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片思いの相手を紹介して下さい!  作者: メイリ


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第一話

「ルビーちゃん、私ちょっと室長のところ行って来るわ」


 私の言葉に、ここ最近ブラックな勤務でお疲れのルビーちゃんが希望を見いだしかのようのこちらを見た。


「プラム先輩、もしかして室長に締め切りの延長お願いしてくれるんですか?」


「そんなの無理に決まってるでしょ、あの人締め切りは何があっても絶対だって言ってたもん」


 私の言葉に、ですよねーと言ってルビーちゃんが作業机に突っ伏した。

 あーあ、絶妙なバランスで保っていた資料が雪崩ってる。


「締め切り延長以外の話なら何をしに行くんです? 」


「えーっと、室長に私が片思い出来る相手を紹介してもらえるように直談判? 」


「………先輩、意味が分からなすぎます。片思い出来る相手の紹介とか、何故か自分で言ってるのに疑問系だし………あ、私察しました。先輩ここ一週間まともに寝てないからおかしくなったのですね。可哀想に………。ゆっくり休んで下さいなんて嘘でも言えない状況ですが、優しい後輩の私が先輩の為に時間を捻出します! さあ!机に突っ伏して五分寝てください! 」


「優しさが身に染みるけど、五分寝たらそのまま起きない自信があるからその優しさだけもらっておくね。んで、私は室長のところに行って来るから」


「まだ謎の理由で室長のところに行く気なのですね………はっ!ま、まさか先輩、室長のことが好きなのですか?! だ、ダメですよ、あの人既婚者ですよ! 」


「うん、ルビーちゃんもお疲れで意味わかんないこと言ってるね。あの妻を溺愛して、口を開けば惚気話しかしない人を好きになるとかどんな趣味よ。そうじゃなくて、あれだけ奥さんのこと好きすぎてその為に仕事をマッハで片付けられる人種がいるなら、私もその恋愛パワーがあればこの終わりの見えない仕事に風穴開けられるんじゃないかと思って」


「先輩、追い詰められすぎて謎理論展開するようになってしまったのですね。不甲斐ない後輩ですみません………私頑張るんでそこの机に突っ伏して十分泥のように寝て下さい! 」


「優しい後輩を持って私は嬉しいよ。でも寝ると三日は起きない気がするからやめとくね。とりあえず室長のところに行って来るから、ルビーちゃんはその間仮眠しときな。私が片思いパワー手に入れたら忙しくなるからね! 」


「先輩が優しくて惚れそうですが、言ってることは意味が分からないので何とか踏み止まれそうです。本当に室長にその話で突撃するなら後で骨は拾いに行くので、安心して行ってきて下さい」


 ルビーちゃんの激励の言葉を背に私は室長の部屋へと突撃した。




 コンコンコン

「入って……」

 バタン



「室長ーーー、私に片思いの相手紹介して下さい! 」


 私が部屋に入ると、眉間にしわを寄せ、頭いて〜みたいな顔をした室長と、もう一人誰か先客がいた。


「プラム、確かに時間は有限だから素早い行動を心がけろと行っているが、ノックの返事くらいは待て。今俺はお前と同じくらい頭の良い馬鹿の相手で忙しい。何で同日、同時間に同じような事を訴え出るアホが増える。今日は厄日か? 俺は今日愛する妻の機嫌をとるために一秒も無駄に出来ないのだ」


 室長はそう言って深くため息をついた。

 室長の前にはどこかで見たことがある人が立っている。

 んー…………あっ、魔法陣課のロイドさんだ。

 ロイドさんも私の方を見て、あーみたいな顔している。


「はぁ〜〜〜、んで、二人揃って何だって? もう一回言ってみろ。忙し過ぎて俺の耳と理解力がおかしくなっている可能性がある」


「「私に片思い出来る相手を紹介して下さい!」」


「………………いや、まじで何なの? おじさん最近の流行りとか知らないんだけど、片思いの相手とか紹介してもらうの流行ってるの? とりあえず百歩譲って流行っているとしてだ、何で俺が紹介しなきゃならんの?! 」


 室長の言葉に私は


「室長、流行ってはないです。思いつきです。たまたま、本当に偶然ロイドさんと事案が被ったと思われます。そして何故室長かというと、この職場で唯一奥様の惚気を垂れ流して、恋愛パワーで何事も乗り切るパワフルな方だからです。そんな人なら私にも恋愛パワー分けてくれるかな?と思いまして」


 私の言葉にロイドさんが深く頷いている。


「いや、お前ら俺をなんだと思っているんだ? そもそも恋愛パワーってなんだ? 片思いの相手紹介とか初めて聞いたぞ。普通もっとこう、お見合い的な紹介とかじゃないの? 」


「「付き合うとか面倒で無理です。片思いして、何となく恋愛パワーチャージ出来たら良いなと思います」」


「さっきからお前たち一言一句同じだな! 何なの? 仕込んできたの? てか、これは俺紹介する必要ないよね? はい、そこの二人お互いの方を向いて。…………うん、はい、見たね? じゃあ、目の前にいる人が片思いする相手です。これで俺の仕事終わったね? 完璧な紹介だよね? じゃあ、解散! 速やかに仕事に戻れ!」


 そう言うと室長は私たちを部屋から追い出した。

 とりあえず片思いも相手は紹介してもらえたのだと思う。


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