第5話
そして、それから11年後……。
「タァ~ッ!」
シュパッ!
「ウギャアアァァ~ッ!」
あれから更に11年が経過し、私も19才になり、現在はギルドに入って、ソロ冒険者として活躍していたの。(ルーカスと離れ離れになってから、私はあれから自分の力で強くなろうと努力し、今に至るんだよね♪ そしていつかきっと、ルーカスと再び会って、あの頃と同じように一緒に冒険が出来たらいいなと思ってるんだよね♪)
「よしっ☆! これでゴブリンの討伐完了っと♪ あとはこれをギルドに持って帰るだけだね♪」
そして、そんな私は現在、ギルドの依頼でゴブリンを討伐していて、その討伐を無事完了していたところなの。(ギルドの依頼を頑張ってこなすのとっても楽しいんだよね♪ だけど……、ルーカスがいないのはちょっと寂しかったりするんだよね……。ルーカスと一緒にやってたら、きっともっと楽しくなれると思うんだけどね……)
「ただいま戻りました~♪」
「あら♪ レイラさん、お帰りなさい♪ 今日の依頼はどうでした?」
ゴブリンの討伐を無事完了し、私がギルドに戻ってくると、受付嬢のニーナが出迎えてくれて、今日の依頼がどうだったのか聞いてきたの。
「うん♪ とっても良かったよ♪ その証拠に、じゃん☆! 今日はこんなに討伐出来たよ♪」
「嘘!? こんなに!? 凄いです☆! それじゃ、ちょっと数えてみますね♪」
「うん♪ いいよ♪」
受付嬢のニーナから今日の依頼がどうだったのか聞かれた私は、ゴブリンをたくさん討伐出来たと報告し、その証拠として、ゴブリンから切り取った腕を袋から全て取り出したの。すると、それを見たニーナはとても驚き、何体分の腕があるのか数え始めていたの。(流石に、ゴブリンの体ごと持って帰るのは無理があるから、腕だけを切り取って持って帰ることにしたんだよね)
「えっと~……、全部で13体ですね♪ こんなにゴブリンを討伐するなんて、レイラさんはやっぱり、とても凄いですね♪」
「うん♪ ありがとう♪ そう言ってくれて、何だかとっても嬉しい♪」
ニーナが何体分のゴブリンの腕があるのか数えていると、どうやら私が討伐したゴブリンの数は全部で13体みたいで、それを知ったニーナは私のことをとても凄いと褒めてくれたの♪(こうして素直に褒められると、何だかとっても嬉しいよね♪)
「それでは、こちらが本日の報酬になります♪」
「うん♪ ありがとう♪ でも、こんなに貰っちゃって本当に大丈夫かな……?」
ゴブリンを討伐する依頼を達成したということで、ニーナからそれに見合った報酬を受け取った私は、その報酬を見てみると、金貨3枚もあったので、私は凄く嬉しかった反面、本当にこんなに貰って大丈夫なのか不安にもなってしまったの……。(だって……、世の中にはきっと、私よりも凄い人がたくさんいると思ったんだよね……)
「いえ、大丈夫ですよ♪ ちゃんと今回のレイラさんの活躍に見合った報酬にしてますよ♪ それに、レイラさんはウチのギルドのエースでもあるんですから、そのことにもっと自信を持っていいんですよ♪」
「あはは……。そうなんだ、ありがとう……。そのことに自信を持つことにするね……」
どうやらニーナ曰く、ちゃんと今回の活躍に見合った報酬になってるみたいで、私はそのことに安心していたの。だけど、ニーナが私のことをこのギルドのエースでもあると言い、そのことに自信を持っても大丈夫と言われたことに関しては、私は少し苦笑いを浮かべていたの……。(私がこのギルドのエースって……、何だか凄く恥ずかしいんだけど……)
「それじゃ、この報酬受け取るね♪」
「はい♪ ありがとうございます♪ これからも頑張って下さいね♪」
そして、私はニーナから今回の報酬を受け取り、その場をあとにしたの。
「さて、これからどうしようかな?」
「「「レイラさん!」」」
「うぇっ!? なっ、何!?」
私はニーナから今回の報酬を受け取り終わると、それからしばらくギルド内をうろうろしていて、これからどうしようかなと悩んでいると、突然見知らぬ3人の冒険者が私に声をかけてきたの。
「もし良かったら、俺たちと一緒にパーティーを組みませんか!?」
「私たち、冒険者としてまだまだとても未熟なので、ぜひレイラさんと一緒にパーティーを組んで、とても強くなりたいです!」
「僕たちと一緒にパーティーを組めば、きっと素晴らしい未来が待っています! なのでぜひ、僕たちの仲間になって下さい! お願いします!」
「ちょっ、ちょっと!?」
(ハァ~……、やっぱりこのパターンね……)
見知らぬ3人の冒険者は、どうやら私と一緒にパーティーを組みたかったみたいで、それで私に声をかけてきたみたいなの。(もうこれで、一体何度目になるんだろう……?)
そうなんだよね……。実のところを言うと、冒険者のパーティーに誘われるのはこれが初めてじゃなく、もう既に何度か誘われていて、私はそのいずれも全て断っていたの。(だって、私は既にルーカスと一緒にパーティーを組むことを約束しているから、他のパーティーに入る気はないんだよね……。それにしてもまさか、こんなに何度も誘われるなんて、思いもよらなかったね……)
「え~っと~……、その……、ごめんなさい。私には既に一緒にパーティーを組むことを約束している人がいるの。だから私は、あなたたちのパーティーに入ることは出来ないの……。本当にごめんね」
「「「そっ……、そんなぁ~……」」」
そして私は、今回も一緒にパーティーを組むことを断り、私を冒険者のパーティーに誘ってくれた3人の冒険者たちは、私に断られてしまったことに、とてもショックを受けていたの。(何だかちょっと申し訳ない気持ちになってしまうわね……。でも、私はルーカスと一緒にパーティーを組むことをあの時約束したから、それまではどのパーティーにも入らないようにしないとね!)