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第一話 始まり

 目が覚める。ああ、眠いなあ。天井を見つめる。和風で木造、やっぱり俺の部屋はいい部屋だ……ん? 待てよ……俺の部屋は洋室だ。そもそもアパートだ。しかも、木造じゃない! 


 飛び起きて周りを見渡す。どこだ、ここは? 教科書で習った書院造のように見える。少なくとも俺の部屋ではないし、知り合いのどこかの部屋でもない。かといって、誘拐された覚えもない。いや……寝ている間に誘拐されてここに運び込まれたのか? それならあり得る。しかし、俺なんて誘拐してもなんのメリットもないだろう。金持ちでも何でもない。誘拐犯もいい部屋、用意してくれたもんだ。


「殿、殿! お目覚めでございますか? キセルをお持ちいたしました」


 突然、呼びかけられる。俺の名前は殿なんだから当たり前、なんてわけがない。俺の名前は、島清太郎だ。というか、未成年だからタバコは吸わない。そこまで(わる)じゃないよ。しかも殿? 待てよ? これって、まさか……いやいや、たぶん、ここはすごい特殊なホテルかなにかに違いない。ルームサービスかな? 入れてあげないと。


「ああ、起きてるよ」


 襖が開き、入ってきたのはもちろん従業員ではなく、小姓だった。これは、間違いない。どう考えてもここは現代ではなく、室町時代か戦国時代か江戸時代に違いない。それなら、俺は誰になっているんだ?

 織田信長とかのチート大名だったらいいんだけれど……ところで、現代にはどうやったら戻れるんだ? 思考を一旦停止し、部屋を再び見回すと、小姓らしき美少年がキセルを部屋にあった机に置き、一礼して立ち去ろうとしていた。


「ああ、ちょっと待って」

 

 俺は彼を呼び止めると、尋ねた。


「俺は、誰だ?」

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