迷宮経済概論
なろうファンタジーにおける個人経済行為で代表的なものは、モンスターを討伐しその部位を持ち帰ることでお金を得るというやつだ。
迷宮ものの王道とも言え、とりあえず迷宮経済と名付けよう。
ここで前の話でした社会的分業というもので解析すると、以下の経済行動が成り立つ。
1) 冒険者が迷宮に入って、モンスターの部位を売る。10G。
2) 商人がその部位を買い、その部位を有効活用する商人に売る。15G。
3) 有効活用する商人がそれを活かして商品を造り、売る。20G。
4) その商品があると冒険が楽になるので冒険者が買う。-20G。
5) 冒険が楽になったのでモンスターが楽に狩れ、部位が多く得られた。30G。
こうやって、迷宮経済は成り立っている。
なお、基本この手の経済はインフレによって成立しているのでそこを忘れないように。
下手にデフレなんてするとそれはそれで面倒なので、ここでは扱わない。
これだと、微妙にイメージがわかない人の為に、モンスターあたりの名前を入れてみよう。
1) 冒険者が迷宮に入っておおネズミを狩り、おおネズミの皮を売る。10G。
2) 商人がおおネズミの皮を買い、おおネズミの皮を防具屋に売る。15G。
3) 防具屋がおおネズミの皮を活かして皮の服を造り、売る。20G。
4) その商品があると冒険が楽になるので冒険者が防具屋から皮の服を買う。-20G。
5) 皮の服で防御が上がり、冒険が楽になったのでおおネズミが三匹狩れ、おおネズミの皮を三つ得られた。30G。
さて、冒険者は1)と5)に出ているが、彼の所持Gは10G-20G+30G=20Gである。
だが、商人は-10G+15G=5G、防具屋は-15G+20G=5G得ているが所持Gで見ると、冒険者30G、商人15G、防具屋20Gとなる。
このからくり、つまり資金がマイナスになる部分をカバーするのが金融機関だったりする訳だが、ここでは話がそれるので触れるだけにする。
個人が内政というかチートをする場合、商人か防具屋の所が一番やりやすい。
何よりも冒険者より命をかけなくていいからだ。
その代わりに、商人と防具屋がかけているものが、次の領地経営のテーマとなる。
付加価値。
次はこの付加価値について話をしようと思う。