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彼岸に咲く願いの華  作者: 大根沢庵
第一章 零の追憶
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プロローグ 『悲願に舞う花』

 深い深い意識の中。俺は目覚めた。

 自分の姿すらも見えない真っ暗な世界でただ一人取り残され、自然と不安に駆られる。ここはどこだろう。そんな言葉が埋め尽くす。

 ふと、誰かの声を聞いた。


 ――お願い。この悲しい殺し合いを終わらせて。


 誰だろう。聞いた事のない声。

 とても切なそうで、悔しそうな『色』が混ざった声だ。


 ――私達が残せる物はもうこの願いしかない。だからお願い。どうか私達を導いて。


 導いてって、どうやって。

 そもそもここがどこなのか、自分が誰なのかも分からないのに、そんなのどうやってやればいいんだ。

 君は……君達は誰?


 ――俺達が歩んで来てしまった間違いだらけの道を直して欲しい。どれだけ貪欲な願いなのかは重々承知してる。


 でも、声の主は答えなかった。

 そうじゃなくって君達は誰なんだ?

 どうして見ず知らずの俺にそんな事を頼む。そんな願いなら俺じゃなくたって、他の誰か心優しい人がやってくれるはずなのに――――。


 ――でも、だからこそ、これが俺達の願いなんだ。俺達の全てを託したい。だから、俺達に掴めなかった未来を、どうかその手で……。


 心が生成された気がした。名前も知らないどこかの誰かに影響されて、空白だった世界に色彩が加えられていく。

 そうだ。これは俺にしか出来ない事なんだ。この願いは、俺だけにしか叶えられない悲願でもあって――――。



 ふと、様々な色彩で彩られた世界で、真っ白な桜が舞った。


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