目録
物語を語るということは即ち、自身の考えをまとめたものを読者に分かりやすく語る必要がある。
しかしながら、今回の語り手である私、ディルはそのような事をするような女ではないということをご理解いただきたいと思う。
この物語はあくまで私の観点で、これまでに起こった天野翔琉と言う少年の物語に関する追加項目と考えてくれた方が語る身としてはこの上なく、気が楽であり、なにより話しやすいものである。
皆さんは、これまでに別の物語として、『MW-魔法世界冒険記-』という作品を見て頂けたことと思う(見ていないなら、ぜひ見てほしいと思う)。
でも作品を読んでいて、「あれ? この間には何をやっていたんだろう?」とかそういう風に思ってしまったりするようなことがあると思う。
それは翔琉自身が、語り忘れた、または忙しくて語るに語れなかった、という言い訳を後に私は他の人から聞いた。
だったら、その語り役は私がやろうと、作者に無理矢理お願いして作ってもらったのである。
つまりこの話は、裏の物語を語る場である、という認識で構わない。
その点私は、用意された資料に目を通して、お話を解説しながら進行するだけという仕事でここに来ている。
こことはどこなのか。
それは時の魔法を操るものが代々口伝で継承される、世界の記憶を補完する場所――――神立・時空図書館という場所である。
ここには世界中のあらゆる事象や歴史が本となって保管されている場所であるので、翔琉の裏の物語を語る資料としてはやや多すぎる場所ではある。
1個人を語るだけなのに、世界中の資料のある場所で語るなんて、壮大すぎる気もする。
でも、のちに起こった数々の事を考えれば、それも有りなのかもしれない。
私が語る思い人の舞台裏――――その世界へとあなた達を誘いましょう。
お相手は私、時の魔法を操る太古の魔導士、ディルがお送りします。
この物語は私の観点から、天野翔琉と言う人間を語るもう1つの物語―――――