつく。トイレに鍵をかけてしまうのだ。姉は平然としている。2年後「女は小便なんてしません」と言い放つ。なるほど!!

爆発した家の跡地を見に行くと、フランス兵がわんさかいる。何をしているのですか?と聞くと、彼女らはひどく落ち込んでいる。「勝ってしまったから」戦争は本来負けて喜ぶものなんだと悟った。そういえば、負けると楽しい。姉はいつも勝っている弱い人間だ。そして、父は最強だ。酒を飲んで、電気機械をいじっている。姉と父は一種の水面関係が成り立っている。水の中にいるのは、溺れている。酒にか?一方空にいる姉も、休む暇がない。苦しくたって、水面には父が待ち構えているんだから。そんな姉はたまに亀に似ている人を好きになる。まるで絶滅危惧種だ。胃液の匂いがして、さようならのおじさんがあらわれる。やっぱり、別れを言って、どこかへ走り出す。時速50キロは出ている。早送りしたみたいに、丘が緑から黄色へ。発火祭だ。黄色から赤へ。冷たい丘になってしまう。姉を見ると泣いている。父を見るとやはり泣いている。ああ、やっぱり家族になれたんだ。シーラカンスのはく製を持って帰った母は、12番目だ。ちなみに姉は8番目。父は21番目だ。1番付き合いが長いのは、家族斡旋所の人だろうな。美人の人。でも、性別がわからない。今流行りの隠れ性別者かな。さて、そろそろ人生をしまいにしようかと、高い崖に歩いて行く。すると船の灯りが見える。おそらくギニアの密航者だろう。この遺体は、誰かの食料になるのか?崖の下を覗くと、イルカが群れている。なぜ?貴方様方は友達を持とうとするのか?絶望が襲ってくる。汚らわしい言葉を意識にのぼらせてしまった。昔の保存価値委員会の権力欲に吐き気を催す。愛を消し去ろうとしたエロス。鎌を持って命を狙った神々よ。どうか人を食うのをやめてくれないか。望みも虚しく海辺にも暗黒が押し寄せる。天死たちが、地下からはえてくる。隆起する土に混じって。姉と父が遠くからこちらを見ている。2人は黙っている。案山子のように立っている。ただ服だけは王侯貴族のようだ。あの優しい王たちは決して知らない。神々が人を粘土のように作り変えていることを。だから、穏やかで暮らしている。琴の二重奏が聞こえて、辺りはオルフェウス教徒に取り囲まれている。生かすつもりだ。彼らは生かすことだけを目的とする。恐ろしい生命原理主義者なのだ。独占的に人間を占有しようとする、大地主なのだ。テントを与えられたものは、日をもう見れない。同じように教徒たちは、最初から太陽など見ていないのだ。少し穏やかな波がおしよせている。月は、円のまま小さく小さく減っていく。巨大な進化した植物たちが、我関せずと、水を吸い上げている。菊が落ちると地響きが起こり、天然の楽器を奏でる。パンペンパンペンポンペンポン。

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