昆布(猫)の反応
俺は一人で住んでいるアパートでは無く実家に向かった。
何か退院祝いするんだと。
「父ちゃーん、母ちゃーん帰ったよー」
玄関開けると何時もの毛玉だらけのジャージを着た父ちゃんと前髪にカーラー付けっぱなしの母ちゃん登場。
「おう、以外と早かったな」
「はやく来なさいー。昆布(猫)も待ってるよー」
二人が何時も通りの態度で俺は安心した。
たぶん一晩考えて、考える事を止めるって結論出したんだろうな。
でも「またドッキリか!?」な対応だったら、たぶん泣いてた。
居間に入ると昆布と目が合った。
ストーブの前で器用にスコ座りしている。
「昆布ー。久しぶりだなー」
俺が何時も通り、昆布の頭を撫でようとした。
シュパン!シュパン!
シュパン!シュパン!
シュパン!シュパパパン!!
猫パンチ炸裂。
まさか、この腹ボテ(男の子です)で、あんな俊敏な猫パンチが出来るとは……!?
「ふー!しゃぁぁ!!!」
すげー毛が逆立っている……
それ見て父ちゃん、母ちゃん爆笑。
「警戒心すげーな昆布(笑)」
「タロウが変わりすぎて昆布が解るわけないじゃんか(笑)」
ゲラゲラ爆笑しているけと、あんたらもそんな感じやったよ。
二人の爆笑が落ち着くと、俺の退院祝いの会(3人と猫1匹)が始まった。
とりあえず無事で良かっただの、変身し過ぎでウケるだの、これテレビに取り上げられるだの……
まぁ。色々だ。
しかし、最初から最後まで昆布は警戒心MAXだったのが、ちょっと寂しかった。
また頭を撫でようとしたら今度は猫パンチ&猫キックだし。
帰り道、本屋に寄り「猫になつかれる10の方法」の本を買った。
次に実家に行くときまでに勉強するか……