第三十一幕 エえぇっ、未成年なのに、結婚式?! ほんとの勇者になるのぉ?! 鳥かごの鳥になるのかよぉ~!! 勇者かわれないのッ?!
ピカぁ!
部屋の一室に時空を歪めた光が轟いた。一瞬にして、どこでも魔方陣の擬似ゲートが開く。
「着いたよ、ゆーまんちだよ」
「ふぅ、何とか、無事に今度は着いたな!」
ゆーまが、キョロキョロと、朧気に辺りを見回す。続いて、レヴァやヴィオラ、リンたちも一斉に全員、出てきた。その時、ユニの部屋の方から機械音がした。
ピリリ!
ラクリが、羽を羽ばたかせ、ユニの部屋に飛んで行き、鳴った機械音が、何かを確認した。
「ユニ様、本国から、入電が、入っていますじゃ」
ラクリが確認し、ゆーまの部屋に舞い戻ってきていう。
「あ、あたしの部屋に置いてた魔法モニターに? 入電? 一体、誰からかな」
ユニが、首を傾げ、キョトンとなりながらいう。
一同が、顔を見合わせた。
そして、ゆーまが、徐に口を開いた。
「ま、魔法モニター? また、魔法アイテムか? (本国ってことは、要するに、ユニの国だから、魔法
の国テスタ?)ユニ、何それ?」
「これはね、魔力を使って、遠くにいる人とかと、時空を超えて話しができる、魔法アイテムなの」
「わしらの国では、常識じゃ。だが、魔力がないと、何も魔法画面に映らないのじゃ」
ラクリが、人差し指を立て、簡潔に説いていく。
その時だった。様子を見ていたレヴァが、割って入ってきた。
「姫様、俺がみましょう!」
そういい、四角いパネルのような形になっている、魔法モニターの魔方陣に手を当てて、レヴァは念じ、魔力を発生させる。
そうすると、魔法モニターに何やら、文字が映し出された。
「レヴァ、誰から?」
「ルネディ様からみたいですね」
レヴァが、映し出された文字を見て、後ろを振り返りながら、ユニに言った。
「ルネディ? 王様か?」
「このバカタレがぁッ!」
パシコーン!
軽快な音を立て、ラクリの平手打ちが、ゆーまに飛んだ。
「いてぇ、帰ってきたそうそう、何すんだ、ラクリ!」
痛そうな顔をし、涙目で、ゆーまはいう。
「軽々しく王様かとは、何じゃ! バカ者、ユニ様のお父上じゃ。口を慎め!」
「へーい(やっぱり、ユニの父親? まさか、ドラゴンとか、モンスターじゃねーよな)」
ラクリが、怒鳴りつけると、ゆーまは、とほほと納得したような面持ちをみせた。
「ラホミラルカルティナライマ!」
レヴァが、何やら、呪文のような言葉を、ボソボソと念じている。
「俺の魔力で、魔法ファイルを開きましょう。ハァッ!」
言うと同時に、魔方陣に当てていた、レヴァの手が光り輝いた。何かが反応し、魔法モニターに映し出されていく。
ザザザ!
なんと、どこかの古風なお城の内部の風景だった。誰か、王様のような格好をした人が、魔法モニター
に、顔をドアップで近づけてきた。
「ユニ、久しぶりじゃな! 元気にしておるか?」
「あッ、パパ! ゆーまんちで、元気にしてるよ」
ユニが、嬉しそうな顔で、手を振りながら言う。
「ゆーまんち? お、そうか、召喚ポスターで見つかった、花婿の家じゃな」
ルネディ王は、ジロジロとユニたちのいる周りを見回し、興味津々の顔で尋ねてきた。
「そうだよ、隣にいる男の子が、ゆーまだよ」
「どれどれ!」
ルネディ王の視線が、ユニの隣にいたゆーまに移る。ゆーまが、タジタジとなった。
「うぁ! あ、その、はは、こんにちはです。その、ユニたちには、お世話になってます」
手を頭の後ろに回し、ゆーまは、ギクシャクしながらも、恥ずかしそうに答えた。
「中々のハンサムボーイじゃな!」
「でしょ、でしょ、パパ。だって、ユニのお婿さんなんだもん」
「(やっぱり、そうなるのね)」
ゆーまが、二人のトントン拍子の会話に、あははと愛想笑いをする。
「で、ゆーまよ、お主は、ユニのこと好きなのか?」
「ん、いや、その、みんなの前で、そういうことは言いにくいけど、嫌いじゃない」
ルネディ王の問いに、ゆーまは、恥ずかしそうにし、だが、きっぱりといった。
「うふふ、照れ屋なんだから、ゆーまったら♥ 大好きって言えば良いのに♡」
そういい、ユニは、ゆーまに近寄り、腕をギュッと握り抱きついた。リンたちは当然いい顔はしなかった。
「ユニ、あたいは、許さないからね」
「おほほ、そうよ、何が、召喚ポスターよ、許婚なんて認めないわよ」
「むむむぅ~フン!」
ユニが、顔を顰めた。嫉妬バトルは続き、火花が散った。ユニが、ゆーまに近寄った。
「こら、ユニ、どさくさに紛れて、胸、くっつけないでくれ、困るから」
ユニの大きな胸をぎゅっと腕に当てられ、ゆーまは、慌て赤面になる。
「?」
ユニは、何やら分かっていないような顔で、キョトンとしていた。
あいちゃんが何やら、遠目で見ている。ルネディ王が微笑し、再び口を開いた。
「仲はイイみたいじゃな。で、お主はいつ、魔法の国テスタに来るのじゃ?」
「エェッ、そっちの国に行くの?」
ゆーまは、暫し考え、ビックリしたような顔で言葉を濁した。
「こりゃ、ルネディ様にその口は、なんじゃ!」
「まぁ、よいではないか、ラクリ大臣、今は無礼講じゃ」
ルネディ王は、魔法画面の向こう側から、ラクリ大臣を、必死に諌めようとした。
「ユニのことを任せて、本当に大丈夫なのか、少し、お主を試させてもらった」
「え?」
「寺に行ったとき、地震があったろう。それを発生させたのは余じゃ」
ルネディ王の突拍子もない言葉に一同が驚嘆した。ゆーまは、開いた口が戻らない。
「やっぱり、あの大きな地震魔法、パパだったんだ」
「薄々、ユニは、勘づいていたようじゃな。時空を超えて、擬似ゲートであの地震魔法を発生させるのには、大分、大きな魔力を要したが、結果、良かったかもしれんな」
淡々とルネディ王は、説明していく。ユニは、ニコニコしていた。どうやら、分かっていたような感じだ。その後ろで、ヴィオラが、何やら考えていた。
「(あの大木が折れるほどの、レベルの地震魔法、可笑しいとは思っていたが、やはり、ルネディ様だったか)」
そして、ルネディ王は、ゆーまを見遣り、話を切り出した。
「見ていたぞ、大木が割れて、ユニに襲いかかるとき、お主は、ユニを置いて、逃げなかったな。ユニを必死で庇ってくれたではないか」
「……ッ」
「あの時、ユニを庇わず逃げるような男であれば、余はお主をユニの婿に、する気はなかったのじゃ」
そのルネディ王の言動に、驚いた顔で、ゆーまは返事を返した。
「じゃぁ、もしかして、レヴァとティグレが、間髪を入れずに地震のとき、現れたのも?」
「そうじゃ、余の差し金じゃ。あの地震魔法で、大木が割れるのは、計算済みだったじゃから、どうしてもそれを破壊する者が、必要だったのじゃ」
「ゆーま殿、すまんな。嘘をついて」
「すまん」
レヴァとティグレが、済まなさそうな顔で、ゆーまに言った。ゆーまは、躊躇うこともなく気にしていないような感じだった。
「いや、別にそれは、いいけどよ」
「もう、パパったら、ユニに隠して、そんなことするなんて」
手を振り、ユニは、にんまりと笑顔でいう。
「すまぬな、ユニ。だが、お前を、命をかけてまで守ってくれたじゃないか」
「あ、ああ、あのその」
「顔、真っ赤にして、可愛いんだから。素直にユニのこと好きっていえばいいのに。恥ずかしがらなくてもいいんだよ、ゆーまぁ♥ ラブラブなんだからぁ♥」
「だ、だからその、あれだ、そのぉ、胸、くっつけないで」
ゆーまは、顔を赤らめた。胸をまたオーバーにくっつけられた。ユニは、嬉しそうだが、周りはそうではなかった。不服そうな顔つきをした子が口火を切った。
「ユニ、あたいは、認めないよ。ゆーまは、あんたのもんじゃないんだからね、覚えときな!」
リンが、ビシッとユニに向けて手を平行に上げて、指を差しながらいった。続けて、セクシー幽霊姫と、
一個年下の少女がユニに言った。
「おほほ、そうですのよ。ゆーま様は、私のものですのよ」
「ユニさん、胸当てて、大胆ですね」
不服そうだ。顔色に出ている。
「むぅ~皆、なによぉ! この召喚ポスターで、ゆーまが許嫁って、運命的に判ったんだから」
「ユニ、じゃぁさ、そのポスターあたいが、焼いてあげるよ。そしたら、許嫁はちゃらだね」
リンが焼いてやろうと威嚇するように、指先から炎を出す。
「焼かれないようにこれ、隠しとくからダーメ。それに、焼かれても、許嫁って判明したから、ゆーまとの関係は永遠だもん♥」
ユニは、壁に貼って疑似ゲートに蓋をした召喚ポスターを急いで魔法球の中にしまった。
「おほほ、小娘、お口捻りますわよ」
幽霊姫が言った瞬間だった。
「まぁまぁ、まぁ、皆、しょうもないことで、喧嘩しないでさ、ねッ」
「しょうもないこと?」
ゆーまのことを好きな女陣が、声を同時にハモらせた。凄い殺気だ。いや、瘴気か?
「そんなことないでしょ! 彼女の覇権問題よ!」
リンが、ユニに向かって挑戦的に言った。ユニは、眉毛を釣り上げた。
「むむむぅ~」
「わはは、よくモテるのぉ、ムコ殿。どうやら、ことはなかなか進まないようじゃな、ユニ!」
ルネディ王は、笑いながら言う。少しの間、間を於き、ルネディ王は咳払いをし、真剣な面持ちでいった。
「ムコ殿、魔法の国テスタに来て、ユニと挙式をするつもりはないか?」
「えぇっ、きょ、挙式? 行き成りかよ」
ゆーまが困惑し、驚いて大声を上げた。
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話はまだまだ続きます。
個性的なキャラばかりでてきます。




