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第一話  決まった人生ならば無いほうがマシ、でも天使は分からないみたい

『目覚めなさい。貴方は死にました。』

「は?」


目覚めると、見覚えのない真っ白な部屋にいた。

どう考えても私の部屋ではないが、どこだろう。案内を聞く限り、私は死んだらしいが…あれ?私の部屋ってどんなのだったっけ?


『転生します。』


待って早い。まだ現状を何も理解してない。

「待ってください、いくつか質問を…!」


『旅立つ貴方へ、我が神よりチートスキルを下賜します。』


何だよ機械音声かよ!

「ここはどこ!私は誰!お前は誰!今から何が起こる!」


『静粛に。ルーレットの結果、貴方には_』


何も教えてくれないのなら、自分で把握するしか無いな。

彼…彼女?の話を鵜呑みにするなら、先程も言ったがどうやら私は死んだらしい。

そしてチート能力を与えられ、異世界に放逐され、悪役令嬢だか勇者だかは知らないが逆ハーを作ったりイケメンに溺愛されたりスローライフをしたりするんだろう。

そして言うんだ…「ああ、異世界最高!」って。



喜ぶと思ったか?馬鹿も休み休み言え。


誰が人に与えられたうっすい人生で喜ぶと思ってんだ。どんな高い壁だって己の行動で少しずつ超えていけるからこそ、全力でやっても結末が見えないからこそ、人生って楽しいんだろ。


「拒否します。」

『いえ、これは"お願い"ではなく"通達"なので。拒否は認められません。』


うーん。腹が立つが、こちらの声はどうやら届くらしいな。"我が神"という言葉から考えても、こいつ自体はただの中継。天使、とかその類いだな。

何とかしてこちらに意識を向けなければならない。天使なぞ会ったことも無いので対応なんてわかった物では無いが、多分勤勉で…忠誠心は高いだろうな。


「神ってやつぁ随分と馬鹿なんだな!」


『あぁ!?黙って聞いて居れば恩寵の拒否だけでなく、我が神を侮辱するか!』


熱くなっていた心が冷静になる位には良い反応だ。

そうだその調子で暴れてくれ!

はいご注文頂いた言葉での説得煽りトッピングでぇす!


「ああその通りだ!どうせ俺TUEEEEすれば満足するとかそんな軽い気持ちで呼んだんだろ!?良いか!全員が努力もせずに現実に絶望してるヒキニートな訳じゃねぇ少なくとも私は主体的に、人生を良くしようとして生きてきた!」


異様な事に、私には一切の記憶がない。名前や年齢なんかの知識は覚えているのだが、知り合いの顔、勤めてた会社、趣味、会話…記憶と呼ばれる大体の物が抜け落ちている。それでも他人にただ与えられるのに憤れる自分の生き方に、多分間違いは無かったんだろうと。思えるからこそこうして自信を持って言い返せる。

とどめに一言。


「人間知らずに神様面するとか甘いんだよ鳥頭!」


『あああああ!!矮小で脆弱なる人間如きが一度ならず二度までも天界を愚弄するか!もう良い!外界に堕ちろ!!!』


結局、こいつは私の話なんてこれっぽっちも聞く気が無いんだな。もう煽りしか見えてない…が、私も言いたい事は言った。あとは対話じゃなく言い負かす時間だ。


「要望伝えただけなんですけど−!私なんかやっちゃいましたぁ!?

上奏すらマトモに聞けない無能一族を誰が敬うんですかァ!ねぇ!」


『黙れ黙れ黙れ!堕ちろ!』


「言い返せなくなったんでちゅねー!ねぇ脆弱な人間とか言ってたけど知能で負けてどんな気持ち?ねえどんな気持ちきかせてぇ??」


地面が開く。えっそんな落とし穴仕掛けてたの?人間の拒否は織り込み済みなの?

人間必死にやれば大体の事はできるのか、開く床を全力で蹴ってなんとか端に捕まった。非力な手の力を限界まで使って登ろうとしたが…


「クッソ!!」

『馬鹿が!この場の圧倒的強者は俺だ!歯向かったのが間違いだったな!』


四角から壁が迫ってくる。このままだと迫り出されて落ちるだろう。


下は清々しいまでの空が見え、雲に隠れてうっすらと陸も見える。

落ちたら死ぬわ…と、思ったがもうどうしようもない。


「精神面では圧倒的に負けてるけど。」


『ああああああ!最後までムカつく奴だな!』


その声を聞きながら私は蒼穹に落ちていった。


「どわー。」


命綱無しスカイダイビング楽しいな!皆もやってみよう!

対価は君らの命!


いや…ホントどうしよう。誰か助けてくれないかな。

飛べない人はただの人。


「誰かぁぁぁぁぁ!私メリーさん!今あなたの上にいるの!!!」

「●◾️▲●?」


えっ?何か聞こえた様な…

声らしき物が聞こえてすぐに落下の速度が遅くなり、落ちる時に感じていた風も無くなる。そしてそのままゆっくりと木々を避けながら森の中に降りる。助かった…?

…生きてる!肉塊にならずに生きてるよ私!


周りを見てみると、なんと黒髪黒目色白のイケメンショタだぁ!ショタがいるぞ!

うえええい…ッと。まずい、ここで助けたことを後悔されようものなら私は泣く。

挿絵(By みてみん)


「え!私より年下…だったりします?」


彼は一度首を傾げたが、指で何か模様を書くと頷き、言葉を返してきた。


「いいえ少年なのは見た目だけです。」


そっかぁ残念。え?見た目だけってなに?それはそうと礼の方が先か。


「助けてくれたんでしょう?ありがとうございます本気(マジ)で。」

「領域に爆速で侵入してきた気配があったものですから。まさか落ちているとは思いませんでしたが、助かって良かったです、メリーさん。」


「あ、すみませんメリーさんはネタです。」

「ネタさん…ですか?」

「えっ言語通じてます?」

「言語系の翻訳は苦手で…」


なるほど、異世界の言語が通じるのはこの人がなんかしたのか。


「ネタは私の世界の言語で 人に笑いを起こさせる事物の事で、メリーさんは怪談…妖怪…逸話に出てくるモンスターの一種です。」

「なるほど、把握しました。それはそうと上から落ちてきたって事は…もしかすると、天界からの追放者ですか?」

「追放…まぁそうです。と言ってもチート能力与えて異世界に飛ばすとか抜かしやがったので拒否して煽っただけです。たまにいるんですか?」

「いえ、今までいた事は無いのですが上には天界しか無いので…ともかく、それを聞いて安心しました。助けたことを後悔する羽目にならなくて本当によかった、と言うべきですかね?」


えっ心読まれた?最初から全部バレてる!?


「…すみませんでした」

「あぁいえ、謝らなくとも大丈夫です。敵意がないのは分かっていますし、侮られるのよりは100倍マシですから…

取り敢えず行くところも無いでしょうし、小さいですが私の家に住みませんか?」


「良いんですか!ありがとうございます!」


そう、私の生活はこうして始まったのだった。

登場人物紹介もない中で初めての長ったらしい文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。

ちょっとずつ改善していくので良ければブックマークよろしくお願いします。

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