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ぐっど喪ぉにんぐ!! 〜土葬少女のセカンドライフ〜  作者: わた氏
11章 ときめく、おまじないと文化祭!
66/70

難航、罠は続くよどこまでも!

 前回のあらすじ。


 佐藤探しに旧校舎にやってきた俺とミドウ。

 罠の張り巡らされた学校に閉じ込められた俺たち。

 何も起こらないはずがなく……。


「はぁっ、はぁ……っ!」

「すっごく激しい……! スリル満点、高なる鼓動に惚れ惚れしちゃうヨぉ!」


 教室の壁にもたれかかり、肩で呼吸をする。肺から血の味が昇ってくる。

()()()()()迫ってきたら、誰だって一目散に逃げるってもんだ。


 俺たちの身体にはオナモミだの先端が吸盤の矢だのドロドロの石鹸だのがくっついているものの、呑気に取っていられない。

 俺たちを取り逃がしてもなお、アレは廊下を駆け抜け……

 



 ボヨンッ!!




 重たくも弾力を感じさせる音が、廊下に響く。どうやら止まったらしい。

 恐る恐る教室の窓から覗いた廊下。俺の目に飛び込んできたのは、学校ではあり得ない光景だった。


 ――何を隠そう、廊下の突き当たりに巨大なボールが突っ込んだのだ。

 廊下の壁、天井に今にも届きそうな大きさ。追いつかれたら、下敷きになること必至の巨体。

 その球こそ、俺を全力で走らせた原因で……


「いやなんで廊下にバランスボールが転がってんだ!!」

「罠だからだヨぉ」


 オナモミだらけの袖でボールを指しながら、ミドウはけろっと言いやがる。


 ミドウ曰く。

 このえげつない罠どもを解除するためには、生徒会室まで行かなければならないらしい。

 が、トラップは旧校舎の至る所に張られている。現に、俺もミドウも引っかかりまくってこのザマ。オナモミも矢も石鹸も、防衛モードにやられた結果ってわけだ。

 まだ1階から上に進めていないし、難易度が高い。


「ってか、罠を作ったのはお前と佐藤だよな。だったら、なんでお前は罠が無効にならないんだよ」

「だって…………アタシもドキドキを味わいたいもんっ♪」

「ド突いてやろうか!?!?」


「もんっ」じゃねぇんだわ!

 片脚をあざとく上げながら言いやがって……。


「そもそも……お前が作ったんなら何処に何の罠があったか覚えているだろ」

「罠の配置を決めたのはせんせーだから、アタシににも読めないの。発動したら分かるんだけど」


 廊下沿いの窓の柵に腰掛け、ミドウは両脚を伸ばす。

 元々透明になりつつあるミドウを戻せるのがアイツだからってことで探し始めた訳だが……今のミドウは、頬や首元、脚が透けては蘇ってを繰り返していた。特に両脚は、目を凝らさないと輪郭を見失いそうだ。


「それに確か……出られないんだったか」


 続いて吐いたのは、諦めにも似た溜息だった。

 うっかり校舎に入っちまった時に、ミドウは言っていた。


 ――侵入者がいると防衛モードになるから、1回入ったら出られないヨ☆


 教室の窓は固く閉ざされ、ピクリとも動かない。

 外は目の前なのに。今居るのは1階だから、本来なら難なく出ていけるのに。すぐそこにあるはずの昼の賑わいから、俺は隔離されている。


 八方塞がりだ。


 石鹸塗れの髪を乱雑に掻きむしる。

 打開策は浮かばない。どうすりゃ良いんだよ。


「こんのクソったれが!」


 怒号を放ち、肩に引っ付いた矢を思いっきり床に叩きつけると――。


 ポチッ。


 場違いなまでに軽やかな音が響いた。


 あ、やべ。なんか押しちまっ




 アナタノホンネをキキマshow!!!!




「…………は?」


 部屋の電気が点くとともに、放送のスピーカーから飛んでくる甲高い音声とハウリング。

 やばい嫌な予感がする。


 廊下へと全力疾走する俺だったが、ただの人間が人知を超えたトラップに敵うはずもなく。


「またかよクソがああああ!!」


 教室の窓も扉も施錠され、またもや閉じ込められちまった。

 扉を握り拳で叩く俺に、ミドウは空気も読まず溌剌と言いやがった。


「この教室は大アタリ! “問題”に答えないと出られないトキメキ・トラップがあるんだヨ!!」

「そーかよチクショウ大ハズレだな!!」


 “問題”。その言葉が表す通り――。

 部屋の中央にはいつの間にかド派手な椅子と机が鎮座している。

 椅子には、背もたれを囲むようにしてカラフルな明かりが取り付けられていた。絶えず点滅を繰り返していて、部屋の明かりがあるのに眩しい。

 机の正面にはパネルが貼り付けてあり、机上には赤い押しボタンが。


 言うなればバラエティの権化。

 あまりの場違い感に、俺は一周回って落ち着きを取り戻していた。


「はっ、クイズ番組の真似事か? 誰がこんなの」

「豪華賞金、ご褒美の大チャンス!! 一攫千金、巨万の富だって夢じゃないかも?!」

「――さぁ、早く問題を出すんだな」


 椅子へと深く腰掛けた俺に。

 流れるように脚を組んだ俺に。


「飛んで火に入る夏の虫だヨぉ」


 なんて聞こえたが、気のせいだな。

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